「SPARX」と名乗る株の取引サイト(trade.sparx-group.net)で入金を重ね、表示された残高の出金を申請したところ、窓口の担当者から「資本利得税」を2営業日以内に振り込むよう求められたという相談が寄せられています。
SPARXのログイン画面には、正規のスパークス・アセット・マネジメントのロゴと金融庁の登録番号が並んでいます。しかし、正規のスパークス・グループは、同じサイトを表示するアドレスを例に挙げて「当社とは一切関係ございません」と公表しています。
相談者がお金を送った先も、SPARXの名前の口座ではありませんでした。受取人は振込のたびに替わる個人で、振込先の銀行も少なくとも2つに分かれています。名前や番号が本物でも、お金の行き先は正規の会社とつながっていません。
本記事では、SPARXのアドレスと、出金の前に求められた税の名目を、正規の会社と国税庁の資料に照らした結果を弁護士が解説します。振り込んだお金を取り戻すための手続きと、相談できる窓口も紹介します。
振込を重ねたSPARXで出金の前に「資本利得税」を求められるまで

相談者が使っていたのは、「SPARX」と名乗る株の取引サイト(trade.sparx-group.net)です。入出金の画面には複数回の入金の記録が並び、画面上の残高を引き出そうとしたところで、出金の条件として「資本利得税」の振込を求められました。
以下では、入金・出金の申請・税の請求の3つの場面を、相談者の手元に残った記録からたどります。3つに共通するのは、振込の受取人がSPARXの名前ではなく毎回違う個人だったことと、出金の条件がサイトの手続きではなく窓口の担当者から示されたことです。
振込のたびに受取人の名前と銀行が替わった
SPARXの入出金の画面には、8月下旬から10月中旬にかけて、入金が成功したことを示す記録が複数並んでいます。相談者は、そのたびに自分の銀行口座から相手側の口座へお金を振り込んでいました。
振込完了の画面を見ると、受取人はSPARXの名前でも会社の名前でもなく個人名義の口座です。しかも振込のたびに受取人の名前が替わり、振込先の銀行も少なくとも2つに分かれていました。相談者は振込の記録があまり残っていなかったため、通帳の記帳で振込の履歴を示しています。
取引の画面ではSPARXという1つの会社に入金しているように見えても、通帳の受取人の欄に残るのは別々の個人の名前です。株の取引口座へのお金が、なぜ会社ではなく個人に、しかも毎回違う人に届くのか。この食い違いは、振込の記録の側から確かめられます。
出金の申請は入出金の画面で「確認待ち」のまま止まった
入金が続いた後の10月中旬、相談者は残高の出金を申請しました。入出金の画面では、この申請が「確認待ち」と表示されたまま進んでいません。表示されていた残高は、それまでに振り込んだ額を大きく上回る数字でした。
プログラムを調べたところ、「確認待ち」はSPARXが出金の申請に付ける状態の1つとして用意されています。申請の後の処理は運営側の担当者が進める作りで、申請した利用者の側から手続きを先へ進める操作はありません。出金の申請が受け付けられても、お金が動くかどうかは運営側の対応次第でした。
窓口は税を2営業日以内に振り込めば出金を続けると案内した
出金を申請した後、取引画面のカスタマーサービスが相談者に示したのは、口座の総資産と「課税対象収益」、そして「資本利得税」の額でした。税額は高額で、2営業日以内に振り込み、振込の控えを提出すれば出金の手続きを続けるという案内です。
ここまでをまとめると、SPARXの取引サイトで個人名義の口座への振込を重ね、画面上の残高が増えた後に、出金の条件として税の名目で追加の振込を求められたことが被害につながった経緯です。相談者は税を振り込む前に、この請求に応じるべきかを専門家に尋ねています。
【参考】
・SPARX(https://trade.sparx-group.net/)
正規のスパークス・グループは「一切関係ございません」と公表している

SPARXのログイン画面には、正規のスパークス・アセット・マネジメントのロゴと、金融庁の登録番号が並んでいます。しかし、そのグループの持株会社である正規のスパークス・グループは、社名を組み込んだアドレスのサイトとの関係を公式に否定しています。
ここでは、正規のスパークス・グループの注意喚起、ログイン画面の登録番号、業界団体が示す被害の事例の3つを見ていきます。共通しているのは、名前もロゴも番号も本物でありながら、アドレスとお金の受取人が正規のものではないという点です。
5月18日の注意喚起はtrade.sparx-group.comを例に挙げている
正規のスパークス・グループは2026年5月18日、自社のサイトに「【重要】sparxをURL(ドメイン)に組み込んだ弊社とは無関係のサイトに関する注意について」を掲載しました。本文は次のとおりです。
現在、当社の社名やサービス名をURL(ドメイン)に組み込み、あたかも当社が運営していると誤認させるような下記URLを例とした「サイト」の存在が確認されておりますが、当社とは一切関係ございません
trade.sparx-group.com
また、当社の役員または従業員が、メールやSNS等を通じて「サイト」に誘導し、口座開設等を勧めることは一切ございませんので、十分ご注意くださいますようお願いいたします。
▼sparx-groupのサイトを否定する正規の注意喚起

出典:スパークス・グループ株式会社
例に挙がった「trade.sparx-group.com」は、SPARXのアドレス「trade.sparx-group.net」と末尾だけが違い、開くと同じ画面が表示されます。注意喚起の後半には正規のサイトのアドレスが8つ並んでいますが、sparx-groupを含むものは1つもありません。
この注意喚起が出たのは、相談者の最初の振込より3か月以上前です。Internet Archiveに残る保存版を比べると、5月と6月の版は「下記URLの「サイト」」、10月の版は「下記URLを例とした「サイト」」となっており、名指しした1つのアドレスに限らない書き方に改められています。
ログイン画面の第346号は正規の会社の本物の登録番号
ログイン画面は、アカウントを持たない人でも表示できます。入力欄の下には「登録・加入協会等」として「金融商品取引業者/関東財務局長(金商)第346号/日本証券業協会」と書かれ、その下にSPARXのロゴが大きく表示されています。
▼正規の登録番号を掲げるSPARXのログイン画面

出典:SPARX
金融庁の金融商品取引業者登録一覧で第346号を引くと、正規のスパークス・アセット・マネジメントが出てきます。加入協会の欄にも日本証券業協会があり、番号と協会名を照らし合わせても、ログイン画面の表示との食い違いは見つかりません。
番号も協会名も本物を写したものである以上、登録番号を確かめるだけでは見分けがつきません。確かめるべきは、サイトのアドレスが正規の会社の公表するアドレスか、振込先が会社の口座かという点です。正規のスパークス・グループは、SNSなどからサイトへ誘導して口座開設を勧めることはないと明言しています。
運用会社の名前と個人名義の口座は業界団体が示す事例と同じ形
資産運用会社の業界団体である一般社団法人資産運用業協会は、「投資詐欺にご注意ください」のページで、資産運用会社の役職員をかたる被害の事例を挙げています。その1つ目は次のとおりです。
アセットマネジメント会社の役職員(例:社長、ファンドマネージャー)を語る人物から、SNSを通じて投資を勧誘し、口座(個人名義の口座)にお金を振り込ませる事例。インターネットページのロゴマークは実在する会社のマークと似ていたものの、送金の都度、口座の名義が変わるなど不審な点があったことから詐欺だと判明。
▼送金のたびに名義が変わる事例を挙げる業界団体の注意喚起

出典:一般社団法人資産運用業協会
これらの注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、SPARXへの振込とは3つの点で重なります。実在の運用会社のロゴを使うこと、個人名義の口座へ振り込ませること、振込のたびに口座の名義が変わることです。
会社の名前で取引しているつもりでも、通帳に残る受取人が毎回違う個人であれば、その時点で振込を止めて確かめる合図になります。受取人が会社の名前かどうかは、振込の画面と通帳の記帳で誰でも確かめられます。
【参考】
・SPARX(https://trade.sparx-group.net/pages/user/login)
・スパークス・グループ-【重要】sparxをURL(ドメイン)に組み込んだ弊社とは無関係のサイトに関する注意について(https://www.sparx.jp/press/detail/2659.html)
・金融庁-金融商品取引業者登録一覧
・資産運用業協会-投資詐欺にご注意ください
sparx-groupの2つのアドレスは同じ日に23分差で取得

SPARXのアドレスは「trade.sparx-group.net」ですが、正規のスパークス・グループの注意喚起が例に挙げたのは「trade.sparx-group.com」でした。以下では、2つのアドレスの関係、sparx-group.comの以前の使われ方、正規のアドレスとの違いを確かめます。
どれも、ドメインの登録情報とInternet Archiveの保存版から確かめられる事実です。3つに共通するのは、どちらのアドレスも2026年4月12日に正規の会社とは関係のないところで用意されたという点です。
| アドレス | 登録日時(日本時間) | 中身 |
|---|---|---|
| sparx-group.com | 2026年4月12日 14時33分 | trade.sparx-group.comでSPARXの取引サイト(正規の注意喚起が例に挙げたアドレス) |
| sparx-group.net | 2026年4月12日 14時56分 | trade.sparx-group.netで同じ取引サイト(相談者が使っていたアドレス) |
| sparxgroup.com(正規) | 2000年11月1日 | 正規のスパークス・グループの英語のサイト |
trade.sparx-group.comでも同じサイトが動いている
ドメインの登録情報(RDAP)を見ると、sparx-group.comは2026年4月12日の午後2時33分(日本時間)、sparx-group.netは同じ日の午後2時56分に登録されています。差は22分38秒で、登録を受け付けた業者も、ネームサーバーも、登録の期限も同じです。
▼23分差で登録された.comと.netのRDAP

出典:rdap.verisign.com
ログイン画面も、2つのアドレスでまったく同じものが出てきます。プログラムを調べたところ、画面を作るファイル(HTMLと69本のJavaScript)は2つのサイトで1バイトも違わず、ファイルの更新日時もそろっていました。
▼末尾が.comでも同じSPARXのログイン画面

出典:SPARX
正規の会社が注意喚起で名指ししたアドレスと、相談者が使っていたアドレスは、同じサイトの入り口です。「.net」が名指しされていなくても注意喚起の対象と同じものだと分かります。
sparx-group.comは以前シチリアの結婚式の会社が使っていた
2018年5月1日の保存版のsparx-group.comは、ブラウザ最上部のタブが「Wedding and Event Planner」、見出しが「WEDDING AND EVENT PLANNER SICILIA」です。結婚式やイベントの企画をイタリア語で案内するシチリアの会社のサイトでした。
▼2018年は結婚式の会社が使っていたアドレス

出典:Internet Archive
証明書の発行記録にも、2018年から2025年にかけてイタリアの認証局が発行した証明書が並び、保存版は2017年から2023年までに392件あります。そのアドレスが2026年4月12日に新たに登録されたことから、以前の持ち主が手放したアドレスを取り直し、SPARXの名前に使ったとみられます。
保存版が何年分も残るため古いサイトに見えかねませんが、登録情報の日付を見れば、今のSPARXが使い始めたのは2026年4月だと分かります。結婚式の会社もスパークスとは関係がありません。
アドレスは正規の英語サイトsparxgroup.comにハイフンを足した形
正規のスパークス・グループの英語のサイトは「sparxgroup.com」で、2000年11月1日(日本時間)から登録されています。SPARXの「sparx-group.net」と「sparx-group.com」は、この正規のアドレスの「sparx」と「group」の間にハイフンを入れた形です。
前の章で見た正規の注意喚起は、公式サイトのアドレスとしてsparx.jp、sparxgroup.com、sparx.co.jpなど8つを挙げています。ハイフンの入ったsparx-groupは、その一覧のどこにもありません。社名が同じに見えても、ハイフン1つと末尾の違いで別のサイトになります。
アドレスを比べるときは、検索で出てきたページや勧誘で送られたリンクではなく、正規の会社のサイトに載る「正規サイトのURL」の一覧を開き、1文字ずつ見比べることが確実です。
【参考】
・rdap.verisign.com-sparx-group.com(https://rdap.verisign.com/com/v1/domain/sparx-group.com)
・rdap.verisign.com-sparx-group.net(https://rdap.verisign.com/net/v1/domain/sparx-group.net)
・rdap.verisign.com-sparxgroup.com(https://rdap.verisign.com/com/v1/domain/sparxgroup.com)
・Internet Archive-sparx-group.com(2018年5月1日の保存版)(https://web.archive.org/web/20180501150404/http://sparx-group.com/)
・crt.sh-sparx-group.com(https://crt.sh/?q=sparx-group.com)
・SPARX(https://trade.sparx-group.com/pages/user/login)
SPARXの運営者として示される名前は正規のグループにない

SPARXの画面で運営する会社の名前が出てくるのは、ログインしなくても開ける個人情報保護方針だけです。ここでは、その方針に書かれた会社の名前と、サイトの裏側にあるデータの2つを見ていきます。どちらも、正規のスパークスのグループとのつながりを示すものにはなっていません。
個人情報保護方針の事業者は「SPARX Pte. Ltd.」
SPARXの個人情報保護方針は、「SPARX Pte. Ltd.(以下「SPARX」といいます。)」と、事業者の名前を示すところから始まります。方針の中でサービスを提供する主体として繰り返し出てくるのも、この「SPARX Pte. Ltd.」です。
▼SPARX Pte. Ltd.を事業者とする個人情報保護方針

出典:SPARX
「Pte. Ltd.」は、シンガポールなどで非公開の会社の名前に付く表記です。ところが、正規のスパークス・グループがグループ会社として挙げるのは日本の5社と海外の2社の計7社で、「SPARX Pte. Ltd.」は入っていません。
▼Pte. Ltd.の名がない正規のグループ会社の一覧

出典:スパークス・グループ株式会社
ログイン画面は日本の登録業者の番号を掲げ、方針は海外の会社の形の名前を事業者としています。1つのサイトの中で、運営者として示される会社が2つの別の名前に分かれていることになります。振り込んだお金を受け取る会社がどれなのか、サイトの表示からは決められません。
お知らせのデータは別の運用会社の名前のサイトと共通
プログラムを調べたところ、SPARXが表示するお知らせ(東京証券取引所などの情報を転載したもの)のデータは、別の運用会社の名前を使う株の取引サイトと件数も中身も同じでした。画面を作るファイルを比べても、違うのはサイトの名前、ログイン画面の登録番号、個人情報保護方針の社名などの数か所だけです。
同じ仕組みに、名前とロゴと登録番号を差し替えて別の会社のサイトに見せているとみられます。名前や番号が正規のものでも、それだけでは運営者が正規の会社だという根拠にはなりません。サイトのアドレスと振込先が、正規の会社の公表しているものと一致するかを確かめることが欠かせません。
【参考】
・SPARX-個人情報保護方針(https://trade.sparx-group.net/pages/user/agreement/agreement)
・スパークス・グループ-グループ会社(https://www.sparx.jp/company/group.html)
「資本利得税」はSPARXの出金の仕組みにも日本の税の制度にもない

出金の条件として窓口が求めた「資本利得税」について、SPARXのプログラム、日本の株の税の仕組み、同じ名目が出てくる別の相談の3つから確かめます。共通しているのは、株の利益にかかる税は出金の前に業者の窓口が示す口座へ振り込むものではないという点です。
SPARXのプログラムには税を納める手順がない
プログラムを調べたところ、SPARXの画面を作るファイル69本のどこにも「税」の字はありません。画面に出す言葉を日本語・中国語・英語に置き換えるための一覧にも、税にあたる言葉は入っていません。英語の一覧を「capital」で検索しても1件も見つかりません。
▼「capital」が1件もないSPARXの言葉の一覧

出典:SPARX
出金について用意されているのは、申請の後に付く「確認待ち」などの状態の表示です。英語の一覧では、この「確認待ち」が「Pending Confirmation」と書かれています。税額を計算したり、画面に表示したり、支払わせる手順は見当たりません。
▼出金の状態を示すPending Confirmation

出典:SPARX
相談者が見た税額の案内は、サイトの出金の手続きから出てきたものではなく、窓口の担当者とのやり取りの中で示されたものです。税額も振込の期限も、SPARXのサイトが用意した手続きではなく、担当者が個別に伝えたものでした。
株の売却益の税は売却代金から証券会社が差し引く
日本で株を売って得た利益の税について、国税庁は証券会社などに開く特定口座の仕組みを次のように説明しています。
(前略)
この計算は金融商品取引業者等が行いますので、金融商品取引業者等から送られる特定口座年間取引報告書により、簡便に申告(簡易申告口座の場合)を行うことができます。
源泉徴収を選んだ口座については、次のとおりです。
この源泉徴収を選択した場合には、源泉徴収口座内の上場株式等を譲渡した都度、一定の計算により、譲渡益に相当する金額に15.315パーセント(他に住民税5パーセント)の税率を乗じて計算した金額の所得税および復興特別所得税が、その譲渡の対価または差金決済に係る差益に相当する金額が支払われる際に源泉徴収されます。
▼売却代金の支払いの際に源泉徴収とする国税庁の説明

出典:国税庁
税は、売却代金を支払う際に証券会社などが差し引くか、利用者が自分で確定申告をして国に納めるものです。出金の前に、業者の窓口が指定する口座へ税を振り込ませる手順は、正規の制度の中にはありません。国税庁の説明にも「資本利得税」という名前は出てきません。
同じ名目は暗号資産の取引サイトの相談にも出てくる
「資本利得税」の名目は、本件のほかにも見つかります。2025年8月10日のYahoo!知恵袋の質問は、暗号資産を入金したアプリで取引をしていたという相談で次の一文があります。
(前略)
本日2000ドル約30万円ほど出金しようとした際にお金を出金する際は資本利得税が必要と表記されて出金出来なくなってしまいました!
(後略)
▼出金の際に資本利得税を求められたという相談

出典:Yahoo!知恵袋
時期は本件の1年ほど前、商品は暗号資産、税は画面に表示されたと、本件とは違う点があります。同じ案件とは言えませんが、「資本利得税」は、商品を問わず出金の前に追加のお金を求める名目として使われてきたとみられます。出金の条件として税の振込を求められたら、支払う前に国税庁の説明と照らし合わせてください。
【参考】
・SPARX(https://trade.sparx-group.net/assets/index-BO1_iJpA.js)
・国税庁-No.1476 特定口座制度
・国税庁-No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)
・Yahoo!知恵袋-2025年8月10日の質問(出金の際に資本利得税が必要と表示されたという相談)(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10318527355)
正規のURLの一覧と国税庁の説明でSPARXの勧誘を確かめる

SPARXは、正規のスパークスの名前、ロゴ、金融庁の登録番号をそのまま使っています。サイトの中の表示をいくら見ても、本物との違いは見つかりにくい作りです。ログイン画面の番号を金融庁の一覧で引いても、食い違いは出てきません。
見分けるには、サイトの外にある6つの照らし合わせ先と突き合わせます。正規の会社の公式サイトの一覧、正規の会社のお知らせ、金融庁の登録一覧、ドメインの登録情報、国税庁の説明、そして自分の通帳です。
- 正規の会社が公表する公式サイトの一覧:開いているサイトのアドレスが、正規の会社の「正規サイトのURL」に載っているかを見ます。スパークス・グループが挙げる8つの中に、sparx-groupを含むアドレスはありません。一覧は、勧誘で送られたリンクではなく、正規の会社のサイトから開きます。
- 正規の会社のお知らせ:会社名と「無関係のサイト」「注意喚起」などの言葉で、正規の会社自身の発表を探します。スパークス・グループは、trade.sparx-group.comを例に挙げて関係を否定しています。運用会社とグループの持株会社でサイトが分かれている場合は、両方のお知らせを見ます。
- 金融庁の登録一覧:番号が本物かは確かめられますが、SPARXのように番号も協会名も正規のものを写している場合は、それだけでは見分けがつきません。番号が合っても安心せず、アドレスと振込先を確かめる次の作業に進みます。
- ドメインの登録情報と保存版:アドレスの登録日を調べ、取引を始める直前に用意されたものでないかを見ます。sparx-group.netとsparx-group.comは2026年4月12日の登録で、.comは以前、結婚式の会社が使っていたアドレスでした。
- 国税庁の説明:出金の前に税の振込を求められたら、国税庁のタックスアンサーの特定口座の説明と照らし合わせます。株の売却益の税は売却代金から差し引かれるか、自分で申告して国に納めるもので、業者の窓口が示す口座へ前払いする手順はありません。
- 自分の通帳の受取人の欄:振込先が会社の名前か、振込のたびに同じかを見ます。個人名義で、しかも名前が毎回替わるなら、資産運用業協会が挙げる被害の事例と同じ形です。
照らし合わせた結果が1つでも正規の情報と食い違えば、次の振込はしないでください。すでに振り込んでいる場合も、出金のための税や手数料を追加で払う前に、専門家に相談することで取れる手段を早く確かめられます。
【参考】
・スパークス・グループ-【重要】sparxをURL(ドメイン)に組み込んだ弊社とは無関係のサイトに関する注意について(https://www.sparx.jp/press/detail/2659.html)
・金融庁-金融商品取引業者登録一覧
・ICANN-Registration Data Lookup Tool
・国税庁-No.1476 特定口座制度
・資産運用業協会-投資詐欺にご注意ください
SPARXを名指しした口コミは5月の知恵袋の1件だけ

X、Yahoo!知恵袋、5ちゃんねる、爆サイで、「SPARX」「スパークス」「sparx-group」の名前を探しました。SPARXのアドレスを名指しした投稿は、Yahoo!知恵袋の質問1件だけでした。以下では、その1件の中身と、SPARXの口コミが見つかりにくい事情を2つ取り上げます。
5月30日の知恵袋にtrade.sparx-group.netは詐欺かという質問
2026年5月30日の午後7時27分、Yahoo!知恵袋に次の質問が投稿されました。
trade.sparx-group.net は詐欺ですか
この質問には2件の回答が付いています。そのうち同じ日の午後7時43分(編集あり)の回答は、次のとおりです。
2026-04-12に作られたばかりのサイトです。
SPARX Groupの偽サイトですね。
ネットで知り合った人物に投資を勧められれば詐欺です。
▼SPARXのアドレスを名指しした5月の質問と回答

出典:Yahoo!知恵袋
これはあくまで回答した人の個人的な見方で、SPARXを調べた結果ではありません。ただ、回答が挙げる「2026-04-12」は、前の章で見たsparx-group.netの登録日(日本時間の4月12日午後2時56分)と一致します。
質問が出たのは、相談者の最初の振込より約3か月前で、正規のスパークス・グループが注意喚起を出した12日後です。5月の時点で、すでにこのアドレスを示されて不安に思った人がいたとみられます。
「スパークス 詐欺」で出てくるのは2013年のタイヤ通販の被害
Yahoo!知恵袋で「スパークス」と「詐欺」の組み合わせを見ると、上位に並ぶのは2013年から2014年にかけてのタイヤやホイールの通信販売の被害の相談です。名前の読みが同じ別の業者で、SPARXとは時期も商品も違います。
ほかにも、同じ名前のゲームや飲み物、バンドの話題が並び、株の取引サイトの話は埋もれます。被害に遭った人が名前で調べても、別の話題の中に紛れて口コミとして積み重なりにくいのがSPARXの名前の事情です。
正規の注意喚起は運用会社のサイトのお知らせには載っていない
正規の注意喚起は、グループの持株会社のサイト(www.sparx.jp)の「ニュース」に掲載されています。一方、第346号の登録業者であるスパークス・アセット・マネジメントのサイト(www.sparx.co.jp)は、10月9日の保存版でもお知らせの欄にこの注意喚起がありません。
ログイン画面の番号から正規の会社を調べた人は、運用会社のサイトにたどり着きます。そこで注意喚起が見つからなければ、問題のないサイトだと受け取ってしまうおそれがあります。名前で調べて何も出てこないからといって、SPARXが安全だとは言えません。グループの持株会社のサイトまで確かめることが大切です。
【参考】
・Yahoo!知恵袋-2026年5月30日の質問(trade.sparx-group.netは詐欺かという相談)(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14328514089)
・スパークス・グループ-【重要】sparxをURL(ドメイン)に組み込んだ弊社とは無関係のサイトに関する注意について(https://www.sparx.jp/press/detail/2659.html)
・Internet Archive-www.sparx.co.jp(2026年10月9日の保存版)(https://web.archive.org/web/20261009082252/https://www.sparx.co.jp/)
2つの銀行の個人口座へ振り込んだお金を取り戻せる可能性と相談先

相談者は、SPARXへの入金のために、振込のたびに別の個人名義の口座へお金を振り込んでいました。振込先の銀行は少なくとも2つに分かれ、出金の条件とされた税はまだ払っていません。振込の記録はあまり残っておらず、通帳の記帳で履歴を示しています。
ここでは、この3つの事情に沿って、振り込んだお金を取り戻すための制度と、相談できる窓口を整理します。どこまで戻るかは口座に残っている額などで変わるため、早く動くほど選べる手段が多くなります。
振込先の口座ごとに金融機関が凍結と分配の手続きを行う
相手側が使う国内の銀行口座への振込であれば、振り込め詐欺救済法による手続きの対象になる可能性があります。口座の取引を止め、口座に残ったお金を被害者に分配する仕組みです。金融庁のQ&Aは、手続きを行う先について次のように説明しています。
A 振込先の金融機関において、この法律による手続が行われます。また、手続における公告は、預金保険機構において行われます。
全国銀行協会も、被害に遭ったときの連絡先として「振り込みを依頼した銀行ではなく、振り込んだ先の口座がある銀行に連絡してください。」と案内しています。SPARXへの振込のように受取人の銀行が毎回違うなら、連絡する先の銀行も1つでは済みません。
連絡が遅れると、口座からお金が引き出されてしまうおそれがあります。金融庁のQ&Aには、次の注意書きもあります。
(前略)
(注) 振り込め詐欺救済法において、振り込んだお金が一部引き出されている場合には、被害者の方への分配金は被害者の振込額に応じて減額されます。
追加の振込は止めて税の請求のやり取りを残す
前の章で見たとおり、SPARXのプログラムには税を納める手順がなく、株の利益の税を業者の窓口が示す口座へ前払いする仕組みもありません。税の名目で追加のお金を出しても、それで出金の手続きが進む保証はありません。追加の振込は止め、新しい振込先を示されても応じないでください。
窓口が示した総資産や税額、振込の期限の画面は消さずに残しておきます。残しておくものには、SPARXのアドレスや入出金の画面、振込完了の画面も含まれます。どの口座へいつ振り込むよう求められたかは、後で銀行や警察に説明するときの手がかりになります。
被害の回復をうたって近づく業者にも注意が要ります。返金を約束して費用を求める連絡が、さらに別の被害につながることがあると金融庁も注意を呼びかけています。依頼を受けて返金の交渉や手続きを代わりに行えるのは、原則として弁護士に限られます。
記録が少なくても通帳の記帳が振込の証拠になる
振込完了の画面が手元に残っていなくても、通帳の記帳には振込の日付、金額、振込先の名義が並びます。金融庁のQ&Aでは、救済法の申請書は振込先の金融機関に出すほか、振込みを行った金融機関から出すこともできるとされており、自分の取引銀行が窓口になる場合もあります。
口座に残高が残っていなかった分は、救済法の分配では戻りません。その分は、口座の名義人や相手への民事の請求を考えることになりますが、名義人の住所などを個人で調べるのは難しいのが実情です。金融庁の相談室も、返金を求めるなら消費生活センターや各地の弁護士会に相談するよう案内しています。
窓口は、相談したい内容によって分かれます。
- 振り込んだ口座の取引を止めたい:振り込んだ先の口座がある銀行(銀行ごとに連絡)
- 被害を届け出たい:警察相談専用電話(#9110)、最寄りの警察署
- 投資の勧誘が詐欺か確かめたい:金融庁 金融サービス利用者相談室「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」(0570-050588)
- 契約や取引のトラブル全般を相談したい:消費者ホットライン(188)
- 振り込んだお金の返金を求めたい:弁護士(各地の弁護士会、法律事務所)
銀行への連絡と警察への届け出を急ぎながら、口座が複数に分かれた振込の整理や相手への請求の見通しについては、専門家に相談して進めることで取れる手段を漏らさずに済みます。
【参考】
・金融庁-振り込め詐欺救済法 Q&A
・全国銀行協会-金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先
・金融庁-投資詐欺等に関する利用者からの相談事例等と相談室からのアドバイス等
・金融庁-「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」の開設について
・e-Gov法令検索-犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律
・e-Gov法令検索-弁護士法
