今回の相談は、TikTokで知り合った相手から株式投資を勧められたのが始まりです。金融庁も、実在の高速取引行為者の名前を騙ってIPO銘柄の取引を勧める手口に注意を呼びかけています。
相談者が使っていたのは、Squarepointという海外の運用会社の名前を掲げる株の取引サイトです。入金は、相手が指定した口座に振り込む形で何度も行いました。ところが、画面に利益の出た評価額が表示されても、そのお金を引き出すことはできませんでした。
調べると、入口のページ(www.squarepoint-capitals.com)は「公式サイトへ」だけが正規の会社に飛び、ログインと登録は別のアドレスの取引サイトへ進む作りでした。また運営側の管理画面のプログラムには、利用者の評価額の合計や出金できる額を書き換える画面がありました。
本記事では、入口のページと運営側の管理画面のプログラムを確かめた結果について弁護士が解説します。画面の評価額を見せられて入金を勧められたときに、どこを確かめればよいかも取り上げます。
Squarepointを装う偽サイトに関するトラブルの概要

今回の相談者は、TikTokで知り合った相手から株式投資を勧められ、Squarepointの名前を掲げる株の取引サイトに入金を重ねました。画面には利益の出た評価額が表示されていましたが、そのお金を引き出すことはできていません。
この章では、入口のページの名乗りと、名前を使われた正規のSquarepointの拠点を確かめます。あわせて、金融庁が挙げる「実在の会社の名前を使ったIPOの勧誘」の事例と、TikTokを入口にした投資詐欺の件数を見ていきます。
www.squarepoint-capitals.comはSquarepointの名前で株の取引サイトへ案内する入口のページ
相談者が送ったリンクの先は、www.squarepoint-capitals.comというページでした。タブには「Squarepoint Capitals | 日本のリーディング投資会社」と表示され、街並みの写真の上に「Squarepoint Capitalへようこそ」と書かれています。
▼Squarepointの名前で日本の投資会社を名乗る入口のページ

出典:www.squarepoint-capitals.com
ページにあるのは「ログイン」「新規登録」「公式サイトへ」の3つのボタンだけで、株の売買や入金はボタンから進む別のアドレスの取引サイトで行います。会社の所在地や、日本で受けている許認可の表示は、ページのどこにもありません。
正規のSquarepointは海外18都市に拠点を置く運用会社で日本には拠点がない
正規のSquarepointは、公式サイト(squarepoint-capital.com)の「Locations」で拠点を紹介しています。並ぶのはBangaloreからZugまでの18都市で、ロンドンやシンガポールはありますが、日本の都市はありません。
▼正規のSquarepointが公式サイトに載せる18都市の拠点

出典:Squarepoint
公式サイトの「Disclaimer」には次の一文があります。
No information or opinions contained in this site constitute a solicitation or offer by Squarepoint to buy or sell securities or to furnish any investment advice or service.
サイトの情報は、Squarepointによる証券の売買の勧誘や投資の助言には当たらないという意味です。日本に拠点がなく、勧誘もしないと断る会社の名前で、日本の個人向けの取引サイトが作られています。正規のSquarepointによって運営されていることを示す情報は確認できませんでした。
金融庁は実在の高速取引行為者の名前を騙ってIPO銘柄を勧める事例を挙げている
金融庁は、SNS上の投資勧誘の手口をまとめたページの表に次の事例を載せています。
◆高速取引行為者は投資勧誘を行うことができないにもかかわらず、実在の高速取引行為者の名称を騙ってIPO銘柄の取引勧誘を行っている。
▼高速取引行為者の名前を騙る事例を挙げた金融庁の表

出典:金融庁
高速取引行為者は、金融庁の登録を受けて株などの取引を高速で繰り返す業者で、正規のSquarepointの関連会社も日本でこの登録を受けています。プログラムを調べたところ、本件の取引サイトにもIPO(新規公開株)の申込みの画面がありました。
これらの注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、実在の会社の名前とIPOを組み合わせた勧誘は、金融庁が手口として名指ししています。
TikTokを入口にしたSNS型投資詐欺の被害が1年で倍近くに増えている
令和7年のSNS型投資詐欺について、警察庁は被害者が最初に相手と接したツールの内訳を示しています。
(前略)
他方、これら以外のツールをみると、投資のサイトが1,071件(+412件、+62.5%)、TikTokが830件(+413件、+99.0%)、Facebookが822件(-175件、-17.6%)、X(Twitter)が815件(+407件、+99.8%)と、当初接触ツールの多様化が認められる。
▼TikTokが830件と前年から倍近くになった警察庁の統計

出典:警察庁
TikTokが入口の件数は1年で413件増えて830件になり、令和8年上半期の暫定値でも前年同期の2.6倍です。SNSで知り合った相手に勧められたサイトへ入金する流れは、相談者の経験と重なります。お金を送る前に、名乗る会社が日本で何を許されているかを確かめてください。
【参考】
・Squarepoint Capitals(https://www.squarepoint-capitals.com/)
・Squarepoint-Locations(https://www.squarepoint-capital.com/locations)
・Squarepoint-Disclosures(https://www.squarepoint-capital.com/disclosures)
・金融庁-それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!
・警察庁-令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)
・警察庁-令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
Squarepointを装う偽サイトへ誘導され被害につながるまでの経緯

ここでは、相談者がTikTokで相手と知り合ってから、取引サイトの評価額を引き出せないと気づくまでを、相談の内容に沿って3つの段階に分けて整理します。お金の出入りがどこで行われたかに注目して読んでください。
TikTokで知り合った相手の勧めでSquarepointの名前を掲げる株の取引サイトを使い始めた
相談者は、TikTokで知り合った相手から株式投資を勧められました。相談の際に送られた資料には、投資の情報として「Squarepoint Capitals | 日本のリーディング投資会社」というページへのリンクが含まれていました。
リンクの先は、前の章で見た入口のページ(www.squarepoint-capitals.com)です。このページから進む取引サイトは、相談者の画面に写っていた窓口を開く作りで、相談者が入金していたのは実在する海外の運用会社の名前を掲げるこの取引サイトとみられます。
取引サイトへの入金は相手が指定した複数の口座への銀行振込で重ねた
入金は銀行振込で、2026年5月から9月にかけて何度も行われました。振込先は相手が指定した口座で、送られた明細には、ネット銀行や地方銀行、ゆうちょ銀行など複数の銀行の名前が並んでいます。
相談者が送ったブラウザの画面には、pv3p.qbchat.ccというアドレスのカスタマーサービスの画面が写り、そこに振込先が表示されていました。取引サイトの入金画面も振込先は窓口に問い合わせるよう案内する作りで、口座はこの窓口の画面に出ていたことになります。
画面の評価額は増えていたが引き出せず表示が架空ではないかと相談した
取引サイトの画面には「評価額合計」と評価損益が表示され、入れたお金に利益が乗っているように見えていました。しかし、相談者はそのお金を引き出すことができず、表示されている評価額は架空のものではないかと尋ねています。
相談者は警察にも届け出ています。画面の評価額には利益が乗って見えましたが、その額を自分の口座に戻す手段がないまま、相手が指定する口座への振込だけが積み重なっていったのが、今回の被害の経緯です。
Squarepointを装う偽サイトの関連サイトの情報を調査した結果

本件に関わるアドレスは、入口のページと取引サイトのほかに、データの送り先、運営側の管理画面、カスタマーサービスの窓口があります。この章では、それぞれのアドレスがいつ取得されたかを登録情報(RDAP)で確かめ、正規のSquarepointの名前を金融庁の事業者検索で引いた結果を見ます。
| アドレス | 役割 | 取得日(日本時間) |
|---|---|---|
| www.squarepoint-capitals.com | 入口のページ | 2026年1月27日 |
| trade.squarepointcapitals.net | 株の取引サイト | 2026年3月20日 |
| trade.squarepoint-capitals.com | 以前の取引画面 | 入口と同じドメイン |
| trade.newwebs.net | 取引サイトのデータの送り先 | 2026年1月12日 |
| dash.squarepointcapitals.net | 運営側の管理画面 | 取引サイトと同じドメイン |
| pv3p.qbchat.cc | カスタマーサービスの窓口 | - |
| squarepoint-capital.com | 正規のSquarepoint | 2014年5月20日 |
窓口のpv3p.qbchat.ccは、相談者の画面に写っていたアドレスです。プログラムを調べたところ、取引サイトのマイページにある「カスタマーサービス」の項目が、このアドレスを開く作りになっていました。
入口のアドレスは2026年1月に取得され正規の公式サイトに「s」を足したつづり
入口のドメインsquarepoint-capitals.comの登録情報では、取得を表す「registration」の日時が「2026-01-26T17:12:04Z」です。Zの付く時刻は協定世界時なので、9時間を足した2026年1月27日の午前2時12分が日本時間での取得です。
▼2026年1月の取得を示す入口のドメインの登録情報

出典:rdap.verisign.com
正規のSquarepointの公式サイトはsquarepoint-capital.comで、2014年から使われています。入口のアドレスは「capital」に「s」を1文字足した「capitals」です。
取引サイトのsquarepointcapitals.netは、そこからさらにハイフンを抜いています。正規の公式サイトに近いつづりを入口と取引で使い分けていることになります。
以前の取引画面は入口のドメインにあり3月に別のドメインへ移されている
Yahoo!知恵袋には、2026年3月17日に「trade.squarepoint-capitals.com」を株式投資用のサイトとして名指しした質問が投稿されています。入口と同じドメインに、以前は取引の画面が置かれていたとみられます。
その3日後の3月20日正午すぎに、取引用の別のドメインsquarepointcapitals.netが取得されました。入口のページの更新日時を示すファイル(sitemap.xml)にも、同じ日の午後4時37分が記録されています。
入口は同じアドレスのまま、取引の画面だけが別のドメインへ移された流れが日付の並びから読み取れます。いま入口のページのボタンが開くのは、移った先の取引サイトです。
金融庁の事業者検索でSquarepointを引くと高速取引行為者だけが表示される
金融庁の金融事業者一括検索で「Squarepoint」と入れると、表示されるのは「SQUAREPOINT OPERATIONS PRIVATE LIMITED」の1件だけです。詳細を開くと、業種名は「高速取引行為者」、登録番号は「関東財務局長(高速)第50号」と出ます。
▼業種名が高速取引行為者と表示される金融庁の検索結果

出典:金融庁
所在地はシンガポールで、日本の金融商品取引業者としての登録はありません。カタカナの「スクエアポイント」で引いても、該当する業者は表示されませんでした。個人に株の売買の口座を開かせる業者として、この名前は登録されていないことが分かります。
- Googleのセーフブラウジングでは、入口のページ、取引サイト、データの送り先のいずれにも、危険の判定は出ていません(判定がないことは安全の根拠になりません)
- 金融庁の無登録業者の一覧に、Squarepointの名前や本件のアドレスは載っていません(掲載がないことも安全の根拠にはなりません)
- Internet Archiveには、2026年4月13日に保存された入口のページの記録が残っています
案内されたサイトのアドレスと相手が名乗る会社名を、正規の会社の公式サイトのアドレスと金融庁の事業者検索で1つずつ確認してください。
名前が一覧に出てきても、業種まで見れば、そのサイトに個人がお金を預ける理由がないことが分かります。入金した後に気づいた場合は、専門家に相談することをおすすめします。
【参考】
・Squarepoint Capitals(https://www.squarepoint-capitals.com/)
・Squarepoint Capitals-sitemap.xml(https://www.squarepoint-capitals.com/sitemap.xml)
・rdap.verisign.com-squarepoint-capitals.com(https://rdap.verisign.com/com/v1/domain/squarepoint-capitals.com)
・rdap.verisign.com-squarepointcapitals.net(https://rdap.verisign.com/net/v1/domain/squarepointcapitals.net)
・rdap.verisign.com-squarepoint-capital.com(https://rdap.verisign.com/com/v1/domain/squarepoint-capital.com)
・Yahoo!知恵袋-2026年3月17日の質問(知り合った人に株式投資用のサイトを勧められたという相談)(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10326349305)
・金融庁-無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(HTML版)
Squarepointを装う偽サイトに関する不審点

この章では、Squarepointを装う偽サイトに関する不審点として、入口のページのボタンの行き先、取引サイトのログイン画面のロゴ、取引サイトのデータの送り先、運営側の管理画面のプログラム、入金画面の6点を順に取り上げます。
いずれも、正規のSquarepointの名前を掲げながら、お金と表示を運営の側が握る作りであることを示しています。
入口のページの公式サイトへだけが正規のサイトへ飛びログインと登録は別のアドレスへ進む
入口のページの「公式サイトへ」のボタンにマウスを重ねると、画面の左下にリンク先として「https://www.squarepoint-capital.com」が表示されます。正規のSquarepointの公式サイトのアドレスです。
▼正規の公式サイトへ飛ぶ入口のページの「公式サイトへ」

出典:www.squarepoint-capitals.com
一方、プログラムを調べたところ、「ログイン」と「新規登録」のリンク先は、どちらもtrade.squarepointcapitals.netでした。3つのボタンのうち、正規の会社につながるのは「公式サイトへ」だけです。
▼3つのボタンのリンク先が並ぶ入口のページのプログラム

出典:www.squarepoint-capitals.com
確かめようとして「公式サイトへ」を押すと本物のサイトが開くため、入口のページまで本物のように見えてしまいます。登録とログイン、その先の入金だけが別のアドレスで行われる作りで、Internet Archiveに残る2026年4月13日の記録でも同じプログラムが使われていました。
ログイン画面は先頭のロゴだけを替えた同じ画面がGoldman Sachsの名前でも使われていた
取引サイトのログイン画面の下には、SQUARE POINT、日本証券業協会(JSDA)、日本取引所グループ(JPX)、Blackstone、Nasdaqの5つのロゴが並んでいます。
▼5つのロゴを並べる取引サイトのログイン画面

出典:trade.squarepointcapitals.net
ウェブサイトの安全性を調べる公開サービスurlscan.ioには、2026年9月27日に調べられたtrade.goldman-sach.orgの記録があります。その画面は本件と同じ作りのログイン画面で、ロゴは先頭の1枚がGoldman Sachsに替わり、残りの4枚は同じでした。
▼trade.goldman-sach.orgを調べたurlscan.ioの記録

出典:urlscan.io
▼先頭のロゴだけがGoldman Sachsに替わった同じログイン画面

出典:urlscan.io
goldman-sach.orgは2026年3月31日に取得され、取引サイトのドメインと同じ組み合わせのネームサーバーを使っています。名前だけを差し替えた同じ画面が、別の実在の金融機関の名前でも用意されていたことになります。
取引サイトのデータはEastSpringという別の名前の株の取引サイトのアドレスへ送られている
プログラムを調べたところ、取引サイトがログインや売買のデータをやり取りする先は、trade.newwebs.netという別のドメインでした。このアドレスは、取引サイトの画面には出てきません。
▼データの送り先がtrade.newwebs.netと書かれたプログラム

出典:trade.squarepointcapitals.net
このアドレスをそのまま開くと、日経平均や新規公開株、投資信託のボタンが並ぶ株の取引サイトが表示されます。ページのソースを見ると、タイトルは「EastSpring」です。
▼タイトルにEastSpringと書かれた送り先のページのソース

出典:trade.newwebs.net
newwebs.netの取得は2026年1月12日で、入口のドメインより前でした。urlscan.ioの記録では、trade.goldman-sach.orgもこのアドレスに接続しています。名前を使われた正規のイーストスプリング・インベストメンツは、注意を呼びかける文書で次のように述べています。
イーストスプリング・インベストメンツやその役職員が直接、個人のお客様に個別に株式や債券、投資信託等の金融商品の販売・勧誘を行うことはございません。
▼個人に直接株を勧誘しないとする正規の会社の注意喚起

出典:イーストスプリング・インベストメンツ
Squarepoint、Goldman Sachs、EastSpringという3つの実在の名前が、同じ裏側のデータにつながっていることになります。表に出す名前は替えられても、お金と表示を扱う仕組みは1つだとみられます。
管理画面のプログラムでは利用者の総資産や出金できる額を表計算のファイルで一括して入れられる
運営側の管理画面は、取引サイトと同じドメインのdash.squarepointcapitals.netにあり、ブラウザのタブには「stock-trade-admin」と表示されます。
▼タブにstock-trade-adminと表示される管理画面の入口

出典:dash.squarepointcapitals.net
誰でも取得できる管理画面のプログラムを調べたところ、利用者ごとの「总资产(総資産)」「总市值(評価額の合計)」「可用金额(使える金額)」「可提现金额(出金できる金額)」を、新しく作る・書き換える・ファイルから取り込む画面がありました。
▼利用者の資産を書き換えて取り込む管理画面のプログラム

出典:dash.squarepointcapitals.net
取り込み用のひな形のファイル名は「批量上传模板.xlsx」(一括アップロード用のひな形)です。このうち「总市值」は、取引サイトの日本語の画面では「評価額合計」と表示される項目です。相談者の画面に出ていた評価額合計は、運営が管理画面から入れられる数字だったとみられます。
IPOの当選数や株価の足も管理画面から運営が入力できる作りになっている
同じプログラムには、利用者のIPOの申込みに「中签数量(当選数)」を入れ、「中签(当選)」か「未中签(落選)」かを運営が決める画面もあります。株価についても、5分ごとの始値・終値・高値・安値や騰落率を手で入力し、ファイルから取り込む画面がありました。
▼IPOの当選数と結果を運営が送る管理画面のプログラム

出典:dash.squarepointcapitals.net
出金の申請については、運営が「拒绝出款(出金を拒否)」を選ぶと「已拒绝出款,钱已退回用户余额」(出金を拒否し、お金は利用者の残高に戻した)と表示される作りです。当選も値動きも出金の可否も、利用者の画面の外で運営が決められることになります。
入金画面は振込先を窓口に問い合わせさせ仮想通貨のUSDTでの入金も受け付ける作り
取引サイトの入金画面は、ログインしなくても開けます。画面の上には「下記の口座へ振込後、振込完了が確認できる明細の画像をアップロードしてください」とあり、振り込んだ後に明細の写真を送らせる作りです。
▼振込先は問い合わせでUSDTの入金も並べる入金画面

出典:trade.squarepointcapitals.net
「銀行振込」の欄には「振込先口座情報はカスタマーサポートまでお問い合わせください:」と書かれ、振込先は窓口に尋ねる仕組みです。隣には「仮想通貨で入金」として「USDT」が並びます。
日本の投資会社を名乗りながら、振込先は窓口が伝え、暗号資産でも入金を受け付ける作りです。窓口が伝える口座へ振り込む前に、その名義が名乗る会社と同じかを確かめ、迷ったら専門家に相談してください。
【参考】
・Squarepoint Capitals(https://www.squarepoint-capitals.com/)
・Squarepoint Capitals-プログラム(https://www.squarepoint-capitals.com/_next/static/chunks/app/page-34dbc13d02dfbbae.js)
・trade.squarepointcapitals.net-ログイン(https://trade.squarepointcapitals.net/#/pages/user/login/login)
・trade.squarepointcapitals.net-プログラム(https://trade.squarepointcapitals.net/static/js/index.5fb1f8a6.js)
・trade.squarepointcapitals.net-入金(https://trade.squarepointcapitals.net/#/pages/trade/deposit/deposit)
・urlscan.io-trade.goldman-sach.org(https://urlscan.io/result/01a0e234-758f-745e-8f6b-5e1c0c3b3e1c/)
・trade.newwebs.net(https://trade.newwebs.net/)
・イーストスプリング・インベストメンツ-イーストスプリング・インベストメンツやその役職員になりすました虚偽の広告・勧誘等にご注意ください
・dash.squarepointcapitals.net(https://dash.squarepointcapitals.net/)
・dash.squarepointcapitals.net-プログラム(https://dash.squarepointcapitals.net/js/106.3d0717af.js)
・dash.squarepointcapitals.net-プログラム(https://dash.squarepointcapitals.net/js/878.5a1152ab.js)
Squarepointの名前が偽サイトの勧誘に悪用されやすい理由

Squarepointは海外に拠点を置く運用会社で、日本の個人が口座を開いて取引する相手ではありません。この章では、金融庁の検索での見え方、問い合わせの窓口、公式サイトの内容、会社の沿革の4つから、この名前が勧誘に使われやすい理由を考えます。
金融庁の検索で名前が出てくるため登録のある会社だと信じられやすい
金融庁の金融事業者一括検索で「Squarepoint」と引くと、関連会社の名前が1件表示されます。名前を調べた人には、登録のある実在の会社が運営するサイトのように見えてしまいます。
▼Squarepointの関連会社が1件表示される金融庁の検索結果

出典:金融庁
ただし、この登録は高速取引行為者としてのもので、前の章で見たとおり、金融庁は高速取引行為者が投資勧誘を行えないと明記しています。名前が一覧に出ることは、その会社が個人に投資を勧めてよいことを意味しません。業種の欄まで開いて、何の登録かを見ることが欠かせません。
正規の会社は日本に拠点も日本語の窓口もなく利用者が問い合わせて確かめる先がない
正規のSquarepointの公式サイトは英語だけで作られ、日本語のページはありません。「Contact us」のページにあるのも、英語で書き込む問い合わせの欄と報道機関向けのメールアドレスだけです。
日本の個人が「このサイトは本物ですか」と電話や日本語のメールで尋ねられる窓口は見当たりません。勧誘を受けた人が正規の会社に直接確かめにくいため、相手の説明だけを頼りに入金へ進んでしまうおそれがあります。
正規の公式サイトに注意喚起がなくリンクで飛んでも偽物に気づくきっかけがない
正規のSquarepointの公式サイトには、名前をかたる詐欺に注意を呼びかけるページが見当たりません。Internet Archiveに残る過去のページを見ても、そうした告知は確認できませんでした。
入口のページの「公式サイトへ」を押した人は、本物の公式サイトにたどり着きます。そこに「当社の名前をかたるサイトに注意」といった表示がなければ、本物を見たことがかえって入口のページへの信用につながることになります。
正規の会社の沿革には東京で始まった事業が書かれ日本との縁を持ち出されやすい
正規のSquarepointの公式サイトの「About us」には、会社の歩みとして次の一文があります。
We founded nQuant within Lehman Brothers Tokyo initially focusing on long/short equities strategies
リーマン・ブラザーズの東京で、株の売りと買いを組み合わせる運用から始めたという意味です。今の拠点に日本はありませんが、沿革に東京の名前があると、「日本のリーディング投資会社」という名乗りが不自然に見えにくくなります。
実在の会社の歴史の一部を持ち出されても、その会社が今も日本で個人向けの事業をしているとは限りません。名前と経歴の説明を受けたときは、金融庁の事業者検索で業種まで確かめ、判断に迷ったら信頼できる第三者に相談してください。
【参考】
・金融庁-それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!
・Squarepoint-Contact us(https://www.squarepoint-capital.com/contact)
・Squarepoint-About us(https://www.squarepoint-capital.com/about)
Squarepointを装う偽サイトの不審点を見抜く方法

本件の偽サイトでは、ボタンやリンクごとに行き先が違っていました。「公式サイトへ」は本物の会社へ、「ログイン」は別のアドレスの取引サイトへ、入金の相談は別のアドレスの窓口へとつながり、裏側のデータはさらに別の名前のサイトへ送られていました。
そこで、画面のボタンやリンクを押す前に、行き先をどう確かめるかを6項目にまとめました。項目ごとに、本件のボタンやリンクが実際につながっていた先を書き添えたので、手元の画面と照らしながら読んでください。
- 【公式サイトへ】本物の公式サイトへのリンクがあっても、ほかのボタンの行き先と見比べる
- 入口のページでは「公式サイトへ」だけが正規のSquarepointのサイトに飛び、「ログイン」「新規登録」は別のアドレスに進む作りでした。マウスを重ねれば、画面の左下に行き先が出ます。
- 【ログイン・新規登録】進んだ先のアドレスを、正規の会社のアドレスと1文字ずつ比べる
- 正規はsquarepoint-capital.com、入口はsquarepoint-capitals.com、取引サイトはsquarepointcapitals.netでした。sが1文字増えたり、ハイフンが消えたりするだけで持ち主は別になります。
- 【ログイン画面のロゴ】並んだロゴの会社の名前を、金融庁の事業者検索で業種まで引く
- Squarepointの名前で出てくるのは高速取引行為者の登録だけで、個人に投資を勧めることはできない業種でした。協会や取引所のロゴがあっても、提携の証明にはなりません。
- 【入金】入金の画面で、振込先が窓口への問い合わせになっていないかを見る
- 本件の入金画面は、振込先をカスタマーサポートに尋ねさせる作りで、隣には暗号資産のUSDTでの入金も並んでいました。口座を個別に伝えてくるサイトは、名乗る会社の口座である保証がありません。
- 【カスタマーサービス】窓口のチャットが、取引サイトと別のアドレスで開いていないかを確かめる
- 相談者に振込先を示した窓口はpv3p.qbchat.ccで、画面に会社の名前は出ていませんでした。お金の話をする相手のアドレスがどこかをブラウザのアドレス欄で見てください。
- 【評価額・出金】画面の評価額は、引き出せるまで自分のお金と考えない
- 管理画面のプログラムには、利用者の評価額の合計や出金できる額を運営が書き換えて取り込む画面がありました。評価額が膨らんで見えることは、追加の入金に応じる理由になりません。
ボタンやリンクの行き先が1つでも正規の会社のものでなければ、その時点で送金を止めてください。サイトのアドレス、窓口の画面、振込の明細を手元に保存し、専門家に相談して次の手を考えてください。
Squarepointを装う偽サイトに関する口コミや被害事例

X(旧Twitter)や5ちゃんねる、爆サイでは、本件のアドレスや「Squarepoint Capitals」の名前に触れた書き込みは見つかりませんでした。一方、Yahoo!知恵袋には、本件のドメインを名指しした質問が2026年3月と4月に1件ずつあります。
この章では、その2件の質問と回答を投稿された日付の順に紹介します。あわせて、TikTokを入口にした株の投資詐欺について、山形県警察と鶴岡市が公表した事例を取り上げます。
2026年3月に入口のドメインの取引画面を勧められたという相談が寄せられていた
2026年3月17日の質問は、入口と同じドメインにあった以前の取引画面のアドレスを示し、次のように尋ねています。
(前略)
株式投資用のサイトになります。
こちらを知り合った方におすすめされたのですが
信用できるか不安です。
わかる方いれば教えて頂きたいです。
お願い致します。
▼知り合った人に株の取引画面を勧められた知恵袋の質問

出典:Yahoo!知恵袋
ベストアンサーに選ばれた回答は、次のように述べています。
(前略)
whois検索をすれば わかりますが、先々月に作られたばかりのサイトです。信用できる訳がありません。
これは回答者個人の見方ですが、日付の点は登録情報で確かめられます。入口のドメインsquarepoint-capitals.comの取得は2026年1月27日で、質問の日までは49日でした。回答の「先々月」は、登録情報と食い違いません。
あわせて、知り合った相手に勧められたという入口は相談者の場合と同じです。相談者が入金を始める1か月半ほど前から、同じ名前のサイトが勧誘に使われていたとみられます。
2026年4月には入口のページそのものが本物かを尋ねる相談があった
2026年4月9日の質問は、入口のページ(www.squarepoint-capitals.com)のアドレスを示し、「下のサイトは本物のサイトでしょうか?」と尋ねています。質問者も、投資を始めたところでこのサイトを勧められたと書いています。
▼入口のページが本物かを尋ねた知恵袋の質問と回答

出典:Yahoo!知恵袋
これに対し、同じ日の回答の1つは次のように指摘しています。
論外の詐欺。
このサイトは、ドメイン取得から(サイトが作られてから)2か月しか経過していない。しかもわざわざ本家サイトへのアクセスルートまで設けている悪質な偽サイト。
(後略)
これも回答者個人の見方ですが、挙げられた2点は今回の調査の結果と一致します。入口のドメインの取得から質問の日までは72日で、回答の「2か月」という指摘と合います。
「本家サイトへのアクセスルート」にあたる「公式サイトへ」のボタンは、前の章で確かめたとおり、正規のSquarepointの公式サイトへ飛び、ログインと登録だけが別のアドレスに進む作りでした。回答の指摘は、登録情報とボタンの行き先という誰でも確かめられる事実と食い違っていません。
TikTokの株の動画からLINEグループへ誘われ出金にサービス料金を求められた事例
山形県警察と鶴岡市は、TikTokをきっかけにした株式投資の詐欺の事例を通報として公表しています。
令和7年8月下旬、被害者は、TikTokLiteを見ていたところ、株式投資を教えてくれる動画が表示され、画面表示に従い、投資の先生やアシスタントのLINEアカウントを登録すると、LINEグループに招待されました。
(中略)
サイト上では利益が出ていましたが、利益を出金するにはサービス料金を支払う必要があるなどと要求され、被害に気付きました。
これらの注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、入口がTikTokで、教わった株のサイトにお金を入れた点は相談者と同じです。「出金には先に支払いが要る」と言われたら、それ以上は振り込まずに専門家に相談してください。
【参考】
・Yahoo!知恵袋-2026年3月17日の質問(知り合った人に株式投資用のサイトを勧められたという相談)(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10326349305)
・Yahoo!知恵袋-2026年4月9日の質問(勧められたサイトが本物かという相談)(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12327071462)
Squarepointを装う偽サイトに関する口コミが少ない理由

今回の相談の始まりは、TikTokで知り合った相手からの株式投資の勧めでした。こうした勧誘では、サイトの名前は広告や記事で広く知らされず、相手から1人ずつ伝えられます。同じ名前を見た人の数が限られるため、被害の話が人の目に触れる場所に書き込まれにくいとみられます。
また、取引の画面は2026年3月に入口のドメインから別のドメインへ移され、裏側では同じ仕組みがGoldman SachsやEastSpringの名前でも使われていました。被害に遭った人が書き込んでも、名前やアドレスがそれぞれ違えば、同じ仕組みの被害として1か所にまとまりにくい状態です。
さらに、2026年10月19日のYahoo!検索では、「squarepoint capital」の1番目に本件の入口のページが表示され、正規の公式サイトはその次でした。名前で調べた人は、注意を促す書き込みにたどり着く前に、偽のページへ案内されてしまうおそれがあります。
▼偽の入口のページが1番目に出るYahoo!検索の結果(2026年10月19日)

出典:Yahoo!検索
名前で調べると、被害者を名乗ってLINEの個人のアカウントへ誘う、返金をうたうブログも出てきます。掲載がないことや、検索の上位に出ることが安全の根拠にはなりません。入金したお金を取り戻したいときは、ネットで見つけた相手ではなく専門家に相談してください。
【参考】
・Yahoo!検索-“squarepointcapitals”(https://search.yahoo.co.jp/search?p=%22squarepointcapitals%22)
