YouTubeなどの広告をきっかけにLINEへ誘導され、投資グループへの参加を経て高額な資金を送金してしまうSNS型投資詐欺の被害が増えています。
なかでも、LDATT(富裕層資産形成計画)の名称を用いた投資勧誘では、高い利益率を示して信用させた後、出金を求めると手続きを引き延ばされたり、身に覚えのない取引を理由に追加送金を要求されたりするなど、深刻な金銭トラブルに発展するおそれがあります。
この記事では、LDATTへの誘導から金銭トラブルにつながる流れや関連サイトの情報、注意すべき特徴、口コミなどについて、弁護士の視点から詳しく解説します。
LDATT(富裕層資産形成計画)に関するトラブルの概要

LDATT(富裕層資産形成計画)に関するトラブルでは、YouTube広告をきっかけにLINEの投資グループへ誘導され、投資の勉強会などを通じて資金の送金を促される流れがみられます。
高い利益率を示して運用を勧める一方、出金を求めると手続きに時間がかかると説明され、さらに身に覚えのないIPO取引などを理由として追加の支払いを求められるケースもある点には注意が必要です。
メディアで関連被害が取り上げられている
「富裕層資産形成計画」への勧誘をめぐる被害は、神戸新聞でも報じられています。SNS上で実在する国会議員を装ったアカウントからLINEへ誘導され、資産形成の勉強会を経て「富裕層資産形成計画」への参加費用を求められたという内容です。

出典:神戸新聞
また、TBS NEWS DIGでも、YouTube上のAI生成とみられる広告を入口とした投資詐欺被害が報じられています。

出典:TBS NEWS DIG
これらの報道が本記事のLDATTと同一案件であることまでは確認できませんが、SNSや広告から投資へ誘導する類似の手口には十分な注意が必要です。
LDATT(富裕層資産形成計画)への勧誘から被害につながるまでの経緯

LDATT(富裕層資産形成計画)をめぐる金銭トラブルでは、広告からLINEへ誘導した後、段階的に投資への信用を高めていく流れが特徴的です。
ここでは、誘導から追加送金を求められるまでの流れを整理します。
YouTube広告からLINEの投資グループへ誘導される
被害のきっかけとなるのは、YouTube上に表示される投資関連の広告であるケースが確認されています。
広告からLINE公式アカウントへ登録すると、先生やアシスタントを名乗る人物が登場するグループLINEへ誘導され、株式投資に関する勉強会などが行われるようです。
SNSや動画広告から外部のLINEグループへ誘導された場合は、相手の身元や運営主体を確認することが重要です。
LDATT(富裕層資産形成計画)への参加と送金を促される
LINEグループ内で投資に関するやり取りを続けた後、「LDATT(富裕層資産形成計画)」と称する投資計画への参加を勧められます。高い利益率が期待できるなどと説明され、指定された銀行口座への送金を促される流れです。
短期間で極めて高い利益を継続的に得られるとする説明を受けた場合には、追加の資金を送る前に、運営会社や金融商品取引業の登録状況を確認する必要があります。
出金を求めると身に覚えのないIPO取引を理由に追加送金を要求される
投資に不審な点を感じて出金を申し出ると、退会や出金の承認に一定期間が必要などと説明され、すぐには資金を引き出せない状況になります。
その後、申し込んだ覚えのないIPO(新規公開株)を購入した扱いにされ、その代金としてさらに高額な支払いを求められるケースもあるようです。
出金できない状態で追加送金を求められた場合は、要求に応じる前に取引を中断し、専門家に相談することをおすすめします。
LDATT(富裕層資産形成計画)の関連サイトの情報を調査した結果

今回確認されたトラブルでは、「jptgcm.ltd」が関連URLとして使用されています。また、LDATTの名称を掲げる「joinocmc.com」と「ldatt.com」も確認できたため、同計画との関係を判断する参考情報として調査しました。
ここでは、LDATT(富裕層資産形成計画)との関連が疑われる各サイトについて、公開情報やwhois情報をもとに運営実態を確認していきます。
TGCMの基本情報とwhois情報
LDATT(富裕層資産形成計画)に関するトラブルでは、Tokyo Global Capital Asset Management(TGCM)という事業者との関連性が指摘されています。実際に調査を進めると、TGCMのサイトに、米国LDATTと同計画を始動した旨の記載が確認できました。

出典:Tokyo Global Capital Asset Management(TGCM)
そこで、LDATT(富裕層資産形成計画)との関連性を確認するため、TGCMのサイト情報やドメイン情報についても調査しました。
| URL | https://www.jptgcm.ltd |
| 所在地 | 〒104-0033 東京都中央区新川2-21-10 リードシー八丁堀ビル |
| 代表者名 | 松本 康行(サイト記載情報) |
| 電話番号 | 不明 |
| メールアドレス | [email protected] |
| ドメイン名 | jptgcm.ltd |
| ドメイン登録日 | 不明 |
| 登録者情報 | 不明 |
| 登録国 | 不明 |
| レジストラ | 不明 |
TGCMのサイト情報から読み取れることは以下の通りです。
- サイトでは投資運用やコンサルティングを提供サービスとして掲げている
- 「米国LDATT」と富裕層資産形成計画を始動したとの記載がある
- 所在地やメールアドレスは掲載されている一方、電話番号は確認できない
- whoisの登録者情報など、ドメインの登録主体を裏付ける情報を今回の公開情報から確認できない
TGCMのサイトには所在地や関係者、連絡用メールアドレスなどが掲載されています。しかし、日本企業を思わせる名称ではあるものの、2026年8月時点で、サイトに記載された名称と一致する法人情報は確認できませんでした。

出典:GVA法人検索
投資運用を掲げるサービスであることを踏まえると、サイト上の情報だけで信用性を判断せず、金融商品取引業の登録状況や法人情報、掲載された実績などを外部情報と照合することが重要です。
joinocmc.comの基本情報とwhois情報

本記事のトラブルでは「LDATT」の名称が用いられており、同じ名称を掲げるウェブサイトが複数確認されています。そこで、LDATT(富裕層資産形成計画)を名乗るサイトの一つである「joinocmc.com」について、サイト上の会社情報やドメイン情報を調査しました。
| URL | https://www.joinocmc.com |
| 所在地 | 不明 |
| 代表者名 | 不明 |
| 電話番号 | 不明 |
| メールアドレス | 不明 |
| ドメイン名 | joinocmc.com |
| ドメイン登録日 | 不明 |
| 登録者情報 | 不明 |
| 登録国 | 不明 |
| レジストラ | 不明 |
joinocmc.comの情報から読み取れることは以下の通りです。
- 運営会社を特定できる情報を確認できない
- 代表者や所在地など運営主体の基本情報を確認できない
- 電話番号やメールアドレスなどの連絡先を確認できない
- 公開情報だけではドメインの登録主体まで把握できない
joinocmc.comではLDATT(富裕層資産形成計画)の名称を確認できる一方、今回取得できた公開情報からは、運営会社や代表者、所在地など、サービスの運営主体を裏付ける十分な情報を確認できませんでした。
投資に関するサービスを利用する際は、サイトの表示だけで信用せず、金融当局への登録状況なども併せて確認することが重要です。
ldatt.comの基本情報とwhois情報

LDATT(富裕層資産形成計画)を名乗るサイトとして、「ldatt.com」というドメインも確認されています。関連性がある可能性を考慮し、こちらのサイトについても調査してみました。
| URL | https://www.ldatt.com |
| 所在地 | 不明 |
| 代表者名 | 不明 |
| 電話番号 | 不明 |
| メールアドレス | 不明 |
| ドメイン名 | ldatt.com |
| ドメイン登録日 | 不明 |
| 登録者情報 | 不明 |
| 登録国 | 不明 |
| レジストラ | 不明 |
ldatt.comの情報から読み取れることは以下の通りです。
- 運営会社の名称や法人情報を確認できない
- 所在地や代表者など運営主体を判断する情報が見当たらない
- サイト構造が「joinocmc.com」と同じ
- 公開情報だけではドメインの登録主体を確認できない
ldatt.comには「LDATT」「安全取引・スマート投資」などの表示があり、投資・取引サービスを想起させる構成となっています。
一方、確認できたサイト情報からは運営会社や所在地、代表者などを特定できず、サービスの運営実態を判断するための情報が十分とはいえません。利用を検討する場合は、金融当局への登録状況を含めた慎重な確認が必要です。
LDATT(富裕層資産形成計画)に関する不審点

LDATT(富裕層資産形成計画)について調査すると、投資サービスとしての信頼性を判断するうえで慎重に確認すべき点が複数みられます。
ここでは、LDATT(富裕層資産形成計画)の関連トラブルを調査するなかで、確認できた注意すべきポイントを解説します。
金融商品取引業者としての登録情報を確認できない
今回のトラブルで使用された「jptgcm.ltd」について、サイトに掲載された事業者が金融庁に登録された金融商品取引業者であることを裏付ける情報は確認できませんでした。また、LDATTの名称を掲げる「joinocmc.com」と「ldatt.com」についても、運営主体や金融商品取引業の登録情報を確認できません。
投資の勧誘を受けた場合は、運営主体を特定したうえで金融庁の登録事業者一覧と照合することが大切です。
招待コードを求められる
LDATT(富裕層資産形成計画)を名乗るサイトでは、新規登録を行う際に「招待コード」の入力を求められる構造が確認できます。

一般公開された投資サービスでありながら、特定の紹介者を経由しなければ登録しにくい仕組みの場合、利用者がサービスの運営実態を把握しにくくなる可能性があります。
LINEなどで招待コードを伝えられた場合は、登録を急がず、運営会社や金融当局への登録状況を確認しましょう。
同一構造のクローンサイトが複数存在している
本記事のトラブルとの関連が疑われるサイトとして、「joinocmc.com」と「ldatt.com」など、LDATTの名称を掲げ、外観や構成が類似する複数のドメインが確認できます。
同じサービスが複数のドメインで提供されること自体をもって問題があるとは断定できません。しかし、各サイトの運営主体や複数ドメインを使用する理由が明確でない場合、どのサイトが正式なサービスなのか利用者が判断しにくいため注意が必要です。
カスタマーサポートを使用できない
LDATT(富裕層資産形成計画)を名乗るサイトでは、いずれもカスタマーサポートを利用しようとしてリンクを開くと、ドメインの購入に関するページへ遷移します。

出典:GoDaddy
投資サービスでは、入出金や取引上の問題が発生した際に運営者と連絡できる体制が重要です。正常に利用できる問い合わせ窓口を確認できない場合は、資金を送る前に運営実態を慎重に確認する必要があります。
判断が難しい場合は、信頼できる第三者に相談してみるとよいでしょう。
LDATT(富裕層資産形成計画)の仕組みが悪用されやすい理由

LDATT(富裕層資産形成計画)への誘導方法や取引の仕組みには、利用者から繰り返し金銭を支払わせる手口に悪用されやすい特徴があります。
LDATT(富裕層資産形成計画)への誘導から追加送金要求までの流れをもとに、金銭を騙し取る手口として悪用されやすい理由を解説します。
投資の勉強会を通じて段階的に信用させやすい
YouTube広告からLINEへ誘導し、先生やアシスタントを名乗る人物による投資の勉強会を行う仕組みは、参加者との信頼関係を築く手段として悪用される可能性があります。
すぐに送金を求めるのではなく、投資情報を継続的に提供することで、相手を専門家だと信用しやすくなるためです。
さらに、グループ内で利益を得たとする投稿などが繰り返されれば、「ほかの参加者も成功している」と感じ、高額な投資への心理的な抵抗が薄れるおそれがあります。
高い利益を表示して追加投資を促しやすい
投資サイト上で資産や利益が増えているように表示されると、利用者は運用が順調に行われていると考え、さらに資金を投入しやすくなります。しかし、画面上に表示された利益が実際の金融取引によって生じたものかどうかは、表示だけでは判断できません。
特に、短期間で極めて高い利益を継続して得られるとする説明は、利用者の期待を高めて追加送金を促す材料として悪用される可能性があります。実際に出金できるかを含め、慎重な確認が必要です。
出金時に新たな支払い名目を作りやすい
投資詐欺では、利用者が出金を求めた段階で、税金や手数料、保証金など別の名目を提示し、追加送金を要求する手口があります。
さらに、身に覚えのないIPO取引などを理由に支払い義務があるように見せかければ、「支払わなければ資金を回収できない」と利用者に思わせることも可能です。
出金の条件として新たな金銭を要求され続ける状況では、支払いを重ねるほど被害が拡大するおそれがあるため、追加送金を止めて専門家へ相談することが重要です。
LDATT(富裕層資産形成計画)に関する不審点を見抜く方法

投資サービスに不審な点があるかを判断するには、利益率や担当者の説明だけではなく、運営主体や金融当局への登録状況、出金条件などを客観的に確認することが重要です。
LDATT(富裕層資産形成計画)に関して、これまで確認した情報から注意すべきポイントを整理します。
- 金融商品取引業者としての登録情報が確認できるか調べる
- 投資サービスへの勧誘を受けた場合は、運営会社名や登録番号を確認し、金融庁が公表する金融商品取引業者の一覧と照合しましょう。登録番号の記載がない場合は特に慎重な判断が必要です。
- 短期間で極めて高い利益を得られるという説明を疑う
- 短期間で継続的に高い利益を得られると強調された場合は注意が必要です。画面上で資産が増えていても、実際の金融取引による利益なのかを確認できなければ、表示された数字だけで信用すべきではありません。
- 広告からLINEの投資グループへ誘導される流れに注意する
- YouTubeやSNSの広告を入口としてLINEへ移動させ、先生やアシスタントを名乗る人物が投資を指導する手口があります。肩書きやグループ内の評判を信用せず、人物や運営会社の実在性を確認することが大切です。
- 招待コードが必要な投資サイトは運営主体まで確認する
- 招待コードを入力しなければ登録できない仕組みでは、一般の利用者からサービスの実態が見えにくくなる場合があります。紹介者の説明だけで判断せず、会社情報や利用規約、問い合わせ先などを確認しましょう。
- 同じ名称・構造のサイトが複数存在していないか確認する
- 同一名称を掲げ、外観や機能が類似するサイトが複数存在する場合は、それぞれの運営主体やドメインを確認する必要があります。どれが正式なサイトなのか判断できない状態で、個人情報や資金を提供するのは避けるべきです。
- 出金時に追加の支払いを求められたら送金を中断する
- 出金を申し出た後に、手数料や税金、保証金、身に覚えのない取引代金などを請求された場合は注意してください。「支払えば出金できる」と説明されても、さらに別名目の支払いを求められるおそれがあります。
LDATT(富裕層資産形成計画)に限らず、投資の安全性を判断するうえでは「利益が出ているように見えるか」よりも、誰が運営し、どのような登録のもとでサービスを提供しているのかを確認することが重要です。
不審な点が複数重なる場合は追加送金を控え、早い段階で弁護士などの専門家へ相談することを検討しましょう。
LDATT(富裕層資産形成計画)に関する口コミや被害事例

LDATT(富裕層資産形成計画)について、SNSや掲示板などではどのような情報が確認できるのでしょうか。類似する名称を使った投資勧誘による被害は報道でも確認されているため、実際にインターネット上に投稿されている口コミや被害に関する情報を確認してみましょう。
X(旧Twitter)の口コミ
X(旧Twitter)で、LDATT(富裕層資産形成計画)に関する有力な情報は確認できませんでした。
Yahoo!知恵袋の口コミ
Yahoo知恵袋で、LDATT(富裕層資産形成計画)に関する有力な情報は確認できませんでした。
掲示板の口コミ
掲示板で、LDATT(富裕層資産形成計画)に関する有力な情報は確認できませんでした。
LDATT(富裕層資産形成計画)に関する口コミが少ない理由

LDATT(富裕層資産形成計画)について検索しても、2026年8月の時点ではSNSや掲示板などで具体的な口コミをほとんど確認できません。
背景には、一般向けに広く知られたサービスではなく、広告からLINEグループへ誘導するなど、限定された経路で勧誘が行われている可能性が考えられます。
また、LDATTを名乗る複数のサイトが存在するため、情報が一つの名称やURLに集まりにくいことも要因となり得ます。口コミが少ないことを安全性の根拠とせず、運営主体や金融当局への登録状況を確認することが重要です。
