SNSの広告からLINEのグループへ誘導され、指示に従って高額な資金を送金してしまうSNS型投資詐欺の被害が増えています。令和8年上半期の被害額は797.9億円にのぼり、特殊詐欺の手口別で最も大きくなっています。
なかでも、「Altfest Asset Management(アルトフェスト・アセット・マネジメント)」という名称のアプリを案内されるケースでは、画面上に資産や利益が表示される一方、送金を重ねた末に連絡が取れなくなり、アプリ自体もApp Storeから削除されるなど、深刻な金銭トラブルに発展するおそれがあります。
この記事では、LINEグループ「日本株投資ゼミ」からの誘導やアプリと事業者の調査結果、注意すべき特徴、口コミなどについて弁護士の視点から詳しく解説します。
Altfest Asset Managementに関するトラブルの概要

Altfest Asset Managementをめぐるトラブルでは、SNSで投資の広告を見かけた後、LINEのグループへ追加され、そこで指示を受けながら投資を進める流れが確認されています。
案内されたのはApp Storeで配信されていたアプリで、画面上では資産や利益が増えているように表示される一方、指定された口座への送金を繰り返し求められる形になっています。
今回のトラブルでは、相手と連絡が取れなくなり、アプリ自体も起動しなくなったことで被害に気づく状況に至っています。
SNSの広告をきっかけとする投資勧誘のトラブル
SNSを入口とする投資勧誘の被害状況については、警察庁が半期ごとに公表しています。
▼警察庁が公表しているSNS型投資詐欺の被害状況

出典:警察庁
令和8年(2026年)上半期のSNS型投資詐欺は、被害額797.9億円、認知件数5,893件とされています。前年の同じ時期と比べると、被害額は444.9億円、認知件数は3,020件の増加です。
特殊詐欺全体を手口別に見ると、SNS型投資詐欺の被害額は最も大きくなっています。既遂1件あたりの被害額は1,362.5万円とされ、ほかの手口を上回る水準です。
当初の接触手段については、バナー等の広告が最も多く、被害額では前年同期比で252.5%の増加と報告されています。今回のトラブルでも、入口はSNSで見かけた投資の広告でした。
年代別では被害額・認知件数とも60代が最多とされていますが、20代から50代も被害額で約4割、認知件数で約6割を占めており、特定の年代に限られた被害ではないことがうかがえます。
正規のAltfest社との関連性は確認できない
本記事で取り上げるトラブルで案内されたのは、「Altfest Asset Management(アルトフェスト・アセット・マネジメント)」という名称のアプリです。
一方、「Altfest」の名称で実在するのは、米国ニューヨークに拠点を置く「Altfest Personal Wealth Management」という事業者です。両者は名称が一致しません。
▼Altfest Personal Wealth Managementの公式サイト

出典:Altfest Personal Wealth Management公式サイト
正規のAltfest社は、1983年から個人向けの資産運用と資産設計のサービスを提供している事業者です。公式サイトのフッターには、法人名として「L.J. Altfest & Co., Inc.」が記載されています。
▼公式サイトに記載されている所在地と登録の状況

出典:Altfest Personal Wealth Management公式サイト
ここでは、同社が米国の登録投資顧問(registered investment adviser)であり、ニューヨーク州をはじめとする14の州とその他の適用除外地域で助言業務を行っていると説明されています。列挙された地域に日本は含まれていません。
また、公式サイトには日本国内でサービスを提供している旨の記載も、モバイルアプリを提供している旨の記載も確認できませんでした。日本語のページも用意されていません。
実在する事業者と似た名称が使われていても、その事業者が提供しているとは限りません。今回のトラブルで案内されたアプリが、正規のAltfest社によって提供されていることを示す情報は確認できませんでした。
公的機関が同種の手口に注意喚起している
SNSを入口とした投資勧誘については、金融庁も繰り返し注意を呼びかけています。
▼金融庁が公表している投資勧誘への注意喚起

出典:金融庁
ここでは、動画投稿サイトの広告などからSNSのクローズドチャットへ誘導される事例として、「『講師』や『先生』、『アシスタント』が登場し、投資の指南をする」という特徴が挙げられています。
あわせて、誘導された先のアカウント名に「◯◯証券」「◯◯運用会社」「◯◯投資クラブ」といった名称が使われることや、「架空の口座で取引させ、しばらくは利益が出て出金もできるかのように装いながら、追加で高額な入金をさせる」という流れも示されています。
国民生活センターも2026年9月1日に、SNSで著名人が勧める投資をめぐるトラブルについて注意喚起を公表しています。
▼国民生活センターが公表している消費者へのアドバイス

出典:独立行政法人国民生活センター
この中では、「投資資金の振込先に個人名義の口座を指定された場合、それは詐欺です。振り込まないでください」と明記されています。通常の株式やFXなどの取引で、個人名義の銀行口座へ振り込ませることはないと説明されています。
これらの注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、SNSやメッセージアプリを通じて投資を勧められた場合は、送金の前に信頼できる第三者へ相談することが重要です。
【参考】
・Altfest Asset Management(https://apps.apple.com/app/id6759585739)
・Altfest Personal Wealth Management公式サイト(https://www.altfest.com/)
・警察庁-令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
・金融庁-それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!
・国民生活センター-SNSで著名人が勧める“もうかる方法” それって本当!?金融商品・サービスのトラブルにご注意!
日本株投資ゼミから投資アプリへ誘導され被害につながるまでの経緯

Altfest Asset Managementをめぐるトラブルでは、SNSで見かけた投資の広告からLINEのグループへ参加し、そこで受けた指示に従って送金を繰り返す流れがみられます。
ここでは、広告を見かけてから相手と連絡が取れなくなるまでの経緯を整理します。
SNSで投資の広告を見かける
きっかけとなるのは、SNSに表示された投資の広告です。前年の年末ごろにこの広告を見かけ、すぐには申し込まずにしばらくの間様子を見ていたとされています。
広告を見てから実際に始めるまでには数か月の間が空いています。短期間で判断を迫られた結果ではないにもかかわらず、被害につながっている点は注意が必要です。
様子を見ている間に確認できるのは、広告や投稿の内容だけです。その事業者が実在するかどうかや、日本で登録を受けているかどうかを確かめるには公的な情報に当たる必要があります。
期間限定で今だけ無料という案内を受けて投資を始める
様子を見ていた相談者に示されたのは、期間限定で実績を作るため今だけ無料で指導するという内容の案内でした。この案内を受けて投資を始めています。
「今だけ」「期間限定」という条件は、検討にかけられる時間を短くする働きを持ちます。また、無料であれば損はしないという印象を与える点にも注意が必要です。
前章で触れた金融庁の注意喚起にも、特典や褒賞などをきっかけに投資へ誘い込む事例が挙げられています。無料とされているのは指導の部分だけで、投資資金として送金するお金は自分で負担することになる点は抑えておきたいところです。
LINEグループ「日本株投資ゼミ」で講師とアシスタントの指示を受ける
投資を始めるにあたり、「日本株投資ゼミ」という名称のLINEグループに追加されています。グループ内では、講師を名乗る人物とアシスタントを名乗る人物が投資の指南を行う形になっていました。
この構図は、金融庁が公表している事例の特徴と重なります。アカウント名に「◯◯投資クラブ」といった名称が使われ、「講師」や「アシスタント」が登場して投資の指南をするという流れです。
やり取りがメッセージアプリのグループ内で完結している点にも注意が必要です。相手が実在することや資格を確かめる手がかりが、グループ内の発言以外に残りません。
肩書きや説明はいくらでも名乗ることができます。事業者としての登録の有無は、グループの外にある公的な情報でしか確認できません。
指定された口座へ繰り返し送金する
2026年3月から4月にかけて、指示に従って送金を行っています。送金先として指定されたのは、個人名義の口座と法人名義の口座で、いずれも複数にわたりました。
送金はATMからの振込によって繰り返し行われています。一度にまとまった金額を求められるのではなく、複数回に分けて送金する形になっていました。
この間、案内されたアプリの画面上では、資産や利益が増えているように表示されていたとされています。画面上の数字が増えていけば、追加の送金にも応じやすくなります。
前章のとおり、国民生活センターは投資資金の振込先に個人名義の口座を指定している場合は詐欺であると明記しています。振込先の名義は、送金の前に確認できる数少ない手がかりのひとつです。
連絡が取れなくなりアプリも起動しなくなる
送金を重ねた後、相手と連絡が取れない状態になっています。あわせて、投資に使っていたアプリも起動しなくなりました。
案内されていたApp StoreのURLは「https://apps.apple.com/app/id6759585739」です。現在このURLを開いても、アプリのページは表示されません。
▼案内されたApp StoreのURLを開いた画面

出典:App Store
表示されるのは「お探しのページは見つかりませんでした。」というメッセージです。App Storeでの配信自体がすでに終了しているとみられます。
相手と連絡が取れなくなり、投資に使っていたアプリも確認できなくなった場合は、早い段階で専門家に相談することが重要です。
【参考】
・Altfest Asset Management(https://apps.apple.com/app/id6759585739)
・金融庁-それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!
Altfest Asset Managementの関連情報を調査した結果

ここでは、案内されたアプリと「Altfest」の名称で実在する事業者について、公開されている情報を調べた結果を整理します。
確認に使用したのは、App Storeの表示、米国証券取引委員会(SEC)が公開している投資顧問の登録情報、ドメインの登録記録、金融庁が公表している業者の一覧です。
案内されたアプリの現在の状態
| アプリ名 | Altfest Asset Management(相談者の申告による) |
|---|---|
| App Store ID | 6759585739 |
| URL | https://apps.apple.com/app/id6759585739 |
| 配信元(デベロッパ名) | 現在は確認できない |
| 現在の応答 | ページが表示されない |
| Appleのウェブサイトでの検索結果 | 「altfest」で一致するものを確認できない |
| インターネットアーカイブの記録 | 確認できない |
配信元となるデベロッパ名については、App Storeのページ自体が表示されないため確認できませんでした。「Altfest Asset Management」という名称も、相談者の申告によるものです。
掲載内容が確認できない以上、アプリの説明文やスクリーンショット、提供元としてどの事業者名が表示されていたかについても検証することはできません。
あわせて、Appleのウェブサイトで「altfest」を検索しても、一致するものは表示されませんでした。
▼Appleのウェブサイトで「altfest」を検索した結果

出典:Apple
表示されるのは「一致するものが見つかりませんでした。」というメッセージです。Altfestの名称を冠したアプリは、現在のApp Storeでは確認できません。
過去の掲載内容についても、インターネットアーカイブに案内されたURLの記録は1件も残っていませんでした。さかのぼって確認する手段がない状態です。
名称が近い事業者の登録情報
| 名称 | Altfest Personal Wealth Management |
|---|---|
| 法人名 | L.J. Altfest & Co., Inc. |
| 創業 | 1983年 |
| 本店所在地 | 米国ニューヨーク州ニューヨーク |
| SEC番号 | 801-18320 |
| CRD番号 | 110130 |
| 登録の状態 | 有効 |
| 公式ドメイン | altfest.com |
| ドメイン登録日 | 1997年6月20日 |
| ドメインの有効期限 | 2027年6月19日 |
| 日本での営業に関する記載 | 確認できない |
米国で投資助言を行う事業者は当局への登録が必要とされ、その内容は「投資顧問公開情報(IAPD)」として公開されています。
▼米国証券取引委員会の投資顧問公開情報に登録されている事業者

出典:米国証券取引委員会(SEC)
ここで「altfest」を検索して該当するのは、「ALTFEST PERSONAL WEALTH MANAGEMENT」の1件のみです。CRD番号は110130、SEC番号は801-18320と表示されています。
あわせて示される別名は「ALTFEST L J & CO INC」と「L.J. ALTFEST & CO., INC.」です。登録されているどの名称も「Altfest Asset Management」とは一致しません。
公式サイトが使用しているドメインについても、登録の記録が公開されています。
▼altfest.comのドメイン登録情報

出典:Verisign
登録日は1997年6月20日で、有効期限は2027年6月19日です。同じドメインが30年近くにわたって使われ続けていることが分かります。
日本での登録状況
| 確認した内容 | 結果 |
|---|---|
| 金融商品取引業者としての登録 | 確認できない |
| 金融庁の登録一覧に掲載された名称との一致 | 「アルトフェスト」「Altfest」とも該当なし |
| 金融事業者一括検索の結果 | 該当するデータはありませんでした |
| 無登録業者としての警告の掲載 | 確認できない |
日本の居住者を相手に株式などの取引や投資助言を行う事業者は、金融商品取引法に基づく登録が必要です。登録を受けた事業者の名称は、金融庁が一覧として公表しています。
この一覧に掲載されている1,951件の事業者名を確認したところ、「アルトフェスト」「Altfest」のいずれの表記でも該当する事業者はありませんでした。
金融庁が提供している金融事業者の検索でも同じ結果になります。
▼金融庁の金融事業者一括検索で「アルトフェスト」を検索した結果

出典:金融庁
表示されるのは「該当するデータはありませんでした。」というメッセージです。あわせて、「このサービスで検索されない業者は、金融庁、各財務局がデータ更新処理後に新規登録を行ったか、無登録業者である可能性があります」という注意書きが示されています。
前章のとおり、正規のAltfest社が公式サイトで助言業務の対象として挙げているのは米国の14州とその他の適用除外地域であり、日本は含まれていません。日本で登録を受けた形跡も確認できませんでした。
【参考】
・Altfest Asset Management(https://apps.apple.com/app/id6759585739)
・Altfest Personal Wealth Management公式サイト(https://www.altfest.com/)
Altfest Asset Managementに関する不審点

前章で確認した情報をもとに、Altfest Asset Managementをめぐるトラブルに関する不審点を整理します。
いずれも、公開されている情報から誰でも確認できる範囲の事実です。
案内されたアプリがApp Storeから削除されている
もっとも大きな不審点は、投資の受け皿として案内されたアプリが現在はApp Storeから削除されていることです。
前章のとおり、案内されたURLを開いてもページは表示されず、Appleのウェブサイトで名称を検索しても一致するものはありません。インターネットアーカイブにも記録が残っていません。
削除がAppleの判断によるものか提供元が自ら取り下げたものかは、公開されている情報からは判別できません。どちらであるにせよ、利用者の側には理由が知らされていません。
正規の金融サービスであれば、提供を終了する際にも事業者のウェブサイトや案内が残るのが通常です。今回はアプリ以外に事業者を確認する手がかりが用意されていなかったため、配信が止まった時点で連絡の手段がなくなっています。
アプリの登録は送金が始まる直前とみられる
App Storeのアプリには、登録された順に番号(App Store ID)が割り当てられます。この番号を手がかりにすると、アプリがいつ登録されたものかをおおまかに推定できます。
案内されたアプリの番号は6759585739です。その前後の番号を持つアプリの公開日を調べると、次のようになりました。
| 基準の番号との差 | その範囲のアプリの公開日(最も古いもの) |
|---|---|
| 50万件前 | 2026年2月17日 |
| 10万件前 | 2026年2月23日 |
| 前後100件 | 2026年2月24日 |
| 2万件後 | 2026年2月24日 |
| 50万件後 | 2026年3月11日 |
| 200万件後 | 2026年4月3日 |
公開日は登録より後になるため、この番号が割り当てられたのは2026年2月中旬から下旬ごろとみられます。
相談者が送金を行ったのは2026年3月から4月にかけてです。つまり、案内されたアプリは送金が始まる直前に登録されたごく新しいものだった可能性があります。
なお、この時期はあくまで前後の番号からの推定であり、正確な登録日を示すものではありませんのでご承知おきください。
その名称の金融事業者を確認できない
「Altfest Asset Management」という名称の金融事業者は、米国の公開情報でも確認できませんでした。
前章のとおり、投資顧問の登録情報に該当するのは「ALTFEST PERSONAL WEALTH MANAGEMENT」の1件だけです。米国の企業情報を公開しているEDGARでも同じ結果になります。
▼米国証券取引委員会のEDGARで「altfest」に一致する法人を検索した結果

出典:米国証券取引委員会(SEC)
表示されるのは「Altfest Alternative Value Fund I, LLC」と「ALTFEST L J & CO INC」の2件のみです。いずれもニューヨーク州の法人で、「Altfest Asset Management」という名称は含まれていません。
実在する事業者と似た名称を用いることは、金融庁も注意喚起の中で挙げている手口です。既存の事業者の名称やそれらしい名称を使って信用させ、特定の口座に入金を求めるという形が示されています。
名称が1語でも異なれば別の事業者です。似ているかどうかではなく、一致しているかどうかで確認する必要があります。
日本の金融商品取引業の登録を確認できない
日本の居住者に投資を勧める以上、金融商品取引法に基づく登録が必要です。しかし前章のとおり、登録を受けた1,951件の事業者の中に該当するものはありませんでした。
一方で、無登録の業者として金融庁が警告を出した事業者の一覧にも、この名称は掲載されていません。
▼金融庁が公表している無登録業者の一覧をページ内検索した結果

出典:金融庁
ページ内を「Altfest」で検索しても、該当する箇所は表示されません。ただし、掲載がないことが安全の根拠にはなりません。この一覧は警告書を出した相手をまとめたもので、把握されていない業者は非掲載です。
登録がなく、警告の対象にもなっていないという状態は、その事業者が公的な記録のどこにも現れていないということになります。名称をたどって責任を追及する手がかりが、どこにもありません。
その名称のウェブサイトが存在しない
もうひとつの不審点は、「Altfest」の名称を使ったウェブサイトが、正規のもの以外に見当たらないことです。
インターネット上で暗号化された通信を行うサイトには、証明書が発行されます。この発行記録は誰でも検索でき、過去にさかのぼって確認することができます。
この記録を「altfest」を含む名称で検索したところ、該当したのは正規の「altfest.com」とそのサブドメイン、および正規法人の名義だけでした。「Altfest Asset Management」の名称を掲げた別のサイトは、記録上1件も確認できませんでした。
通常、金融サービスを名乗る事業者であれば、会社概要や問い合わせ先を掲載したウェブサイトを用意します。今回はそれが確認できず、接点がLINEのグループとアプリだけに限られていたとみられます。
送金先に個人名義や法人名義の口座が指定されている
投資資金の送金先として、個人名義の口座と法人名義の口座が複数指定されていた点も不審です。
前章で触れたとおり、国民生活センターは「投資資金の振込先に個人名義の口座を指定された場合、それは詐欺です」と明記しています。通常の株式やFXの取引で、個人名義の口座へ振り込ませることはないという説明です。
送金先が毎回変わることや、事業者名と異なる名義が指定されることは、送金の前に気づける数少ない手がかりです。
振込先の名義は、相手の説明とは関係なく、自分の手元で確認できます。少しでも不審に感じた時点で、送金を止めて専門家に相談することが重要です。
【参考】
・Altfest Asset Management(https://apps.apple.com/app/id6759585739)
・金融庁-それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!
・国民生活センター-SNSで著名人が勧める“もうかる方法” それって本当!?金融商品・サービスのトラブルにご注意!
Altfest Asset Managementが信用されやすい理由

登録も実在も確認できない事業者の案内が、それでも信用されてしまう背景にはいくつかの理由が考えられます。
ここでは、アプリストアで配信されていたことと名称や画面の見え方という観点から整理します。
アプリストアで配信されていたこと自体が安心材料になる
アプリストアは、審査を経たものだけが配信される仕組みです。利用者の側には、そこに掲載されていること自体が一定の信頼の根拠に見えます。
実際、Appleは2025年に910万件を超えるアプリの提出を審査し、そのうち200万件以上をガイドラインに適合しないとして却下したと公表しています。
ただし、この審査が確かめているのは配信される時点でガイドラインに適合しているかどうかです。その事業者が日本で登録を受けているかどうかを、利用者に対して保証する仕組みではありません。
審査を通った後に中身が差し替えられることがある
アプリの内容は、審査を通った後で変更することができます。この点については、Apple自身が公表しています。
▼Appleが公表しているアプリ審査に関する説明

出典:Apple
ここでは、パズルや電卓のアプリなど通常のゲームや実用ソフトとして承認された後に、金融詐欺を目的としてソフトウェアを改変したアプリがあると説明されています。
そのうえで、2025年におよそ59,000本のアプリをこうした差し替えを理由に削除したとしています。1年間でこれだけの本数が削除されているということは、審査を通った後に意図的に中身を差し替える行為が、相当数繰り返されていることを示しています。
審査を通った時点の姿と、利用者が実際に使うときの姿が同じとは限りません。掲載されていたという事実だけでは、中身がそのままであった保証にはならないことになります。
投資アプリは本来その金融機関自身が提出することとされている
Appleは、アプリの審査基準を「App Store Reviewガイドライン」として公開しています。この中には、金融に関するアプリについての定めがあります。
▼App Store Reviewガイドラインの3.2.1(viii)

出典:Apple
3.2.1(viii)には、「金融取引、投資、資金管理のために使用されるアプリは、それらのサービスを行う金融機関によって提出されたものであり、かつそのアプリが提供される地域で必要なライセンスおよび許可を取得している必要があります」と定められています。
つまり、投資アプリは本来、そのサービスを行う金融機関自身が提出し、提供先の国で必要な登録を受けていることが前提とされています。
今回のアプリがこの条件を満たしていたかどうかは、掲載が削除された現在では確認できません。利用者の側が、配信されている時点でこれを確かめる手段も用意されていませんでした。
実在する事業者と紛らわしい名称が使われている
「Altfest」は、米国で40年以上にわたって使われてきた名称です。この名称で検索すれば、正規のAltfest社の情報に行き当たります。
名称の一部が一致しているため、検索して出てきた正規の会社の情報が案内されたアプリの裏付けのように見えてしまうおそれがあります。
日本語のカタカナ表記についても同じことがいえます。「〇〇アセットマネジメント」という形の名称は、金融庁に登録された事業者の中にも150件ほど実在します。
名称の形式がありふれているほど、聞いたときの違和感は小さくなります。しかし、社名らしく聞こえるかどうかではなく、その名称が登録された事業者の一覧にあるかどうかを確認することが必要です。
アプリの画面に表示される数字は運営側で決められる
今回のトラブルで利用者が見ていたのは、アプリが表示する資産と利益の数字だけでした。
証券会社を通じた取引であれば、取引報告書や口座の残高をアプリとは別の方法で確認できます。今回は、アプリの表示以外に資産を確かめる手段がありませんでした。
画面上の数字は、実際に資金が運用されているかどうかとは関係なく表示できます。増えていく表示は、追加の送金に応じやすくする働きを持ちます。
表示された金額が実際に手元へ戻るかどうかは、出金してはじめて分かります。画面の数字を信じる前に、少額でも出金できるかどうかを確かめることが重要です。
【参考】
・Altfest Asset Management(https://apps.apple.com/app/id6759585739)
・Apple-The App Store stopped over $2.2 billion in fraudulent transactions in 2025
Altfest Asset Managementに関する不審点を見抜く方法

アプリを使った投資の勧誘に不審な点があるかを判断するには、画面に表示される利益ではなく、その事業者が実在し登録を受けているかを自分で確かめることが重要です。
ここまで確認した情報をもとに、送金する前に確かめておきたいポイントを整理します。
- アプリの提供元を確認し、その事業者が実在するかを調べる
- App StoreやGoogle Playのページには、提供元となるデベロッパー名が表示されます。アプリの名称ではなく、この提供元の名称で調べることが重要です。名称が個人名になっていたり、案内された事業者名と違っていたりする場合は注意が必要です。
- 日本の金融商品取引業の登録があるかを金融庁のサイトで確認する
- 日本の居住者に株式などの取引や投資助言を行うには、金融商品取引業の登録が必要です。金融庁の金融事業者一括検索で、事業者名から調べられます。登録が確認できないことも、無登録業者の一覧に掲載がないことも、いずれも適法性を示すものではありません。
- 海外の事業者を名乗る場合は本国の登録を名称まで一致させて確認する
- 米国の投資顧問であれば、証券取引委員会(SEC)の投資顧問公開情報で名称から検索できます。似た名称が出てきても、一語でも異なれば別の事業者です。案内された名称と登録されている名称が完全に一致するかを確かめましょう。
- その事業者の公式サイトがありそのアプリを案内しているかを確認する
- 金融サービスを行う事業者であれば、会社概要や問い合わせ先を載せた公式サイトを用意しているのが通常です。公式サイトにそのアプリの案内がない場合や、そもそもサイトが見つからない場合は注意が必要です。日本向けのサービスかどうかも、公式サイトの記載で確認できます。
- 送金先に個人名義や事業者名と異なる名義の口座が指定されていないか確認する
- 国民生活センターは、投資資金の振込先に個人名義の口座を指定している場合は詐欺であると明記しています。送金先が毎回変わる場合や、案内された事業者名と口座の名義が一致しない場合も、応じる前に立ち止まる必要があります。
- 早い段階で少額の出金を試しアプリの外で資産を確認する
- 画面に表示される数字は、実際に資金が運用されているかどうかとは関係なく表示できます。取引報告書や口座残高など、アプリの表示以外の方法で資産を確認できるかを確かめましょう。出金に応じない、条件を追加されるといった場合は、追加の送金をせずに相談してください。
投資のアプリを勧められた際は、「どれだけ増えているか」よりも、誰が提供し、その相手をどこまで確認できるのかを先に確かめることが大切です。
不審な点が複数重なる場合は、送金や追加の入金を控え、早い段階で弁護士などの専門家へ相談することを検討しましょう。
【参考】
・国民生活センター-SNSで著名人が勧める“もうかる方法” それって本当!?金融商品・サービスのトラブルにご注意!
Altfest Asset Managementに関する口コミや被害事例

Altfest Asset Managementや日本株投資ゼミについて、SNSや掲示板ではどのような情報が確認できるのでしょうか。実際にインターネット上に投稿されている口コミや被害に関する情報を確認してみましょう。
なお、「Altfest」で検索すると、前章までに触れた正規のAltfest社に関する情報が上位に並びます。「アルトフェスト」で検索した場合も、暗号資産の「アルトコイン」など表記の似た別の話題が表示されます。いずれも今回のトラブルとは関係のない情報であり、切り分けて読む必要があります。
X(旧Twitter)の口コミ
X(旧Twitter)で、Altfest Asset Managementや日本株投資ゼミに関する有力な情報は確認できませんでした。
SNSを入口とした投資勧誘そのものについては注意を促す投稿が多数見られますが、今回のトラブルで使われた名称に直接結びつくものは確認できていません。
Yahoo!知恵袋の口コミ
Yahoo!知恵袋では、LINEのグループに追加されて投資を勧められたという相談が多数投稿されています。しかし、今回のトラブルで使われたアプリ名やグループ名に直接結びつく投稿は確認できませんでした。
「Altfest」「アルトフェスト」「日本株投資ゼミ」のいずれで検索しても、該当する質問は表示されません。
掲示板の口コミ
掲示板で、Altfest Asset Managementや日本株投資ゼミに関する有力な情報は確認できませんでした。
投資詐欺の被害情報をまとめているサイトにも、今回の名称の掲載は確認できていません。
なお、検索結果の要約などで「この名称が注意喚起の対象として掲載されている」と表示される場合がありますが、実際に掲載元のページを開いて確認したところ、該当する記載はありませんでした。名称が挙がっているかどうかは掲載元のページ本文まで確認する必要があります。
【参考】
・Altfest Asset Management(https://apps.apple.com/app/id6759585739)
Altfest Asset Managementの口コミが少ない理由

Altfest Asset Managementについて検索しても、2026年9月の時点ではSNSや掲示板で具体的な口コミをほとんど確認できません。
理由のひとつは、接点がアプリとLINEのグループだけに限られていたことです。ウェブサイトが用意されていなければ、検索してページにたどり着くことも内容を確かめて感想を投稿することもできません。
そのアプリ自体も、すでにApp Storeから削除されています。掲載されていた説明文や利用者のレビューを、後からさかのぼって読むことができない状態です。
名称が実在する事業者と重なっている点も影響していると考えられます。「Altfest」で検索すれば米国の正規の会社が上位に並び、「アルトフェスト」では表記の似た別の話題が表示されます。固有の情報があったとしても、検索結果に埋もれてしまいやすい状況です。
勧誘の経路にも特徴があります。LINEのグループは、招待された人だけが参加する閉じた場です。グループの外からは、どのようなやり取りが行われていたのかを見ることができません。
参加者どうしが連絡先を交換していなければ、グループが解散した後に情報を突き合わせることもできません。被害に気づいた人が同じ経験をした人を見つけにくい構造になっています。
口コミが少ないことを安全性の根拠とせず、アプリの提供元や登録状況を自分で確認することが重要です。判断に迷う場合は、送金や追加の入金を止めたうえで専門家へ相談することを検討しましょう。
