インターネットで副業を検索し、上位に表示されたサイトからFXの自動売買システムを紹介され、借り入れをして高額な契約を結んでしまうトラブルが相次いでいます。
なかでも、「H&Mシステム」という名称のFX自動売買システムを案内されたケースでは、利益が出るまでサポートを継続すると説明を受けて契約したにもかかわらず、運用資金が失われたうえ、サポート窓口とも連絡が取れなくなるなど、深刻な金銭トラブルに発展するおそれがあります。
この記事では、副業ランキングサイトからの誘導や関連サイトと契約先の調査結果、注意すべき特徴、口コミなどについて弁護士の視点から詳しく解説します。
H&Mシステムに関するトラブルの概要

H&Mシステムをめぐるトラブルでは、インターネットで副業を検索した際に上位へ表示されたランキングサイトから、FXの自動売買システムを紹介される流れが確認されています。
紹介されたシステムについては、利用契約とサポート契約として高額な費用を求められ、消費者金融から借り入れた資金を法人名義の口座へ複数回に分けて振り込む形になっています。
今回のトラブルでは、運用を始めてからおよそ1年後にFX口座の残高が失われ、サポート窓口として案内されていたLINEに連絡しても返信が届かない状況に至っています。
副業として紹介されるFX自動売買ツールをめぐるトラブル
副業や投資のノウハウとして販売される情報については、国民生活センターが「情報商材」として相談状況を公表しています。
▼国民生活センターが公表している情報商材の相談状況

出典:独立行政法人国民生活センター
ここでは情報商材について、「インターネットの通信販売等で、副業、投資やギャンブル等で高額収入を得るためのノウハウ等と称して販売されている情報」と説明されています。
あわせて、情報商材そのものだけでなく、それをきっかけに高額な副業コンサルティングやサポート契約を勧誘されるケースが目立つとされています。今回のトラブルでも、システムの利用契約とサポート契約が同時に締結されています。
掲載されている最近の事例には、「『在宅ワーク』などと検索して見つけた事業者から、競馬情報サイトで稼げると勧誘されて電子マニュアルの購入と高額なサポート契約をした。借金をして支払ったがやめたい」というものがあります。
扱われている題材は異なりますが、検索から事業者にたどり着き、借り入れをして高額な契約に至るという流れは今回のトラブルと重なる部分があります。
公的機関が同種の手口に注意喚起している
国民生活センターは2026年5月20日にも、副業や投資を名目とした借り入れについて注意喚起を公表しています。
▼国民生活センターが公表している副業や投資を名目とした借り入れへの注意喚起

出典:独立行政法人国民生活センター
この中では、勧誘の際に「簡単に儲かる」「すぐに返済できる」と説明されて支払ったものの、実際には副業や投資で儲けることはできずトラブルになっていると指摘されています。
紹介されている相談事例のひとつには、「インターネットで見つけた『FX投資で儲かる』という業者に約150万円の費用は消費者金融から借金するように言われ、そのとおりに借り入れて業者の指定する口座に振り込んだ。投資した資金が出金できず、消費者金融には自分で返済せざるを得なくなってしまった」というものがあります。
同センターは、借り入れをした場合であっても、その返済義務は借り入れをした消費者が負う点にも触れています。
これらの注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、副業として紹介された投資に高額な費用を求められた場合は、契約の前に第三者へ相談することが重要です。
【参考】
・hayame.site(https://hayame.site/)
・backend3605.net(https://backend3605.net/)
・国民生活センター-副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!-複数の貸金業者から次々と借り入れさせる手口が目立ちます-
H&Mシステムへの勧誘から被害につながるまでの経緯

H&Mシステムをめぐるトラブルでは、副業の検索をきっかけにFXの自動売買システムを紹介され、高額な契約を結んだ後に運用資金が失われる流れがみられます。
ここでは、検索から相手と連絡が取れなくなるまでの経緯を整理します。
インターネットの検索結果から副業のランキングサイトにたどり着く
きっかけとなるのは、インターネットで副業を検索したことです。2025年7月頃、検索結果の上位に表示されたサイトからFXの自動売買システムの紹介を受けています。
相談の際に確認できたサイトのURLは「backend3605.net」です。副業に関する複数のサービスを比較し、順位を付けて紹介する形式のサイトだったとされています。
検索結果の上位に表示されていることは、そのサービスの安全性を保証するものではありません。広告の出稿や検索対策によって上位に表示させることは可能です。
FXの自動売買システムを紹介される
紹介されたのは「H&Mシステム」という名称のFX自動売買システムです。システムの内容を説明するサイトとして「hayame.site」が案内されています。
FXの自動売買は、あらかじめ設定された条件に従って売買を繰り返す仕組みです。取引の判断を自分で行う必要がないことから、知識や経験がなくても運用できるものとして案内されやすい傾向があります。
ただし、自動売買であっても為替相場の変動による損失は生じます。利益が出ることをあらかじめ約束できる仕組みではありません。
借り入れた資金で利用契約とサポート契約を結ぶ
2025年7月下旬、H&Mシステムの「プランH」という名称の利用契約と、あわせてサポート契約を締結しています。契約の相手方として案内されたのは、埼玉県春日部市に本店を置く「合同会社はやめ」です。
サポート契約については、サポート期間が終了した後も利益が出るまでサポートを継続するという説明を受けたとされています。
支払いは銀行振込で行われ、消費者金融から借り入れた資金を法人名義の口座へ複数回に分けて振り込む形になりました。
利益が出るまでサポートを続けるという説明は、利用者にとって安心材料に見えます。しかし、その説明を書面でどのように定めているかを確認しないまま借り入れをして支払うことは避けるべきです。
運用開始から約1年で残高が失われ連絡が取れなくなる
契約と同じ2025年7月に、自身でFX口座へ2万円を入金し運用を開始しています。
その後、2026年7月の時点でFX口座の残高は7万円になっていました。さらに翌月の2026年8月には、残高が0円になっていることが確認されています。
サポート窓口として案内されていたLINEに連絡しても返信はなく、現在も連絡が取れない状況が続いています。
また、システムの内容を説明していたサイトについても現在はアクセスしても表示されません。
▼hayame.siteにアクセスした画面

出典:hayame.site
契約の相手方と連絡が取れなくなり、説明に使われていたサイトも確認できなくなった場合は、早い段階で専門家に相談することが重要です。
【参考】
・hayame.site(https://hayame.site/)
・backend3605.net(https://backend3605.net/)
H&Mシステムの関連サイトの情報を調査した結果

今回確認されたトラブルでは、「hayame.site」と「backend3605.net」の2つが関連URLとして挙げられています。あわせて、契約の相手方として「合同会社はやめ」の名称が案内されています。
ここでは、2つのサイトのドメイン情報と契約先として案内された法人の登記情報を、公開情報をもとに調査しました。
hayame.siteの基本情報とドメイン情報
まず、H&Mシステムの内容を説明していたとされるサイトについて確認しました。
| URL | https://hayame.site/ |
|---|---|
| 運営会社 | 現在は確認できない |
| 所在地 | 現在は確認できない |
| 代表者名 | 現在は確認できない |
| ドメイン名 | hayame.site |
| 現在の登録状況 | 登録が確認できない(登録可能な状態) |
| SSL証明書の初回発行日 | 2025年4月24日 |
| SSL証明書の最終発行日 | 2026年4月27日 |
| 同証明書の有効期限 | 2026年7月26日 |
| 確認できたサブドメイン | www/m/apps/admin/login/panel/backend/cdn/test/testing |
hayame.siteの情報から読み取れることは以下の通りです。
- ドメインの登録が確認できず、第三者が取得できる状態になっている
- サイトが表示されないため、運営会社や所在地、連絡先を確認できない
- SSL証明書は2025年4月24日に初めて発行されている
- 証明書の発行は2026年4月27日が最後で、同年7月26日に有効期限を迎えている
ドメインの登録が確認できない以上、現時点でサイトの内容や運営主体を確かめる手段はありません。証明書の記録から、2025年4月下旬には稼働していたとみられる点が確認できるにとどまります。
なお、確認できたサブドメインには、管理画面やログイン画面を示す名称が含まれています。利用者向けの画面と管理用の画面を備えた仕組みが用意されていたとみられます。
backend3605.netの基本情報とドメイン情報
次に、副業のランキングサイトとして案内されたとされるサイトについて確認しました。
| URL | https://backend3605.net/ |
|---|---|
| 運営会社 | 現在は確認できない |
| 所在地 | 現在は確認できない |
| ドメイン名 | backend3605.net |
| ドメイン登録日 | 2025年9月11日 |
| 有効期限 | 2027年9月11日 |
| 更新日 | 2026年9月11日 |
| 状態 | アクティブ |
| レジストラ | 株式会社日本レジストリサービス |
| ネームサーバー | ns1.dns.ne.jp/ns2.dns.ne.jp |
| IPアドレス | 153.127.119.227 |
| 現在の応答 | エラーが表示され内容を確認できない |
▼backend3605.netのwhois情報

出典:Whois.com
ドメインは現在も有効な状態で管理されており、有効期限は2027年9月11日まで設定されています。一方で、ドメインの登録者を特定できる情報は確認できませんでした。
このサイトについても、現在アクセスしても内容は表示されません。
▼backend3605.netにアクセスした画面

出典:backend3605.net
ドメインとサーバーは維持されている一方、サイトとしては配信されていない状態です。どのような内容が掲載されていたかを現時点で確認することはできません。
契約先として案内された法人の登記情報
契約の相手方として案内された「合同会社はやめ」については、国税庁の法人番号公表サイトで情報を確認できます。
| 商号 | 合同会社はやめ |
|---|---|
| 法人番号 | 1040003025064 |
| 本店所在地 | 埼玉県春日部市 |
| 法人番号指定年月日 | 令和6年(2024年)5月24日 |
| 最終更新年月日 | 令和7年(2025年)5月12日 |
| 変更履歴(商号) | 令和7年(2025年)5月2日に「合同会社Alive」から変更 |
| 変更履歴(本店所在地) | 令和7年(2025年)4月9日に千葉県千葉市から変更 |
▼国税庁の法人番号公表サイトで確認できる合同会社はやめの情報

出典:国税庁 法人番号公表サイト
登記上の法人としては実在しており、法人番号も公表されています。法人が実在するからといって、その法人が案内どおりのサービスを提供しているとは限りません。
一方で、法人番号が指定されたのは2024年5月24日で、契約が行われた2025年7月の約1年2か月前にあたります。さらに、商号と本店所在地はいずれも契約の数か月前に変更されています。この点については次の章で詳しく取り上げます。
【参考】
・hayame.site(https://hayame.site/)
・backend3605.net(https://backend3605.net/)
H&Mシステムに関する不審点

ここまでの調査を踏まえ、H&Mシステムに関して確認された不審な点を整理します。いずれも、公開されている情報から確認できる内容です。
システムを紹介していたサイトのドメインが失効している
H&Mシステムの内容を説明していたとされる「hayame.site」について、ドメインの登録状況を照会しました。
▼hayame.siteのドメイン登録状況を照会した結果

出典:rdap.radix.host
照会結果には「Domain hayame.site is available for registration」と表示されます。これは、このドメインが現在は登録されておらず、誰でも取得できる状態にあることを示しています。
契約時に案内されていたサイトのドメインが、契約から約1年後に手放されている状態です。
なお、失効したドメインは第三者が取得することもできます。同じURLを開いても、当時とはまったく別のサイトが表示される可能性がある点には注意が必要です。
サイトの稼働が止まった時期と残高が失われた時期が重なっている
サイトがいつまで稼働していたかは、SSL証明書の発行記録から確認できます。
▼hayame.siteのSSL証明書の発行記録

出典:crt.sh
記録によると、最初の証明書は2025年4月24日に発行され、その後はおおむね2か月ごとに更新されています。サイトが継続して運用されていたとみられます。
最後の発行は2026年4月27日です。この日には、www・m・apps・admin・login・panel・backend・cdn・test・testingという複数のサブドメイン分の証明書がまとめて発行されています。
しかし、この証明書が2026年7月26日に有効期限を迎えた後に、新しい証明書は発行されていません。
相談者がFX口座の残高が0円になっていることを確認したのは2026年8月です。サイトの稼働が止まったとみられる時期と残高が失われた時期が重なっています。
両者の因果関係までは確認できませんが、契約から1年を経過した時点でサイトの維持が行われなくなっていた点は事実として確認できます。
契約先の法人は契約の約3か月前に商号を変更している
契約の相手方として案内された「合同会社はやめ」について、国税庁の法人番号公表サイトで変更履歴を確認しました。
▼国税庁の法人番号公表サイトで確認できる合同会社はやめの変更履歴

出典:国税庁 法人番号公表サイト
記録によると、この法人に法人番号が指定されたのは令和6年5月24日です。その後、令和7年4月9日に本店所在地を千葉県千葉市から埼玉県春日部市へ変更しています。
さらに、その翌月の令和7年5月2日には「合同会社Alive」から「合同会社はやめ」へ商号を変更しています。
相談者が契約したのは2025年7月下旬です。つまり、商号が変更されてからわずか約3か月後に契約が行われていることになります。
商号の変更も本店所在地の変更も、それ自体は法律上認められた手続きであり、事業上の理由で行われることも珍しくありません。
一方で、契約前に相手方の商号で検索しても、変更前の名称で公開されていた情報にはたどり着けません。取引先を調べる際は、商号だけでなく法人番号から変更履歴まで確認することが重要です。
誘導元とされるサイトのドメインは契約より後に登録されている
副業のランキングサイトとして案内されたとされる「backend3605.net」について、ドメインの登録日は2025年9月11日でした。
一方、相談者が副業を検索し、契約に至ったのは2025年7月です。契約の時点では、このドメインはまだ登録されていなかったことになります。
このことから、相談者が2025年7月に閲覧したサイトは、別のドメインだった可能性があります。ただし、当時のサイトを特定することはできませんでした。
同種のサイトでは、ドメインを短期間で入れ替えながら運用されることがあります。閲覧したサイトのURLは、その時点で控えておくことが望ましいといえます。
同じサーバーに同じ命名規則のドメインが70件以上登録されている
「backend3605.net」が割り当てられているIPアドレス「153.127.119.227」について、同じIPアドレスを使用しているドメインを調べました。
▼同じIPアドレスを使用しているドメインの一覧

出典:HackerTarget
その結果、同じサーバーに72件のドメインが確認できました。名称には、英単語に4桁の数字を付けたもの、2文字のアルファベットと英単語をハイフンでつないだもの、「zaitaku」に色の名前を付けたものといった共通の規則がみられます。
各ドメインの登録日を確認すると、次のように特定の日にまとめて登録されていました。
| 登録日 | 件数 |
|---|---|
| 2023年11月29日 | 1件 |
| 2024年1月22日 | 1件 |
| 2024年10月7日 | 17件 |
| 2025年9月11日 | 10件(backend3605.netを含む) |
| 2025年11月7日 | 20件 |
| 2026年1月16日 | 20件 |
| 2026年2月6日 | 3件 |
いずれも同じ登録事業者とネームサーバーが使われています。1回あたり10件から20件のドメインが、同じ日に一括して取得されている状況です。
現在、これらのドメインの多くはアクセスしても内容が表示されません。ドメインを多数用意し、入れ替えながら使用していた可能性が考えられます。
金融商品取引業者としての登録を確認できない
日本国内で投資に関する助言や取引の媒介を業として行う場合、金融商品取引業の登録が必要になることがあります。
金融庁の金融事業者一括検索で「合同会社はやめ」を検索しました。
▼金融庁の金融事業者一括検索の結果

出典:金融庁
結果は「該当するデータはありませんでした。」と表示されます。金融庁から免許・許可・登録等を受けている事業者としては確認できませんでした。
あわせて、金融庁および関東財務局が公表している無登録業者の一覧も確認しましたが、同社の掲載は確認できませんでした。
また消費者庁の特定商取引法ガイドに掲載されている執行事例についても検索しましたが、該当する記録は確認できませんでした。
▼消費者庁の特定商取引法ガイドで執行事例を検索した結果

出典:消費者庁 特定商取引法ガイド
なお、これらの一覧や検索結果に掲載がないことは、その事業者が適法に事業を行っていることを示すものではありません。警告や処分は、当局が事実を確認した時点で行われるためです。
【参考】
・hayame.site(https://hayame.site/)
・backend3605.net(https://backend3605.net/)
・crt.sh(https://crt.sh/?q=hayame.site)
H&Mシステムのような勧誘が契約につながりやすい理由

副業を探す過程でFXの自動売買システムを紹介され、高額な契約に至る流れにはいくつかの共通した背景があります。
ここでは、今回の調査で確認できた点をもとに契約につながりやすい理由を整理します。
検索結果の上位に表示されること自体が信頼の根拠になりやすい
インターネットで副業を検索したとき、上位に表示されたサイトは信頼できるものだと感じやすい傾向があります。
しかし、検索結果の順位は広告の出稿や検索エンジン向けの対策によって左右されます。検索エンジンが掲載内容の正確さや事業者の適法性を保証しているわけではありません。
とくに広告枠は、費用を支払えば上位に表示させることも可能です。表示の位置だけを根拠に判断することは避けるべきでしょう。
ランキングの順位は運営者側で自由に決められる
複数のサービスを比較し、順位を付けて紹介する形式のサイトではその順位がどのような基準で決められているかが示されていない場合があります。
掲載や順位が広告料と結び付いていることもあり、利用者の評価をそのまま反映したものとは限りません。
比較サイトを参考にする際は、運営者の名称や連絡先、掲載の基準や調査方法が明示されているかを確認することが重要です。
少額の入金から始まるため異変に気づきにくい
今回のトラブルでは、システムの利用契約とサポート契約に高額な費用が支払われた一方、FX口座へ入金した運用資金は2万円でした。
運用に使う金額が少額であれば、残高が減っても相場の変動によるものと受け止めやすくなります。大きな損失が出ていないように見えるため、契約自体を疑う機会が生じにくいといえます。
今回のケースでも、残高が0円になるまでに契約から約1年が経過しています。時間をかけて残高が減っていく状況では、異変に気づく時期が遅れやすい点に注意が必要です。
サイトも法人の名称も短期間で入れ替えられる
ドメインは低額で取得でき、複数をまとめて登録することも可能です。今回の調査でも、同じサーバーに同じ規則の名称を持つドメインが72件確認されました。
法人の商号や本店所在地も、手続きを行えば変更できます。名称が変われば、以前の名称で公開されていた情報は新しい名称で検索しても表示されません。
このため、契約前に相手方を調べても過去の評判や指摘にたどり着けないことがあります。
金融庁も、登録を受けていない事業者との取引について注意を呼びかけています。
▼金融庁が公表している無登録業者との取引に関する注意喚起

出典:金融庁
ここでは、預けた資金を出金しようとしたときに「出金の拒否や法外な出金手数料を請求されたりする」ほか、「これまで連絡が取れていたのに急に連絡が取れなくなる」といったトラブルが多く寄せられていると記載されています。
この注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、契約前に相手方の登録状況を確認することが重要です。
【参考】
・金融庁-無登録業者との取引は要注意!! ~無登録業者との取引は高リスク~
H&Mシステムに関する不審点を見抜く方法

副業として紹介された投資の勧誘に不審な点があるかを判断するには、示された利益の大きさではなく、契約の相手方とサイトそのものを客観的に確認することが重要です。
ここまで確認した情報をもとに、契約の前に確かめておきたいポイントを整理します。
- 紹介されたサイトのドメインがいつ登録されたかを確認する
- whois検索を使えば、誰でもドメインの登録日を調べられます。登録から日が浅いドメインで高額な契約を求められる場合は、慎重な判断が必要です。紹介された時期よりも後に登録されたドメインであれば、当時のサイトとは別のものである可能性があります。
- 契約先として示された法人の登記情報と変更履歴を確認する
- 国税庁の法人番号公表サイトでは、商号から法人番号や本店所在地を調べられます。あわせて変更履歴を開くと、旧商号や旧所在地、変更があった日付まで確認できます。商号が最近変更されている場合は、旧商号でも検索してみましょう。
- 金融商品取引業者としての登録の有無を確認する
- 投資に関する助言や取引の媒介を業として行う場合、金融商品取引業の登録が必要になることがあります。金融庁の金融事業者一括検索で事業者名から調べられます。登録が確認できないことも、無登録業者の一覧に掲載がないことも、いずれも適法性を示すものではありません。
- ランキングサイトの運営者と掲載の基準が示されているか確認する
- 比較や順位付けを行うサイトでは、運営者の名称と連絡先、掲載や順位を決めた基準、調査の方法が示されているかを確認します。運営者として法人名や所在地がなく、個人名やメールアドレスだけが記載されている場合は注意が必要です。
- 契約の前に借り入れを求められたらその場で契約しない
- 「簡単に稼げる」「すぐに元が取れる」といった説明を受けても、借り入れの返済義務を負うのは契約した本人です。国民生活センターも、借金をしてまで契約しないよう繰り返し注意を呼びかけています。その場で判断せず、いったん持ち帰りましょう。
- 連絡手段がメッセージアプリだけになっていないか確認する
- 契約後のやり取りがLINEなどのメッセージアプリだけに限られている場合、相手が応答をやめると連絡手段が絶たれます。契約書の有無と、法人としての所在地や電話番号を確認しておくことが重要です。
投資や副業のサービスを検討する際は、「どれだけ稼げるか」よりも、誰と契約しその相手をどこまで確認できるのかを先に確かめることが大切です。
不審な点が複数重なる場合は、契約や追加の支払いを控え、早い段階で弁護士などの専門家へ相談することを検討しましょう。
【参考】
・国民生活センター-副業サポートや投資の名目で借金させる業者に注意!-複数の貸金業者から次々と借り入れさせる手口が目立ちます-
H&Mシステムに関する口コミや被害事例

H&Mシステムや契約先として案内された法人について、SNSや掲示板ではどのような情報が確認できるのでしょうか。実際にインターネット上に投稿されている口コミや被害に関する情報を確認してみましょう。
なお、「H&M」という名称で検索すると衣料品ブランドや同名の事業者に関する情報が多数表示されます。また「合同会社はやめ」で検索すると、合同会社という法人形態を解説する記事が上位に並びます。いずれも今回のトラブルとは関係のない情報であり、切り分けて読む必要があります。
X(旧Twitter)の口コミ
X(旧Twitter)で、H&Mシステムやhayame.site、契約先として案内された法人に関する有力な情報は確認できませんでした。
Yahoo!知恵袋の口コミ
Yahoo!知恵袋では、副業として紹介された投資や自動売買ツールに関する相談が多数投稿されています。しかし、今回のトラブルで使われたサービス名やサイト名に直接結びつく投稿は確認できませんでした。
掲示板の口コミ
掲示板で、H&Mシステムやhayame.siteに関する有力な情報は確認できませんでした。
H&Mシステムに関する口コミが少ない理由

H&Mシステムについて検索しても、2026年9月の時点ではSNSや掲示板で具体的な口コミをほとんど確認できません。
理由のひとつは、説明に使われていたサイトがすでに存在しないことです。ドメインの登録が確認できない以上、検索してサイトにたどり着くことも内容を確かめて感想を投稿することもできません。
また、名称が一般的な語と重なっている点も影響していると考えられます。「H&M」は衣料品ブランドとして広く知られており、「はやめ」は合同会社に関する記事で頻繁に使われる表現と重なります。固有の情報があったとしても、検索結果に埋もれてしまいやすい状況です。
さらに、契約先として案内された法人は、契約の約3か月前に商号を変更しています。以前の名称で公開されていた情報があったとしても現在の名称では結びつきません。
勧誘の経路にも特徴があります。SNSのグループではなく、検索からサイトへ進み、個別にやり取りを重ねる流れであれば、契約した人同士が接点を持つ機会はほとんどありません。
今回のトラブルでも、契約から残高が失われるまでに約1年が経過しています。被害が表面化するまでに時間がかかる構造では情報が共有されるのはさらに後になります。
口コミが少ないことを安全性の根拠とせず、契約の相手方や登録状況を自分で確認することが重要です。判断に迷う場合は、契約や支払いを止めたうえで専門家へ相談することを検討しましょう。

