マッチングアプリ「ペアーズ」で知り合った相手から、LINEで紹介されたのがCervanta(cervantas.top・cervantas.com)という取引サイトです。
相談者は少額の払い戻しを受けた後、円をドルに換えて取引口座へ反映すると説明され、法人名義の口座へ高額を振り込みました。いまは、保険を解約して追加で支払うよう求められています。
ところが、Cervantaの紹介ページ自身は「銀行振込も、待ち時間もありません」と書いています。アドレスを取った当日は実在の取引所SynFuturesを名乗り、ホワイトペーパーは豪州のFX業者の説明書の社名を差し替えたものでした。取引サイトの紹介文も、KuCoinやBitstampの写しです。
Cervantaの画面とプログラムに残る痕跡を、名前を使われた会社が公開する資料と一つずつ照らし合わせた結果を弁護士が解説します。振り込む前や保険を解約する前に確かめたい点と、送ったお金を取り戻すための相談先が分かります。
ペアーズの相手から保険の解約まで求められるまでの流れ

相談者が相手と出会ったのは、マッチングアプリ「ペアーズ」でした。話の場所がLINEに移ってからCervantaという取引サイトを示され、少額の振込、利益を含めた払い戻し、高額の振込と進み、最後は生命保険の解約まで求められています。
この章では、相談者が受けた案内を、取引画面の提示・払い戻し・高額の振込・保険の解約の4つの場面に分けてたどります。どの場面でも、お金の行き先を決めていたのはサイトの画面ではなく、相手が伝える指示でした。
ペアーズからLINEに移りCervantaの取引画面を見せられた
ペアーズで知り合った相手とは、やがてLINEでやり取りするようになりました。そのLINEの中で示されたのが、Cervantaの取引画面です。画面には「cervantas.top」のアドレスが表示され、利益を示す別の画面には「cervantas.com」と出ていました。
相手はサイトへのリンクとして「https://www.cervantas.top」も送っています。Cervantaは、暗号資産や株式、ETFをひとつの画面で取引できるとうたうサイトです。送られたリンクのwww付きのアドレスは紹介のページで、取引の画面はwwwのないアドレスで開く作りになっています。
出会いのきっかけは恋愛や交際を目的とするアプリで、投資の話はその後のLINEで持ち出されました。示された2つのアドレスは、どちらを開いても同じ「Cervanta」の画面が表示されます。
少額の振込は利益を付けて戻された
最初の振込は少額で、相談者自身の銀行口座から送っています。このお金は、利益を含めて相談者の口座へ戻ってきました。サイトに表示された数字が増えただけでなく、相談者の手元には利益として入金された記録も残っています。
最初に入れたお金が増えて戻ってくると、サイトの取引が本物で、出金もできると受け取りやすくなります。少額で払い戻しを経験したことが、その後の高額の振込につながりました。この段階では損をしていないため、立ち止まるきっかけが生まれにくかったとみられます。
高額の振込では円をドルに換えて反映すると説明された
払い戻しの後、相手は高額の振込を指示しました。LINEの画面では、振込のときに「リアルタイム入金」を選ぶよう案内し、入金した日本円はドルに交換されて、名前の付いた取引口座に反映されると説明しています。振込の後には、振込情報の画面を送るよう求めていました。
相談者が受け取った入金の案内の画像には、振込の備考欄に投資や金融商品について書かないこと、30分以内に振込を終えること、振込の後に証明を出すこと、振込のたびに最新の口座情報を問い合わせることが並んでいます。
実際の振込先は、Cervantaの名前ではない法人名義の口座でした。円を受け取ってドルに換えるという説明のとおりの入金の窓口が、Cervantaのサイトに本当にあるのかは次の章で確かめます。
続けて保険の解約と追加の支払いを求められた
高額の振込の後、相談者は相談の1週間ほど前から、ドル建ての終身保険の解約を迫られていました。解約で受け取るお金をさらに支払うよう予定させられていたのです。取引口座への入金の話が、積み立ててきた保険を取り崩す話にまで広がりました。この支払いは、相談の時点ではまだ行われていません。
ここまでの流れをまとめると、ペアーズで知り合った相手がLINEでCervantaを示し、少額の払い戻しで信用させたうえで、法人名義の口座への高額の振込と保険の解約へ話を進めたことが、被害につながった経緯です。相談者は追加の支払いの前に立ち止まり、専門家に相談しています。
【参考】
・Cervanta(https://www.cervantas.top/)
Cervantaの紹介ページは「銀行振込はない」と自ら書いている

相手は、円を振り込めばドルに換えて取引口座に反映されると説明しました。ところが、Cervantaのサイト自身は、銀行振込で円を受け付ける入金を説明していません。
この章では、紹介ページに書かれた入金の手順、取引サイトの入金の画面の作り、振込のたびに名義が替わる口座の3つを順に確かめます。どれも相手の説明とは別の形のお金の流れを示しています。
紹介ページは資金を預からないウォレット接続型の取引をうたう
相手が送ったwww.cervantas.topの紹介ページには、取引を始めるまでの「ご利用の流れ」が4つのステップで書かれています。ステップ1は、自分のウォレット(暗号資産を入れておく財布にあたるもの)をつなぐことです。入金にあたるステップ2の説明は次の一文です。
ステーブルコインまたは対応資産を入金。資金は数秒で反映されます。銀行振込も、待ち時間もありません。
▼銀行振込はないと書くCervantaの入金の手順

出典:www.cervantas.top
同じページの「よくある質問」でも、Cervantaは口座開設を不要とし、資金を預からない仕組みだと答えています。
(前略)
すべての資産は自己管理され、プロトコルがお客様の資金を預かることはありません。
▼資金を預からないとするCervantaのよくある質問

出典:www.cervantas.top
サイトの説明どおりなら、円を銀行に振り込んで名前の付いた取引口座へ入れる場面はありません。口座開設を不要とする説明とも合わず、相手の案内は相手自身が示したサイトの説明と食い違っています。
円の入金の行を押しても開くのはサポートの窓口
取引サイトのcervantas.topには、ログインした後に開く入金の画面があります。プログラムそのものを取得して確認したところ、この画面には暗号資産の行と、「銀行カード – JPY (¥)」のように通貨ごとの銀行の行が並ぶ作りでした。
どの行にも、押したときの動きとして「event_serviceChange」が書かれています。これは、サイトの右下のサポートのアイコンなどにも使われている、サポートの窓口を開くための命令です。
▼押すと窓口を開く命令が入った入金の画面のプログラム

出典:cervantas.top
▼銀行の行も窓口を開くだけの入金の画面のプログラム

出典:cervantas.top
円の行を押しても振込先の口座は表示されず、開くのは窓口だけです。振込先は画面に出るのではなく、窓口の担当者がそのつど伝える形になっているとみられます。相談者が受け取った「振込のたびに最新の口座情報を問い合わせる」という案内とも合う作りです。
振込のたびに替わる名義の口座は銀行も注意を促す形
相談者の振込先は、Cervantaの名前ではない法人名義の口座でした。案内の画像も、振り込むごとに新しい口座を問い合わせるよう求めていました。三井住友銀行は、投資の勧誘を装った詐欺への注意として次のように書いています。
合理的な理由なく、入金先の口座名義が都度変更されることはありません。入金先口座が都度変更され、口座名義との関連が分からない場合は詐欺の可能性があります。
これらの注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、取引サイトの名前と違う名義の口座へ、そのつど替わる振込先で入金させる形は、銀行が挙げる特徴とそろっています。
振込の備考欄に投資や金融商品と書かないよう求めたことも、振込の目的を金融機関に伝えないための指示とみられます。
振込先の名義がサイトの名前と違う、振り込むたびに口座が替わる、備考欄の書き方まで指定される。こうした案内を受けたら、振り込む前に手を止め、取引のある銀行の窓口や警察、信頼できる第三者に相談してください。
【参考】
・Cervanta(https://www.cervantas.top/)
・Cervanta(https://cervantas.top/)
・三井住友銀行-投資や副業の勧誘を装った詐欺にご注意ください(https://www.smbc.co.jp/security/attention/index43.html)
Cervantaは取得の当日までSynFuturesの名前だった

Cervantaの紹介ページは、実在の分散型取引所「SynFutures」の紹介ページと同じ作りです。この章では、アドレスを取った当日に保存されたページ、その1週間前に取られた似た名前のアドレス、ページの下部から開くホワイトペーパーの3つを確かめます。
3つに共通するのは、別の会社のページや文書を、名前だけ替えて使い回していることです。正規のSynFuturesがCervantaを運営していることを示す情報は確認できませんでした。
取得の当日に保存されたページは「SynFutures」を名乗っていた
ドメインの登録情報によると、cervantas.topとcervantas.comは、日本時間の2026年9月15日17時19分から20分にかけて2秒の差で取得されています。同じ日の20時55分にInternet Archiveがcervantas.comのページを保存していました。
その保存版のページには、Cervantaではなく次の英文が表示されています。
SynFutures is an onchain trading protocol for crypto and real-world assets bringing stocks, ETFs, and derivatives onchain
▼SynFuturesを名乗る当日のcervantas.com

出典:web.archive.org
▼同じ紹介文を載せる正規のSynFuturesのページ

出典:www.synfutures.com
この一文は、正規のSynFuturesの公式サイトの紹介文と同じです。ブラウザ最上部のタブの名前も、どちらも「SynFutures | Trade Crypto, Stocks, and ETFs on One DEX」でした。
今の紹介ページの「Cervantaは、暗号資産と実物資産(RWA)のためのオンチェーン取引プロトコルです」は、この英文の名前を差し替えて日本語にした文とみられます。
よくある質問の「Cervantaの永久先物DEXから生まれ」という答えも、取得当日の保存版のプログラムでは「Born from SynFutures perps DEX」と書かれていました。名前のほかは、文の中身まで同じです。
1週間前に取られたsynfutures.camが今も同じページを返す
正規のSynFuturesの公式サイトのアドレスは、synfutures.comです。これとよく似たsynfutures.camというアドレスが、cervantasの2つより7日早い日本時間の9月8日16時01分に取得されていました。
▼9月8日の取得を示すsynfutures.camの登録情報

出典:rdap.centralnic.com
保存版のページのプログラムを調べたところ、「取引」のボタンの行き先がsynfutures.camになっていました。今このアドレスを開くと、Cervantaの紹介ページがそのまま表示されます。画面の作りも、読み込む設定のデータも、cervantas.topと1バイトも違いません。
▼Cervantaの画面を表示するsynfutures.cam

出典:www.synfutures.cam
なお、正規のSynFuturesも、日本で登録を受けた業者ではありません。金融庁の金融事業者一括検索と暗号資産交換業者の登録一覧に、SynFuturesとCervantaの名前は見当たりませんでした。ただし、掲載がないことが安全の根拠にはなりません。
ホワイトペーパーの中身は豪州のFX業者の説明書
紹介ページの一番下には「ホワイトペーパー」のリンクがあります。正規のSynFuturesのホワイトペーパーは、取引の仕組みを数式で説明する技術文書です。ところが、Cervantaのリンクから開くPDFは、オーストラリアのFX業者OANDA Australiaの金融サービスの説明書(FSG)でした。
文書の冒頭では、提供者が「Cervanta Australia Pty Ltd」に書き換えられています。一方で、会社番号(ACN 152 088 349)や豪州の免許番号(AFSL 412981)、住所、メールアドレス「[email protected]」は、正規のOANDAの説明書のままです。
▼社名だけをCervantaに替えたホワイトペーパー

出典:www.cervantas.top
▼同じ番号と住所が載る正規のOANDAの説明書

出典:docs.oanda.com
電話番号の欄には、CervantaともOANDAとも違う「Decenttrade-x」という名前まで入っていました。ホワイトペーパーをうたう文書が、別の会社の説明書の社名を差し替えたものだったことになります。
名前を使われた正規のOANDAとCervantaの関係を示す情報は確認できませんでした。会社の文書を見せられたら、社名だけでなく登録番号やメールアドレスが別の会社のものになっていないかを確かめてください。
【参考】
・Cervanta(https://www.cervantas.top/)
・synfutures.cam(https://www.synfutures.cam/)
・Internet Archive-cervantas.com(2026年9月15日の保存版)(https://web.archive.org/web/20260915115555/https://cervantas.com/)
・SynFutures(https://www.synfutures.com/)
・CentralNic-synfutures.camの登録情報(https://rdap.centralnic.com/cam/domain/synfutures.cam)
・Cervanta-v3-whitepaper.pdf(https://www.cervantas.top/v3-whitepaper.pdf)
・OANDA-Financial Services Guide(https://docs.oanda.com/d07765bb-5da9-41e3-ba93-1ad9cf0dfd9a/01._FSG_Jan_2025_-_Final.pdf)
・金融庁-金融事業者一括検索
・金融庁-暗号資産交換業者登録一覧
取引サイトの自己紹介はKuCoinやBitstampの文の継ぎ合わせ

紹介ページがSynFuturesの写しだった一方で、取引サイトのcervantas.topは、別の取引所の紹介文で自分を説明しています。この章では、トップと会社概要、ヘルプ、準備金の証明、同じ設定を使う別の名前のサイトの4つを順に見ていきます。
並べてみると、Cervantaの自己紹介は場所ごとに食い違っています。
| 書かれている場所 | Cervantaの名乗り |
|---|---|
| 紹介ページ(www.cervantas.top) | 暗号資産と実物資産のためのオンチェーン取引プロトコル |
| 取引サイトのトップ・会社概要 | 4,000万人のユーザー、2022年に評価額100億ドル、KCSの保有で手数料割引 |
| ヘルプ「Cervantaについて」 | アメリカ・ニューヨークに本社 |
| ヘルプ「Cervantaとは?」 | 2011年から活動する暗号通貨取引所 |
| ドメインの登録 | 2026年9月15日 |
トップと会社概要にKuCoinの資金調達とトークンが出てくる
取引サイトのトップは、誰でも開ける画面で資金調達の実績を次のように紹介しています。
Cervanta | Trade Perps & RWAsは2022年にシリーズBプレ資金調達で1.5億ドル、シリーズAと合わせて1.7億ドル、評価額100億ドルを達成。(後略)
▼評価額100億ドルの達成をうたうCervantaのトップ

出典:cervantas.top
正規のKuCoinは、2022年5月に1億5,000万ドルの調達と評価額100億ドルを自社のブログで発表しています。その前のシリーズAの2,000万ドルと合わせると1億7,000万ドルで、数字はKuCoinの実績とそろいます。
▼1億5,000万ドルの調達を伝える正規のKuCoinの発表

出典:www.kucoin.com
会社概要には「KCS 保有で手数料割引」とも書かれています。KCSは、正規のKuCoinが発行するトークンの名前です。Cervantaの名前で、別の取引所のトークンの特典を案内していることになります。
なお、正規のKuCoinも、金融庁が令和6年11月に無登録の暗号資産交換業者として警告した業者の一覧に載っています。実在の取引所の名前や実績が出てくることを、安全の目印と受け取らないでください。
▼KCSの保有で手数料割引とうたう会社概要

出典:cervantas.top
ヘルプでは「ニューヨーク本社」「2011年から」と名乗る
ヘルプは見出しの一覧までしか誰でも開けず、本文にはログインが要ります。そこでプログラムそのものを取得して確認すると、「Cervantaについて」は「アメリカ・ニューヨークに本社を置く」と書き、「ルクセンブルク、シンガポール、スロベニア、イギリス、アメリカにオフィスを構えて」いるとも説明しています。
「Cervantaとは?」は「2011年から」活動してきた取引所だと名乗ります。本社やオフィスの場所を挙げながら、運営する会社の名前や住所はどちらの本文にも書かれていません。
2011年の創業と5つの国のオフィスは、正規のBitstampの紹介とそろっています。Bitstampを買収したRobinhoodの発表にも、同じ年と同じ国の並びが書かれています。
▼2011年創業と5か国のオフィスを示すBitstampの発表

出典:blog.bitstamp.net
準備金の証明はアドレスより前の日付の固定値
ログインなしで開ける「準備金の証明」の画面は、「検証レポート(2026/05/31 23:59:59 UTC+8)に基づく」として、BTCの準備金率を115%などと示しています。この日付は、Cervantaのアドレスが取得される3か月半前です。
▼アドレス取得前の日付を示すCervantaの準備金の証明

出典:cervantas.top
プログラムを調べたところ、この数字と日付は画面のプログラムに直接書き込まれた固定の値でした。検証のたびに変わるはずの数字が、取引の状況と関係なく表示される作りです。検証したという独立機関の名前も示されていません。
Cervantaと同じ設定のデータを返すサイトがほかに6つある
公開のウェブサイト検査サービスurlscan.ioの記録では、Cervantaと同じ香港のクラウドの保存場所から画像を読み込むサイトが、ほかに8つ見つかりました。そのうち6つは、Cervantaと同じ形の設定のデータを返します。
6つのサイトの窓口には、実在の証券会社や取引所の名前が付けられ、3つはアプリの配布先までCervantaと同じでした。どのサイトもCervantaとは別の名前を名乗っています。
取引画面のプログラムにも、ニュース欄の投稿者の名前として「Capynex」という別の名前が書かれていました。同じ仕組みが、名乗る名前と紹介文だけを替えて、いくつものサイトで動いている可能性があります。名乗る会社の経歴が他社の紹介と同じでないか、振り込む前に確かめてください。
【参考】
・Cervanta(https://cervantas.top/)
・KuCoin-KuCoin Raises $150 Million at $10 Billion Valuation to Pioneer Exploration in Web 3.0(https://www.kucoin.com/blog/kucoin-raises-$150-million-at-$10-billion-valuation-to-pioneer-exploration-in-web-3.0)
・KuCoin-A Letter From KuCoin CEO(https://www.kucoin.com/blog/a-letter-from-kucoin-ceo-after-reaching-a-valuation-of-10-billion-usd-what-s-next)
・KuCoin-KCS(https://www.kucoin.com/kcs)
・Bitstamp-Robinhood Completes Acquisition of Bitstamp(https://blog.bitstamp.net/post/robinhood-completes-acquisition-of-bitstamp/)
・金融庁-無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について
・urlscan.io(https://urlscan.io/)
振込の前に手元でできるCervantaの勧誘の確かめ方

ここまで見てきたCervantaの不審な点は、特別な道具がなくても、スマートフォンやパソコンで確かめられます。使う道具ごとに、確かめる場所とCervantaで分かったことを並べます。
- ブラウザのページ内検索:サイト自身の入金の説明に「銀行振込」があるか
- Cervantaの紹介ページは、入金の手順に「銀行振込も、待ち時間もありません」と書いていました。相手の説明とサイトの説明を見比べてください。
- 振込の画面の受取人の名義:サイトの名前と同じか毎回替わらないか
- Cervantaへの入金とされた振込先は、別の法人名義の口座で、振り込むたびに最新の口座を問い合わせる決まりでした。備考欄の書き方まで指示されたら、それも手を止める理由になります。
- Internet Archive(ウェブページの保存サービス):アドレスの以前の姿
- アドレスを入れると、過去に保存されたページが見られます。cervantas.comは、取得した当日の保存版でSynFuturesを名乗っていました。
- 検索エンジン:会社の紹介文や文書の番号が別の会社のものでないか
- 紹介文の数字や経歴、PDFの登録番号やメールアドレスで検索すると、元の会社が出てくることがあります。Cervantaでは、KuCoinの資金調達、Bitstampの創業年、OANDAの説明書と一致しました。
- 金融庁の金融事業者一括検索と警告の一覧:名乗る名前と紹介文に出てくる取引所の名前
- CervantaもSynFuturesも登録業者の中に見当たらず、紹介文に名前が使われたKuCoinは警告の一覧に載っていました。ただし、掲載がないことは安全の根拠になりません。
- 保険会社の窓口:解約を急かされたら解約の手続きの前に相談
- 保険を解約して投資に回すよう求めるのは、Cervantaへの入金の話の続きです。解約の前に、保険会社と家族にそのまま話してください。
どれか1つでも当てはまれば、振込も保険の解約も止めて、専門家に相談してください。相談のときは、LINEのやり取り、振込の記録、相手が示したアドレスを消さずに残しておくと話が早く進みます。
【参考】
・Internet Archive(https://web.archive.org/)
・金融庁-金融事業者一括検索
・金融庁-無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について
Cervantaの口コミは検索でセルバンテスに埋もれる

X、Yahoo!知恵袋、5ちゃんねる等で「Cervanta」「cervantas」「セルバンタ」の名前を探しましたが、本件の被害を伝える投稿は確認できませんでした。手口を表す語を組み合わせても、時期と流れの合う投稿は見つかっていません。
口コミが見つかりにくい理由は、この事案の事情から3つ挙げられます。名前の綴りが検索で別の言葉に直されること、名前が付いてから日が浅いこと、勧誘がペアーズの外で進むことです。
Yahoo!検索は「cervantas」を「cervantes」として表示する
Yahoo!検索で「cervantas」と「Cervanta」に「詐欺」「投資」「出金」を組み合わせて調べると、検索結果の上に「”cervantes” OR “Cervantes” 詐欺 OR 投資 OR 出金 で検索しています。」と表示されました。
▼cervantesに直して検索するYahoo!検索の表示

出典:search.yahoo.co.jp
cervantesは、スペインの作家セルバンテスの綴りです。検索結果には、作家にちなんだ施設や同じ綴りを含む会社の話題が並び、Cervantaの話は埋もれてしまいます。名前を入れて情報を探す人がいても、別の話題が先に並ぶので、被害の声が一か所に集まりにくい状態です。
Cervantaの名前が付いたのは9月16日ごろ
cervantas.topとcervantas.comの取得は2026年9月15日で、取得の当日はSynFuturesを名乗っていました。Internet Archiveの保存版で「Cervanta」の名前が出てくるのは、翌日の9月16日からです。名前が付いてから、まだ1か月ほどしか経っていません。
名前で調べて出てきたのは、10月21日に作られた口コミ投稿サイトの1ページでした。同じ日付で、匿名の投稿が2件寄せられています。そのうち1件は、次のように本件と同じ流れを書いていました。
マッチングアプリで知り合った人物からCervantaを名乗る投資サイトへ誘導されて追加資金のオンパレードで出金できなくなりました
ただし、投稿者や事実関係は確かめられません。このページの冒頭は、行政書士・弁護士・警察OBと協力して解決するとうたう調査の宣伝で、本文も取引所の名前を差し替えれば使える一般的な文でした。口コミの数が少ない名前ほど、こうしたページが検索の上位に出やすくなります。
ペアーズの外へ移った勧誘は外から見えにくい
ペアーズは、外部のSNSへ誘うメッセージを自動で止めているとヘルプで説明しています。
Pairsでは、安心・安全にメッセージのやり取りを行なっていただくために、ロマンス詐欺の特徴である外部SNSへ誘導するメッセージや、コミュニティガイドラインに抵触した表現が含まれている可能性のあるメッセージを自動で検知し、メッセージの送信を停止しています。
▼外部SNSへの誘導を自動で止めるペアーズのヘルプ

出典:support.pairs.lv
本件でも、Cervantaの名前が出てきたのは、やり取りがLINEに移ってからでした。LINEでの1対1の会話は、第三者の目に触れません。サイトの名前は個別のやり取りの中でだけ示されるため、公開の場に情報が出にくいのです。
Cervantaの名前で調べて手がかりが見つからなくても、相手の話を信じてよい理由にはなりません。似た勧誘を受けたら、相手とのLINEの画面を残したまま、信頼できる第三者に見てもらってください。
【参考】
・Yahoo!検索(https://search.yahoo.co.jp/search?p=%22cervantas%22%20OR%20%22Cervanta%22%20%E8%A9%90%E6%AC%BA%20OR%20%E6%8A%95%E8%B3%87%20OR%20%E5%87%BA%E9%87%91)
・Internet Archive-cervantas.top(2026年9月16日の保存版)(https://web.archive.org/web/20260916042715/https://cervantas.top/)
・ペアーズ-「メッセージの送信を停止しました」と表示される(https://support.pairs.lv/hc/ja/articles/15554256281241)
保険を解約する前に知りたい取り戻せる可能性と相談先

Cervantaへの入金として相談者が送ったお金は、国内の法人名義の口座への銀行振込でした。少額の払い戻しを受けた後に高額の振込を重ね、いまは保険を解約して追加の支払いをするよう求められている段階です。
この章では、銀行振込で送ったお金について使える制度、保険を解約して払う前に知っておきたいこと、相談先の3つを取り上げます。どの制度も、使えるかどうかは振込先の口座の状況によって変わります。
国内の法人口座への振込は振り込め詐欺救済法の対象になりうる
詐欺で国内の預金口座へ振り込んだお金には、振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)の手続きがあります。金融機関が取るべき対応は、この法律の第3条に書かれています。
金融機関は、当該金融機関の預金口座等について、捜査機関等から当該預金口座等の不正な利用に関する情報の提供があることその他の事情を勘案して犯罪利用預金口座等である疑いがあると認めるときは、当該預金口座等に係る取引の停止等の措置を適切に講ずるものとする。
取引が止められた口座に残っているお金は、手続きを経て被害者に分配されることがあります。ただし、全国銀行協会は、支払いの額について次のように説明しています。
犯罪利用口座に滞留している残高が被害金の総額より少ない場合には、金融機関は口座残高を超えて被害金の支払を行うものではありません。
▼口座の残高を超えて支払わないとする全国銀行協会の説明

出典:www.zenginkyo.or.jp
口座のお金が引き出された後では、戻る額が小さくなります。振込先の金融機関と警察へ、できるだけ早く連絡することが大切です。振込の明細や、相手が送ってきた口座の画面は消さずに残してください。
保険を解約して払っても出金できるとは限らない
前の章までで見たとおり、Cervantaのサイト自身は銀行振込での入金を説明しておらず、入金の画面も窓口を開くだけの作りでした。追加の支払いが取引口座にどう反映されるのか、払えば出金できるのかをサイトの画面から確かめる手段はありません。求められるままに払っても出金できるとは限りません。
しかも、解約しようとしているのはドル建ての終身保険です。国民生活センターは、外貨建ての生命保険について、次のように注意を促しています。
(前略)
解約返戻金が支払われる場合でも、経過年数に応じて解約控除率を乗じた控除額が差し引かれる場合があるため、受取額が払込保険料を下回ることがあります(後略)
解約で受け取るお金が、それまでに払った保険料より少なくなることもあります。解約の手続きを進める前に、保険会社の窓口で返戻金の額を確かめ、解約を求められている事情もそのまま相談してください。
引き出された分の請求は名義人の特定から始まる
救済法の手続きで戻るのは、取引が止められた時点で口座に残っていたお金までです。金融庁の救済法のQ&Aは、口座からお金が引き出されている場合について、残高が足りなければ「犯人に対する民事上の請求等により、被害回復を図らざるをえません」と答えています。
本件の振込先は、Cervantaとは別の法人の名義でした。相手とはペアーズとLINEでやり取りしただけで、請求の相手が誰で、どこにいるのかを個人で突き止めるのは簡単ではありません。
名義人の住所などは、弁護士が受任していれば、弁護士法第23条の2の弁護士会照会を通じて金融機関に確かめられる場合があります。報酬を得て他人に代わり請求などの法律事務を行えるのは、弁護士法第72条により原則として弁護士です。
国民生活センターは、取り戻すことをうたう話にも注意を促しています。
なお、被害回復を謳った二次被害にあう可能性もありますので、この場合も不審に思ったら消費生活センター等にご相談ください。
前の章で見たとおり、Cervantaの名前で調べると、解決をうたう調査の宣伝が付いたページが出てきます。費用を払う前に、その業者が何をしてくれるのかを確かめてください。相談したい内容ごとの窓口は、次のとおりです。
- 振込先の口座を止めてほしい:振込先の金融機関と警察
- 被害を届け出たい:警察相談専用電話「#9110」、最寄りの警察署
- 勧誘や契約について助言がほしい:消費者ホットライン「188」
- 引き出された分を請求したい、相手方を調べたい:弁護士
保険の解約や追加の振込に応じる前に、専門家に相談して手順を決めておくと、手元に残るお金を守ることにつながります。保険会社から届いた解約の書類があれば、それも一緒に見てもらってください。
【参考】
・e-Gov法令検索-犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律
・全国銀行協会-振り込め詐欺救済法とは(https://www.zenginkyo.or.jp/hanzai/rescure/)
・国民生活センター-外貨建て生命保険の相談が増加しています!
・国民生活センター-SNSをきっかけとして、著名人を名乗る、つながりがあるなどと勧誘される金融商品・サービスの消費者トラブルが急増
・金融庁-振り込め詐欺救済法 Q&A
・e-Gov法令検索-弁護士法
