今回の相談は、LINEでやり取りした相手から、暗号資産取引所を名乗るNEXYを案内されたのが始まりです。金融庁も、暗号資産の交換業者は登録が必要だとして、利用する前に登録の有無を確かめるよう呼びかけています。
相談者はNEXYのサイト(nexy103.top)を使い、相手が指定した国内の銀行口座へ日本円を振り込みました。取引所への入金でありながら、送ったのは暗号資産ではありません。現在は、預けたお金を引き出せない状態です。
調べると、NEXYは最初から日本語で表示され、残高を円で示し、出金の受け取り先に銀行口座かPayPayを選ばせる作りでした。入金のボタンは振込先を示さず、窓口を開くだけです。番号だけが違う3つのアドレスは、13秒の間に続けて登録されていました。
本記事では、NEXYのサイトとプログラムで確かめた事実を金融庁などの資料に照らし、弁護士が解説します。取引所を名乗るサイトにお金を入れる前に、何を確かめればよいかも紹介します。
NEXYに関するトラブルの概要

相談者は、LINEでやり取りした相手から暗号資産取引所を名乗るNEXYを案内され、そのサイト(nexy103.top)を使って、相手が指定した銀行口座へ振り込みました。現在は、NEXYに預けたお金を引き出せない状態です。
NEXYは、実在する取引所の名前を名乗っているわけではありません。ここでは、サイトが示している運営者の情報、国内で暗号資産を扱う業者に求められる登録、NEXYが用意している取引の形、公的機関の統計を順に確かめます。
NEXYは暗号資産取引所を名乗るが運営会社の名前も利用規約も示していない
ログインしていない状態でNEXYのサイトから開けるのは、相場の一覧を並べたホーム、ログイン、登録、言語の選択の4画面に限られます。会社の紹介にあたる「私たちについて」の画面は、ログインしないと開けない作りになっています。
登録の画面に並ぶ入力欄は、ユーザー名、パスワード、確認用のパスワードの3つです。氏名や連絡先、本人確認の書類を求める欄はなく、アドレスを知っていれば誰でも口座を作れる作りです。
▼ユーザー名とパスワードだけで登録できるNEXYの画面

出典:NEXY(nexy103.top)
プログラムを調べたところ、サイトには40を超える画面が組み込まれていますが、利用のルールや個人情報の扱いを定めた文書を表示する画面は1つもありませんでした。NEXYを運営する会社の名前や所在地を示す情報は確認できませんでした。どこの会社にお金を預けているのかを、画面からは確かめられません。公開情報を比べる例として、利用規約と運営会社の表示を確認できない取引サイトも解説しています。
国内で暗号資産と円を交換するサービスには金融庁の登録が要る
金融庁は、暗号資産に関する制度の案内ページの冒頭で、暗号資産と円などの法定通貨を交換するサービスについて次のように説明しています。
平成29年4月1日から、「暗号資産」に関する新しい制度が開始され、国内で暗号資産と法定通貨との交換サービスを行うには、暗号資産交換業の登録が必要となりました。
(後略)
▼交換サービスに登録が要ると説明する金融庁のページ

出典:金融庁
登録を受けた業者は、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧で名前と登録番号を確かめられます。令和8年9月1日現在の一覧に載っているのは27業者で、冒頭の注意点は利用者に次の確認を求めています。
暗号資産交換業者は金融庁・財務局への登録が必要です。利用する際は登録を受けた事業者か金融庁・財務局のホームページで確認してください。
▼登録の確認を求める暗号資産交換業者登録一覧の注意点

出典:金融庁
NEXYは、ビットコインなどの相場を並べ、残高を円で表示する作りです。取引所を名乗るサイトにお金を送る前に、その名前が登録一覧に載っているかを確かめてください。
60秒後の値動きを当てる取引は金融庁が注意を促すバイナリーオプションと同じ形をしている
プログラムを調べたところ、NEXYの取引の設定は、ログインしなくても取得できるデータで返ってきました。用意されているのは60秒・90秒・120秒・300秒の4つで、ビットコインの値段が「上昇」するか「降下」するかを選び、当たれば賭けた額の10%・30%・40%・55%が利益として示される作りです。
金融庁は、バイナリーオプションの取引について注意を呼びかけるページで、その仕組みを次のように説明しています。
バイナリーオプションは、為替相場や株価指数などを対象に、あらかじめ決められた時点、期間の騰落を予測し、ある値よりも高いか低いか、一定の範囲に収まっているかなど、二者択一で選ぶ取引です。
(後略)
▼二者択一の取引の仕組みを説明する金融庁のページ

出典:金融庁
決められた時間の後に上がるか下がるかの二者択一で結果が出る点で、NEXYの取引は同じ形をしています。同じページは、短い時間で結果が出るために安易に何度も取引してしまい、短期間に繰り返した結果として多額の損失を被るおそれがあるとも注意しています。
SNSで知り合った相手が勧める投資の被害は前年より大きく増えている
警察庁が公表した令和8年8月末の暫定値によると、SNS型投資詐欺の認知件数は7,097件で、前年同期より2,347件、49.4%増えています。被害額は937.4億円で、前年同期より328.0億円、53.8%の増加です。
これらの統計が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、SNS型投資詐欺の被害額は、令和8年に入って8か月で900億円を超えました。やり取りの相手が勧める取引所に初めてお金を入れるときは、入金の前に専門家に相談してください。
【参考】
・NEXY(https://www.nexy103.top/)
・金融庁-バイナリーオプション取引にあたってご注意ください!
・警察庁-令和8年8月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
NEXYへ誘導され被害につながるまでの経緯

ここでは、LINEのやり取りからNEXYを知るまで、サイトを使った銀行口座への振込、預けたお金を引き出せなくなった現在までを相談の内容に沿って順にたどります。
LINEのやり取りを経て暗号資産取引所を名乗るNEXYにたどり着く
相談の記録によると、相談者はLINEで相手とやり取りを続けるなかで、暗号資産取引所を名乗るNEXYを案内されました。相談者自身は、NEXYを「聞き覚えのない」仮想通貨の取引所だったと振り返っています。
NEXYのサイトを開くと、日本語の画面にビットコインやイーサリアムなどの相場が並び、上部には「ログイン / 登録」の表示が出ます。名前を聞いたことがない取引所でも、画面だけを見ると実在の取引所との違いに気づきにくい作りです。
NEXYのサイトを使い相手が指定した銀行口座へ振り込む
相談者は、NEXYとして利用したサイトのアドレスにnexy103.topを挙げています。末尾の番号だけが違うnexy101.top・nexy102.topにも同じ画面のサイトがありますが、3つのアドレスを調べた結果は次の章で示します。
相談の記録に残る送金の方法は銀行振込で、振込先は相手が指定した国内の銀行口座でした。暗号資産取引所への入金でありながら、相談者が送ったのは暗号資産ではなく、相手の指定する口座に振り込んだ日本円です。NEXYのサイトの入金の画面がどのような作りになっているかは、不審点の章で確かめます。
NEXYに預けたお金を引き出せない状態になる
相談者は現在、NEXYに預けたお金を引き出せない状態にあります。NEXYの出金の画面は、受け取り先に銀行口座かPayPayを登録させ、出金の最低額を円で示します。暗号資産取引所を名乗りながら、引き出すときも日本円で受け取る前提になっています。出金の画面の作りは、不審点の章でもう一度取り上げます。
LINEのやり取りから聞き覚えのない取引所を案内され、そのサイトを使って相手が指定した口座へ日本円を振り込み、預けたお金を引き出せなくなりました。以上が、NEXYをめぐって被害につながるまでの流れです。
NEXYの関連サイトの情報を調査した結果

調べたのは、NEXYが使うアドレスのドメインの登録情報(RDAP)、通信の暗号化に使う証明書の発行記録、番号だけが違う別のアドレスとサイトのプログラム、金融庁の登録です。表は2026年10月13日時点の内容です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アドレス | www.nexy103.top(www.を付けないアドレスでは開かない) |
| 名乗る名前 | NEXY(ロゴの表記は「Nexy」、ブラウザのタブは「nexy」) |
| 取得日時 | 2026年7月8日 22時48分(日本時間) |
| 登録を扱った事業者 | NameSilo, LLC(有効期限は2027年7月8日) |
| 同じ画面のアドレス | nexy101.top・nexy102.top |
| 運営会社・所在地の表示 | なし |
nexy101からnexy103までの3つのアドレスが13秒の間に登録されている
RDAPで3つのアドレスの登録情報を引くと、nexy101.topは2026年7月8日13時48分23秒、nexy102.topは同30秒、nexy103.topは同36秒(いずれも協定世界時)に登録されています。日本時間に直すと、3つとも7月8日22時48分台の登録です。
▼13秒の間に続けて登録された3つのアドレスの登録情報

出典:rdap.zdnsgtld.com
登録を受け付けた事業者はどれもNameSilo, LLCで、ドメインを持つ人や会社の名前は載っていません。相談者が示したnexy103.topは、13秒の間に続けて取られた3つのうちの最後の1つです。
翌日の7月9日には、3つのアドレスの証明書が日本時間の10時46分から56分までの10分の間に続けて発行されています。前後の番号を調べても、同じ名前のアドレスで動いているのは101から103の3つだけでした。
3つのアドレスはどれを開いても同じプログラムと同じお知らせが表示される
プログラムを比べると、3つのアドレスが読み込むJavaScriptのファイルは、名前(index-7a756457.js)だけでなく中身まで1文字も違いませんでした。ログインせずに表示される相場の一覧や、取得できる「重要なお知らせ」の文面も同じです。
アドレスの番号が違うだけで、画面もデータも同じものが返ってきます。同じ仕組みのサイトが、少なくとも3つのアドレスで同時に動いていることになります。相談者が使ったnexy103.top以外のアドレスでも、同じNEXYとして勧誘が行われていた可能性があります。
暗号資産交換業者の登録一覧にNEXYも運営会社らしき名前も載っていない
金融庁の金融事業者一括検索に、「NEXY」と読み方の「ネクシー」の2つを入れてみました。どちらの結果にも業者の名前は1件も並ばず、NEXYを名乗る登録業者は見当たりません。
▼「NEXY」で該当がない金融庁の一括検索の結果

出典:金融庁
最初の章で取り上げた暗号資産交換業者登録一覧の27業者にも、無登録で暗号資産交換業を行う者として金融庁が警告書を出した業者の一覧にも、NEXYの名前はありません。サイトが運営会社を示していないため、会社の名前から調べることもできません。ただし、掲載がないことが安全の根拠にはなりません。
このほか、3つのアドレスの公開の状況について分かったことを挙げます。
- Googleのセーフブラウジングで調べても、危険なサイトとの判定はなく、ブラウザの警告は出ない(2026年10月13日時点)
- ウェブページの保存サービスInternet Archiveにも、サイトの記録を集めるurlscan.ioにも、3つのアドレスの記録はない
- サイトはCloudflareという配信の仕組みを通して公開されており、元のサーバーがどこにあるかは外から分からない
取引所を名乗るサイトを勧められたら、まず金融庁の登録一覧でその名前を探し、載っていなければお金を入れないでください。あわせてRDAPでアドレスの取得日を引き、数か月以内に取られたものや、番号だけを替えた同じ名前のアドレスがあるものは、立ち止まって確かめることが大切です。
【参考】
・rdap.zdnsgtld.com-nexy101.top(https://rdap.zdnsgtld.com/top/domain/nexy101.top)
・rdap.zdnsgtld.com-nexy102.top(https://rdap.zdnsgtld.com/top/domain/nexy102.top)
・rdap.zdnsgtld.com-nexy103.top(https://rdap.zdnsgtld.com/top/domain/nexy103.top)
・crt.sh-nexy103.top(https://crt.sh/?q=nexy103.top)
・NEXY(https://www.nexy103.top/)
NEXYに関する不審点

ここではNEXYに関する不審点として、日本の利用者向けに円で作られた画面、入金の窓口、出金のボタン、残高の明細、独自の銘柄MBN、ホームのバナーの6つを取り上げます。
どれにも共通するのは、日本語と円で利用者を迎え入れながら、お金の出入りも画面に出る値段や告知も、運営する側の都合で決まる作りになっていることです。
内容は2026年10月13日に確認した画面とプログラムに基づきます。ログインした後の画面の文言は、サイトが利用者のブラウザに送ってくるプログラムを取得し、そこに書かれた内容から確かめました。
既定の言語が日本語で残高も出金も円で扱う日本向けの作りになっている
NEXYのサイトは、初めて開いたときの言語が日本語に設定されています。言語の選択の画面には英語やフランス語、韓国語など9つの言語が並びますが、何も選ばなくても印が付いているのは「日本語」です。
▼最初から日本語に印が付いたNEXYの言語の選択

出典:NEXY(nexy103.top)
プログラムを調べたところ、口座の残高や取引の損益は、どの言語を選んでも「(円)」を付けて表示する作りでした。出金の受取方法は「バンクカード」と「PayPay ID」の2つで、口座の欄は「銀行名」「口座番号」「支店番号」「支店名」です。
▼受取方法に「PayPay ID」を並べる出金画面のプログラム

出典:NEXY(nexy103.top)
言葉の辞書を比べると、出金の最低額の案内は、英語では「Minimum withdrawal quantity」のような中国語の直訳のままです。日本語だけが「最低出金金額は{v1}円になります」と円の表記に直されていました。暗号資産のアドレスへ出金する画面はなく、引き出しも日本円で受け取る前提です。
入金のボタンは振込先を示さずサポート窓口のアドレスを開くだけ
プログラムを調べたところ、利用者の画面の「チャージ」のボタンは、入金の画面ではなく、サーバーから受け取ったサポート窓口のアドレスを新しいタブで開く作りでした。別に用意された入金の画面にも振込先の口座や暗号資産の送り先はなく、「カスタマーサービスに連絡する」の1行が出るだけです。
▼チャージのボタンを窓口の項目に結びつける利用者画面のプログラム

出典:NEXY(nexy103.top)
ログインしなくても取得できる「重要なお知らせ」には、入金の申し込み先について次のように書かれています。
チャージを行い100%ボーナスを受け取るには、TelegramまたはWhatsApp([電話番号])にて[アカウント名]までご連絡ください。本オファーは、TelegramまたはWhatsAppのカスタマーサービス経由でお申し込みいただいた場合のみご利用いただけます。
▼入金の申し込みをサイトの外へ案内する重要なお知らせ

出典:NEXY(nexy103.top)
入金の方法も振込先も、サイトの中ではなく外の窓口とのやり取りで決まることになります。サイトの画面には振込先が残らないため、振り込んだ口座が誰のものかを後から画面で確かめることはできません。
出金のボタンを利用者ごとに押せなくする仕組みがプログラムにある
プログラムを調べたところ、利用者の画面の「出金」のボタンは、サーバーが利用者ごとに返す値(txstate)が「2」のとき半透明になり、押しても次の画面へ進まない作りでした。押せない理由を示す表示は用意されていません。
▼利用者ごとの値で出金のボタンを止める利用者画面のプログラム

出典:NEXY(nexy103.top)
出金の画面には「最低額未満なら受付致しません、返金もできません。」のほか、パスワードを変えると「出金の手動審査が行われます。スタッフから電話または電子メールで連絡されるまで、しばらくお待ちください。」という案内も出ます。
ボタンを止める値も手動の審査も、決めるのはサイトを運営する側です。利用者が出金できるかどうかは、運営する側の判断ひとつで左右される作りです。ボタンが押せない、審査が終わらないといった状態が続くなら、窓口の言うままにお金を足さず専門家に相談してください。
利用者の明細に運営が手作業で残高を差し引く項目が用意されている
残高の出入りを一覧にする「財布」の画面には、種類で絞り込むための項目が10個用意されています。そのなかには「チャージ」「出金」と並んで、次の4つが含まれていました。
- システムの再充電
- リチャージの手動控除
- ボーナスボーナス
- 賞金を差し引く
▼残高の手作業の差し引きを表す語が並ぶ英語の辞書

出典:NEXY(nexy103.top)
読みにくい機械翻訳ですが、元の中国語は「手作業の入金」「手作業での入金の差し引き」「ボーナスの付与」「ボーナスの差し引き」を指す語です。英語の辞書の訳も「System Recharge」「Manual deduction recharge」「Bonus」「Deduction of bonus」です。
これらの項目がどう使われているかはプログラムからは読み取れませんが、お知らせがうたうボーナスも、運営する側が手作業で足したり差し引いたりできる作りです。画面の残高は、運営する側の操作で書き換わる数字だと考えておく必要があります。
独自の銘柄MBNはほかの銘柄が動く間も値段と騰落率が変わらない
ホームの相場の一覧には、ビットコインやイーサリアムと並んで「MBN/USDT」という銘柄があります。プログラムを調べたところ、相場の一覧のデータで「発行」の印が付いているのはMBNだけでした。新しいコインの申し込みの画面もあり、預けたコインを動かせない「ロック時間」が示される作りです。
約50秒の間をあけて同じ一覧を撮影すると、XMRやDASH、BCHの値段は変わっていたのに、MBNは「94.77200000」と「+0.68%」のままでした。同じ日の11時台に確かめたときも、MBNの騰落率は「+0.68%」です。
▼50秒の間をあけても値段と騰落率が同じままのMBN(2026年10月13日)

出典:NEXY(nexy103.top)
ビットコインなどの値段がほかの市場とほぼ同じように動く一方で、NEXYが発行する形をとる銘柄だけは値段が止まったように見えます。こうした独自の銘柄の値段は、ほかの取引所の値動きと照らし合わせることができず、運営する側が決めている可能性があります。
ホームのバナーにドメイン取得の3年前の上場告知が使われている
ホームの上部で切り替わるバナーの1枚は、「New Listing GEN/USDT」と書かれた新しい銘柄の上場の告知です。告知の日時は「2023/05/18 18:00(GMT+8)」で、NEXYのアドレスが取られた2026年7月8日の3年あまり前にあたります。
▼2023年5月18日の上場告知を載せたNEXYのホーム画面

出典:NEXY(nexy103.top)
ところが、NEXYの相場の一覧にGENという銘柄は見当たりません。バナーの画像の下部には、もともとのスライドの位置を示す点まで写り込んでおり、ほかのサイトの画面を切り取って貼り付けた可能性があります。
「重要なお知らせ」の掲載日も「2021-02-02」で、アドレスの取得より5年以上前の日付です。取引所としての歴史を示す日付ではなく、以前の画面や設定がそのまま残っているとみられます。
【参考】
・NEXY(https://www.nexy103.top/)
・NEXY-出金画面のプログラム(https://www.nexy103.top/assets/Txpage-17deab09.js)
・NEXY-利用者画面のプログラム(https://www.nexy103.top/assets/uoption-f32bbc41.js)
・NEXY-重要なお知らせ(https://www.nexy103.top/apiv/Index/gglist)
暗号資産取引所を名乗るサイトが投資詐欺に使われやすい理由

ここでは、多言語のひな形、連番で取ったアドレス、サイトの外での入金の案内、円とPayPayでの受け取りという4つの面から、NEXYのように暗号資産取引所を名乗るサイトが投資詐欺に使われやすい理由を見ていきます。
取引所らしい画面は多言語のひな形をそのまま使えば用意できる
NEXYの言葉の辞書には9つの言語が入っていますが、プログラムを調べたところ、「Italiano」を選んだときの文言の多くはドイツ語でした。言語の選択に並ぶ「한국인」も、韓国語ではなく「韓国人」を意味する語です。ページのソースには、中国のブラウザ向けの設定を説明する中国語のメモも残っています。
一方で、ビットコインなどの値段はほかの市場とほぼ同じ動きを見せ、画面は本物の取引所と変わらないように見えます。日本以外に向けて作られたものを転用し、日本語の部分だけを手直しした可能性があります。取引所らしい見た目は、作り込まれた会社が運営している証拠にはなりません。
連番のアドレスをまとめて取っておけば止められても乗り換えられる
NEXYのサイトは、番号だけが違う3つのアドレスで、同じプログラムのまま動いていました。3つは同じ1分の中で続けて取られており、最初から複数のアドレスを用意していたとみられます。
ひとつのアドレスが警告の対象になったり、つながらなくなったりしても、番号を替えたアドレスを伝えれば、利用者には同じNEXYの画面を見せ続けられます。
名前で検索して評判を調べても、どのアドレスの話なのかが分かれてしまいます。案内されたアドレスが途中で変わったら、それ自体を警戒のきっかけにしてください。
入金の案内をサイトの外で行えば振込先を画面に残さずに済む
前の章で見たとおり、NEXYでは入金の画面を開いても振込先の口座は出てきません。重要なお知らせも、入金の申し込みをTelegramやWhatsAppの窓口へ案内していました。振込先は、窓口とのやり取りの中で伝えられるとみられます。
この形なら、振込先を相手ごとや時期ごとに替えることも、口座が使えなくなったときに別の口座を伝えることもできます。サイトに振込先の記録が残らないため、後から確かめる材料も少なくなります。
口座を知らされるのが取引所の画面ではなく個人とのやり取りなら、振り込む前に信頼できる第三者に相談してください。
残高を円で見せPayPayで受け取れるようにすれば暗号資産を知らない人も誘いやすい
暗号資産の取引を始めるには、ふつうは暗号資産の買い方や送り方を覚える必要があります。NEXYは残高を円で示し、出金の受け取り先にも銀行口座やPayPayを選ばせる作りで、暗号資産に詳しくない人でも始めやすく見えます。
日本の利用者になじみのある受け取り方法が並ぶと、引き出せる場面を思い描きやすくなります。円で増えていく残高も、実際にお金が増えたように感じさせます。
身近な支払いの名前が並んでいても、その取引所が登録を受けた業者である理由にはなりません。登録一覧で名前を確かめるまでは、お金を入れないことが大切です。
NEXYの不審点を見抜く方法

NEXYの件で見つかった不審点は、裏返せば登録を受けて営業している暗号資産取引所なら、当たり前にそろっているものが欠けていたということです。足りないものに気づければ、お金を入れる前に立ち止まれます。
ここでは、正規の取引所ならそろっているものを6つ挙げ、NEXYでどうだったかと確かめ方を並べます。
- 登録:金融庁の暗号資産交換業者登録一覧に名前が載っている
- 国内で暗号資産と円を交換するサービスには登録が必要で、登録を受けた業者は一覧で確かめられます。NEXYの名前は、一覧にも金融事業者一括検索にもありませんでした。名前が見つかるまでは、取引を始めないことが大切です。
- 運営会社と規約:ログインしなくても会社名や所在地、利用規約を読める
- NEXYは運営会社の名前も所在地も示さず、利用規約やプライバシーポリシーのページも用意していませんでした。トラブルが起きたときに誰に責任を問えばよいか分からない相手に、お金を預けることは避けてください。
- アドレス:長く使われてきたアドレスが1つに定まっている
- NEXYのnexy101.top・nexy102.top・nexy103.topは、2026年7月に13秒の間に続けて取られていました。RDAPでアドレスの取得日を引き、数か月以内だったり番号違いのアドレスがあったりすれば手を止めてください。
- 入金:振込先がサイトの画面に示され、手続きがサイトの中で終わる
- NEXYの入金の画面は振込先を示さず、お知らせは申し込みをTelegramやWhatsAppの窓口へ案内していました。振込先を個人とのやり取りで知らされる形なら、その時点で疑ってください。
- 出金と明細:出金できない理由が示され、残高の動きに説明がつく
- NEXYには、利用者ごとに出金のボタンを止める仕組みや、残高を手作業で差し引く項目がありました。理由の分からない出金の停止や、身に覚えのない差し引きがあれば、それ以上お金を追加しないでください。
- 銘柄と相場:扱う銘柄の値段をほかの取引所でも確かめられる
- NEXYが発行する形をとるMBNは、ほかの銘柄が動く間も値段と騰落率が変わりませんでした。外で値段を確かめられない独自の銘柄を勧められたら、買う前に専門家に相談してください。
6つは、どれも正規の取引所であれば利用者が苦労せずに確かめられるものです。欠けているものが1つでもあれば、追加で入金する前にやり取りの記録を持って、信頼できる第三者に相談してください。
【参考】
・rdap.zdnsgtld.com-nexy103.top(https://rdap.zdnsgtld.com/top/domain/nexy103.top)
NEXYに関する口コミや被害事例

「NEXY」「ネクシー」の名前と3つのアドレスを手がかりに、X(旧Twitter)やYahoo!知恵袋、5ちゃんねるの書き込みを当たりました。被害を報告する口コミは見当たらず、見つかったのは、登録を誘われた人の注意喚起と同じ名前の別の製品の話題、調査や回復をうたう業者の記事です。
nexy101.topへの登録を誘われた人がXで注意を呼びかけている
2026年8月19日16時19分、Xに次の投稿がありました。Instagramで声をかけられ、LINEへ移ったあとで、偽の仮想通貨投資サイトへの登録を誘われたという内容です。
⚠️SNS詐欺に注意
Instagram「フォロー返し+現金プレゼント」を装うアカウント([アカウント名])
高額バイト話→LINE誘導→偽の仮想通貨投資サイトへの登録誘導
危険サイト:nexy101.top
・「1日5〜10万円」の甘い言葉
同様のDMには要注意です。
#詐欺注意 #SNS詐欺 #投資詐欺 #フィッシング詐欺
▼nexy101.topを危険サイトとして挙げたXの投稿(2026年8月19日)

出典:X
投稿に添えられた画像には、LINEの相手が「以下に登録方法をお伝えします。」として、https://www.nexy101.topへの登録の手順を送る画面が写っています。手順はユーザー名とパスワードを決めて「登録」を押すだけで、最初の章で見たNEXYの登録の画面と一致します。
▼LINEでnexy101.topへの登録を案内される画面とNEXYの画面

出典:X
相手は登録した人に「1,900円は登録ボーナスとして支給されます。」とも送っていました。一方で、この投稿の入口はアルバイトの話で、投資の入金を求められた場面までは書かれていません。相談者が使ったのもnexy103.topで、アドレスの番号が違います。
この投稿が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、番号違いのアドレスのNEXYが、SNSからLINEへ移した相手を登録させる入口として使われていたとみられます。
知恵袋でNEXYと探すと音楽プレーヤーや以前のプロバイダの質問が並ぶ
Yahoo!知恵袋で「NEXY」を含む質問は94件ありますが(2026年10月13日時点)、ほとんどは同じ名前の別の製品やサービスの話題です。携帯音楽プレーヤーの「NEXY」や、ソフトバンクが提供していたインターネット接続の「Nexy.BB」、携帯電話の課金に関する質問などが並びます。
94件のうち2026年の投稿は2件だけで、暗号資産取引所としてのNEXYや、3つのアドレスに触れた質問はありませんでした。「nexy103」「NEXY 出金」のように、アドレスや出金と組み合わせた言葉でも、該当する質問は出てきません。
同じ名前の古い話題が多いと、取引所としてのNEXYの評判は埋もれてしまいます。名前で検索して悪い話が出てこなくても、それが安全の裏付けになるわけではありません。
NEXYのアドレスで探すと出てくるのは定型の文章に事務所の宣伝を添えた記事
nexy101.topのアドレスで探すと、NEXYを題にしたページがいくつか出てきます。ただ、その多くは、取引所の名前だけを入れ替えたような定型の文章に、調査や被害の回復をうたう事務所の案内を添えた記事です。
あるページは、NEXYを「架空の取引所」と呼んで一般的な手口を並べたうえで、記事の冒頭で、所在地の特定や証拠集めを請け負うとする事務所の案内を載せていました。ページに付いた書き込みも、運営会社が分からないといった一般的な内容にとどまり、利用した人の体験は書かれていません。
被害に遭った人が回収を急いで連絡すると、新たな費用を払う二次被害につながるおそれもあります。依頼する前に、相手が何の資格で何をしてくれるのかを確かめ、信頼できる第三者にも意見を聞いてください。
【参考】
・X-2026年8月19日の投稿(nexy101.topへの登録を誘われたという注意喚起)(https://x.com/okada197011221/status/2089975649364746553)
NEXYに関する口コミが少ない理由

まず、NEXYのアドレスは使われ始めてから日が浅いものです。3つのアドレスは2026年7月8日の取得で、10月半ばの時点で3か月あまりです。Internet Archiveにもurlscan.ioにも記録がなく、人の目に触れて話題になるまでの時間がまだ足りていないとみられます。
次に、NEXYは外から中身が見えにくい作りです。ログインせずに開けるのは相場の一覧など4つの画面だけで、入金もサイトの外の窓口とのやり取りで進みます。お金の動きが個別の会話の中にとどまるため、外の人が評判を書く材料が少なく、口コミとして積み重なりにくくなります。
さらに、書き込みが向かう先が割れています。Xの注意喚起が挙げたのはnexy101.topで、相談者が使ったのはnexy103.topでした。「NEXY」「Nexy」「ネクシー」の名前も音楽プレーヤーなど別の製品の話題と重なるため、同じサイトの話でも1つの話題にまとまりません。
日の浅さ、中身の見えにくさ、アドレスと名前の分かれ方が重なり、NEXYの口コミは表に出にくくなっているとみられます。評判の有無ではなく、金融庁の登録一覧とアドレスの取得日を手がかりにしてください。預けたお金が戻らないと感じた時点で、次の振込をする前に専門家に相談することをおすすめします。
【参考】
・NEXY(https://www.nexy103.top/)

