LINEの「サポートデスク【会員様専用】」から、海外FXを名乗るMINT TRADING(mint-global.info)の口座を開くよう案内され、人材サポートの屋号が付いた個人名義の口座へ入金したという相談がありました。
この口座はLINEでは「Mint証券」とも呼ばれ、入金の後にはシステムを設置すると伝えられていました。同じ表示名の窓口からは、仕事のサポートの有料コースも勧められています。
mint-global.infoのライセンスのページには、許認可の番号が画面のどこにも表示されません。ページのソースを開くと、隠された欄に、正規の海外FX業者XSの会社番号やライセンス番号を写した一覧が残っていました。問い合わせ先のメールは売り出し中のドメインで、電話番号は見本の番号です。
ソースに残された一覧を、オーストラリアとキプロスの政府の登録情報で一つずつたどった結果について弁護士が解説します。
業者の名前のない口座への入金と、仕事のサポートの代金を取り戻す制度と相談先は、最後の章にまとめましたので参考にしてください。
LINEのサポートデスクがMINT TRADINGの口座開設と入金を案内するまで

この章では、LINEで「サポートデスク【会員様専用】」と表示された相手が、海外FXを名乗るMINT TRADINGの口座開設とログイン先を案内し、相談者が個人名義の口座へ振り込むまでをたどります。同じ表示名の窓口が案内した仕事のサポートの話にも触れます。
Mint証券のログイン先はmint-global.info
相談者とやり取りしていたのは、LINEで「サポートデスク【会員様専用】」と表示された相手です。相手はMINT TRADINGの口座開設のためのリンクと、「Mint証券」の口座にログインするためのページのリンクを送ってきました。
ログイン先として示されたのは「https://mint-global.info/login/index.html」です。サイトはMINT TRADINGの名前を掲げ、FXや株式、仮想通貨のCFD取引を扱う業者を名乗っています。LINEの案内では「Mint証券」とも呼ばれていました。
入金の後にシステムを設置すると伝えられた
口座の案内とあわせて、相手は入金の後にシステムを設置すると相談者に伝えていました。相談者がやり取りの中で送った取引ソフトMT5の設定画面には、接続先として「EMC Trading Ltd.」という名前が表示されていました。
MINT TRADINGのサイトも、取引ソフトとして「Metatrader5」を案内しています。並んで載っている「Metatrader4」には「ただいま準備中です」と表示され、口座での取引はMT5を使う形になっています。
同じ表示名の窓口が仕事のサポートの有料コースも案内した
「サポートデスク【会員様専用】」の表示名の窓口は、仕事を始めてから収益が出るまでサポートすると伝え、予約の案内も送っていました。この仕事のサポートは「ジョブサポート」と呼ばれ、申込ページには高額なコースと、その数倍の想定収益が並んでいました。
別の「【特典付き参加者】ご案内窓口」と表示された相手は、新しい連絡先と担当者のLINEを案内しました。簡単なアンケートに答えれば適した仕事を案内し、特典の受け取り方や収入を得る方法を電話で説明するとも伝えていました。
人材サポートの屋号が付いた個人名義の口座へ振り込んだ
振込明細に記された受取人は、人材サポートの屋号を頭に付けた個人の名前です。振込先の名義には、MINT TRADINGの名前も、ジョブサポートを販売する事業者の名前もありません。
振り込んだお金には、MINT TRADINGの口座への入金が含まれます。相談者は、ジョブサポートについてのやり取りの中でも、相手に振込票の画面を送っていました。
LINEのサポートデスクの案内でMINT TRADINGの口座を開き、入金の後に設置するというシステムと仕事のサポートの話を受けながら、業者の名前のない個人名義の口座へ振り込んだことが被害につながった経緯です。続く章では、MINT TRADINGのサイトに書かれた情報を一つずつ確かめます。
【参考】
・MINT TRADING(https://mint-global.info/)
MINT TRADINGのライセンスのページに隠された一覧はXSの登録情報の写し

この章では、mint-global.infoの「ライセンス」のページを取り上げます。画面に出る英文の説明、ページのソースに隠された5社の一覧、その番号を正規のXSの公式サイトと、オーストラリア・キプロスの政府の登録情報で照らした結果を順に見ます。
画面に出るのはEC_Marketの監督を受けるという英文だけ
mint-global.infoのメニューから「ライセンス」を開くと、「金融規制」の見出しの下に英文の段落が1つあるだけです。段落は、運営が「EC_Market」というグループの中核の会社の監督を受け、取引のサーバーは「EMC_Trading」から導入したと説明しています。
▼金融規制の英文だけが並ぶライセンスのページ

出典:mint-global.info
ライセンスのページなのに、許認可の番号や運営会社の名前、所在地は画面のどこにも出てきません。トップページは「海外ライセンスにより最大1000倍」のレバレッジをうたっていますが、そのライセンスを画面の上で確かめる手がかりはありません。
セーシェルとオーストラリアの会社番号と住所がXSと同じ
ブラウザでページのソースを表示すると、画面に表示しない印(コメント)で囲まれた欄に、「グループ企業及びライセンス」の一覧が残っています。一覧には、セーシェル、オーストラリア、キプロス、マレーシアのラブアン、南アフリカの5社が「MINT TRADING」の名前で並んでいます。
▼隠された欄に残るセーシェルの会社番号と住所

出典:mint-global.info
セーシェルの「MINT TRADING Ltd」は、会社登録番号「8428765-1」、登録住所「F20, 1st Floor, Eden Plaza, Eden Island, Seychelles」、セーシェル金融サービス庁のライセンス番号「SD089」を持つと書かれています。
この番号と住所は、海外FX業者のXS(XS.com)の公式サイトの「Regulations」のページで、XS Ltdの会社番号・住所・ライセンス番号として載っているものと同じです。
セーシェル金融サービス庁の証券ディーラーの登録一覧を見ても、載っているのはXS LTD(ウェブサイトはwww.xs.com)で、MINT TRADINGの名前の業者はありません。
▼同じ会社番号と住所が載る正規のXSのページ

出典:XS
オーストラリアの「MINT TRADING Prime Ltd」の会社登録番号「141 194 934」と住所も、正規のXSのページのXS Prime Ltdと同じです。南アフリカの会社のライセンス番号「53199」も、XSのグループの南アフリカの会社の番号と一致します。
「www.MINT TRADING.com」はXSのアドレスを置き換えた跡
隠された欄のセーシェルの会社の説明は、「MINT TRADING Ltdは、www.MINT TRADING.com のウェブサイトを通じて」サービスと商品を提供すると結ばれています。名前の間に空白が入ったこのアドレスは、ウェブサイトのアドレスとしては使えない形です。
▼空白の入ったアドレスが残る隠された欄の説明

出典:mint-global.info
正規のXSのページの同じ位置には「XS Ltd operates under the website www.xs.com」とあります。「XS」を「MINT TRADING」に一括で置き換えたため、アドレスの「xs」まで置き換わったとみられ、一覧がXSの登録情報の写しであることを示す跡です。
オーストラリアの会社番号の持ち主はXS PRIME LTD
隠された欄には、「MINT TRADING Prime Ltd」がオーストラリア証券投資委員会(ASIC)のライセンス番号「374409」を持つとも書いてあります。この番号も、正規のXSのページでXS Prime Ltdのライセンス番号として載っているものです。
▼ASICのライセンス番号を名乗る隠された欄の説明

出典:mint-global.info
オーストラリア政府の事業者登録の検索「ABN Lookup」で、下9桁が会社番号のABN 92 141 194 934を開くと、登録名(Entity name)は「XS PRIME LTD」です。会社番号の持ち主はXSのグループの会社だとわかります。
▼会社番号の登録名がXS PRIME LTDと出る画面

出典:ABN Lookup
キプロスの登録番号は解散した別の会社のもの
キプロスの「MINT TRADING Markets Ltd」は、登録番号「HE 412202」、キプロス証券取引委員会(CySEC)のライセンス番号「412/22」を持つと書かれています。412/22は、正規のXSのページでXS Markets Ltdのライセンス番号として載っている番号です。
ところが、キプロス政府の会社登記の検索で登録番号412202を引くと、出てくるのは「DEEVA INVESTMENTS LIMITED」という別の会社で、状態は「Dissolved」(解散)でした。登録番号のほうは、MINT TRADINGの名前でも、XSの会社でもありません。
▼登録番号412202の会社名と解散を示すキプロスの登記

出典:キプロス政府 会社登記・知的財産局
XS自身は日本の居住者に向けたサイトではないと明記している
正規のXSのページは、事業体の一覧の後に「The entities above are duly authorized to operate under the XS brand and trademarks.」と書き、地域制限として米国・イラン・北朝鮮を挙げています。
隠された欄の「下記の事業体は、MINT TRADING及び商標の下で活動することを正式に許可されています。」と地域制限の文は、この英文を日本語にした形です。名前の「XS」が「MINT TRADING」に替わっています。
XSの免責事項は、続けてサイトの情報が日本の居住者などに向けたものではないと書いています。
Information on this website is not directed at residents in any country or jurisdiction where such distribution or use would be contrary to local law or regulation including but not limited to the United States, the European Union, Australia, Japan, and other restricted jurisdictions
日本語にすると「このウェブサイトの情報は、米国、欧州連合、オーストラリア、日本その他の制限された地域を含め、配布や利用が現地の法令に反する国・地域の居住者に向けたものではない」という意味です。
▼日本の居住者を対象外とする正規のXSの免責事項

出典:XS
隠された欄の免責事項は、この文から国名を並べた部分を除いた形で、「日本」の語がありません。なお、金融庁は令和6年9月、XS Ltdを「XS、XS.com」の名称で店頭デリバティブ取引を勧誘していた無登録の業者として、警告の対象に挙げています。
ここまでの照合で、mint-global.infoが正規のXSによって運営されていることを示す情報は確認できませんでした。ライセンスの番号が並んでいるのを見たら、当局や政府の登録簿でその番号を検索し、出てくる会社名とウェブサイトのアドレスが、開いているサイトと同じかまで確かめてください。
【参考】
・MINT TRADING-ライセンス(https://mint-global.info/license/index.html)
・XS-Regulations(https://www.xs.com/en/company/regulations/)
・オーストラリア政府 ABN Lookup-ABN 92 141 194 934
・セーシェル金融サービス庁-Capital Markets
・キプロス政府 会社登記・知的財産局-会社の検索
・金融庁-無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について
日本で勧誘しないとうたうMINT TRADINGが円の国内銀行送金を受け付ける

この章では、mint-global.infoが自ら掲げる免責事項と、日本の利用者に向けた作りを並べます。作りとして見るのは、口座開設の国の選択肢、入出金の方法、円建ての賞金の大会の3つです。最後に、実際に示された振込先の名義と照らし合わせます。
免責文は現地の規制に反する国での勧誘をしないと書く
トップページの最下部の免責事項は、「MINT TRADINGは、現地の法律や規制に違反するおそれのある国・地域では、金融サービスの勧誘とみなされる行為を一切行いません。」と書いています。
続く文は、サイトの情報は特定地域の居住者向けではないとし、英語以外の言語への翻訳も、特定の国や地域の居住者に金融サービスを勧誘する目的ではないと断っています。日本語の画面があっても、日本の居住者に向けたものではないという立場です。
▼規制に反する国で勧誘しないとするトップの免責事項

出典:mint-global.info
金融庁は、登録を受けずに日本の居住者に店頭デリバティブ取引を勧誘した海外の業者に警告を出し、名前を公表しています。前の章で見たXS Ltdも、その一覧に載っている業者です。
登録の国の一覧に日本があり入金は国内銀行送金
mint-global.infoは日本語の画面を備え、口座開設のページの「国」の選択肢にも日本があります。ページのソースを表示すると、選択肢の一覧の最後、台湾の次に「日本」が置かれています。
▼口座開設の国の選択肢の最後に置かれた日本

出典:mint-global.info
入出金のページは、入金の方法の1つ目に「国内銀行送金」を挙げ、最低1,000 JPY、最大10,000,000 JPY、対応通貨は「USD / JPY」としています。出金の方法も同じ条件の国内銀行送金で、日本の銀行から円で入金し、円で受け取る使い方を前提にした作りです。
▼円で1,000円から入金できるとする国内銀行送金の欄

出典:mint-global.info
SNSの投資家と組んだ円建ての賞金の大会を開いている
MINT TRADINGは、SNSで投資の情報を発信する人と組んだ取引の大会を、2026年6月から続けて開いています。大会ごとのページは日本語で書かれ、賞金は50万円から100万円の円建てです。
参加の条件は、2万円から10万円以上の入金と、主催する人の紹介を経由してMINT TRADINGの口座を開くことです。日本語で円の賞金を掲げ、入金を条件にして参加者を集める大会は、日本の居住者を相手にした勧誘とみられ、免責事項の「勧誘とみなされる行為を一切行いません」と食い違います。
相談者の振込先はMINT TRADINGの名義ではない
入出金のページは国内銀行送金の条件を示していますが、どの名義の口座へ振り込むのかは書かれていません。実際に示された振込先は、人材サポートの屋号を頭に付けた個人の名義でした。
その名義には、MINT TRADINGの名前も、前の章で見たライセンスのページのグループ会社の名前もありません。サイトの入金の方法と実際に示された口座が、名前の上でつながっていないということです。
海外FXの口座への入金として振込先を示されたら、口座の名義がサイトの会社名と同じかを、振り込む前に確かめてください。名義が個人や別の事業者なら振り込まず、弁護士や#9110など信頼できる第三者に相談することをおすすめします。
【参考】
・MINT TRADING(https://mint-global.info/)
・MINT TRADING-口座開設(https://mint-global.info/registration/index.html)
・MINT TRADING-入出金方法(https://mint-global.info/deposit/index.html)
・金融庁-無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について
MINT TRADINGの問い合わせ先と規約からは運営の実体が見えない

この章では、運営する会社にたどり着くための手がかりを、mint-global.infoの中で順に探します。見るのは、問い合わせ先、名乗っているグループの事業体の一覧、口座開設の規約、ドメインの取得日です。4つのどれからも、運営する会社の名前と所在地にはたどり着けませんでした。
会社名も連絡先も画面に出ずソースの中にだけある
mint-global.infoのどのページにも、運営する会社の名前、所在地、問い合わせのメールアドレスや電話番号は表示されません。画面の最下部にあるのは、ロゴとメニュー、前の章で見た免責事項などの文だけです。
ページの下部を作るプログラム(footer.js)のソースを表示すると、「金融規制」「MSB Registration Number」の番号と、メールアドレス、電話番号の3行が、画面に表示しない印(コメント)で囲まれて残っています。ライセンスの一覧と同じく、連絡先も隠された欄の中にしかありません。
▼メールと電話が隠された欄に残るフッターのソース

出典:mint-global.info
隠された欄のメールは売り出し中のドメインで電話は見本の番号
隠された欄のメールアドレスは「[email protected]」です。サイトのmint-global.infoとは別のドメインで、MINT TRADINGの名前をそのままアドレスにした形です。
minttrading.comをブラウザで開くと、「This domain may be for sale」(このドメインは売りに出されている可能性があります)と書かれた問い合わせのフォームが出るだけです。
▼問い合わせのメールのドメインに出る売り出しの画面

出典:minttrading.com
電話番号の「03-1234-5678」は、数字を並べただけの番号で、書式の見本によく使われる形です。メールも電話も、MINT TRADINGの窓口として実際に使われているとは考えにくい連絡先とみられます。
EC Marketsの事業体の一覧にMINT TRADINGはない
トップページの最下部には、MINT TRADINGは「EC_Market Group」の一員だとする英文が画面に出ています。ライセンスのページの英文も、このグループの中核の会社の監督を受けるとしていました。
正規のEC Markets(ecmarkets.com)は、「Regulations & Licences」のページの「ABOUT THE COMPANY」で、モーリシャス、英国、アラブ首長国連邦、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、セーシェルの7つの事業体を挙げています。
この一覧に、MINT TRADINGの名前はありません。ページ内で「MINT」の語を探しても、一致は0件です。名乗っているグループの側の公式の一覧に、名前が出てこないということです。
なお、EC Markets Limitedは、金融庁が令和7年5月に「EC Markets、EC マーケット」の名称で店頭デリバティブ取引を勧誘していた無登録の業者として、警告の対象に挙げています。
▼MINTの検索が0件の正規のEC Marketsの一覧

出典:EC Markets
口座開設のフォームに利用規約への同意の欄がない
口座開設のページの入力欄は、名前、国、電話番号、メールアドレス、パスワードの5つだけです。送信のボタンの近くに、利用規約や顧客契約に同意するためのチェックの欄はなく、ページ内を「規約」で検索しても0件です。
▼規約の検索が0件の口座開設の入力フォーム

出典:mint-global.info
メニューやページの下部にも、利用規約や顧客契約の文書へのリンクは見当たりません。海外FXの業者を名乗りながら、取引の条件や出金の決まりを定めた文書を示さないまま、口座を開かせて入金を受け付ける作りです。
10年の実績をうたうがmint-global.infoは2026年2月の取得
プラットフォームのページは、MINT TRADINGを「10年にわたる実績のあるグローバル・ブローカー」と紹介しています。複数の金融ライセンスと厳しい審査を通過したとも書いていますが、その会社名や番号は、このページにもありません。
▼10年にわたる実績をうたうプラットフォームのページ

出典:mint-global.info
ところが、ドメインの登録記録を照会すると、mint-global.infoの登録日(registration)は2026年2月20日となっています。サイトのアドレスは、取得されてから1年もたっていません。
Internet Archiveの保存版では、2023年の時点でこのアドレスは別の商品の販売ページで、MINT TRADINGの画面が保存されたのは2026年3月からでした。
▼登録日が2026年2月20日と出るRDAPの記録

出典:rdap.identitydigital.services
登録の状況とサイトの評価についても、調べた結果を挙げます。
- 金融庁の金融事業者一括検索で「MINT TRADING」「ミントトレーディング」「Mint証券」「EMC Trading」を調べると、どれも0件でした
- 金融庁の無登録業者の一覧にも、MINT TRADINGの名前は載っていません。ただし、掲載がないことが安全の根拠にはなりません
- Googleセーフブラウジングでは、mint-global.infoに危険の判定は出ていません。これも安全を示すものではありません
会社名・連絡先・規約のどれかが示されていないサイトに入金を求められたら、その場で入金を止めてください。連絡先や番号が見つかっても、本当にその会社のものかを、登録簿やドメインの持ち主で確かめることが大切です。
【参考】
・MINT TRADING(https://mint-global.info/)
・MINT TRADING-口座開設(https://mint-global.info/registration/index.html)
・MINT TRADING-プラットフォーム(https://mint-global.info/platform/index.html)
・minttrading.com(https://minttrading.com/)
・EC Markets-Regulations & Licences(https://www.ecmarkets.com/regulations-licences/)
・RDAP-mint-global.info(https://rdap.identitydigital.services/rdap/domain/mint-global.info)
・金融庁-金融事業者一括検索
・金融庁-無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について
・Google-セーフブラウジングのサイトステータス
ジョブサポートの申込ページは相場で報酬が変わるシステムを売っていた

この章では、「サポートデスク【会員様専用】」の窓口が案内した「ジョブサポート」の申込ページと、販売する事業者が掲げる特定商取引法に基づく表示を読みます。仕事のサポートという名前とは別に、何を売っているのかを見たうえで、自治体が注意を呼びかける手口と照らし合わせます。
確認事項に書かれているのは仕事ではなくシステムの報酬
ジョブサポートの申込ページには、フリーコースからアドバンスコースまでのプランを選ぶ欄と、申し込む人が同意する「確認事項」が並んでいます。確認事項は、仕事の内容ではなく、販売する事業者の「システム」と、そのシステムで得る「報酬」を前提に書かれています。
確認事項は、申し込む人に、システムやサポートの内容を他人に明かさないことや、システムを使って得た報酬を暴力団の資金源に使わないことを約束させています。そのうえで、システムで得られる報酬の額は相場の状況や取り組み方によって変わると理解した、という項目にも同意させています。
報酬の額が相場によって変わるシステムは、決まった作業に対して代金が支払われる仕事とは違います。相場の上がり下がりで成果が変わる、投資の道具に近い中身とみられます。
販売の表示はデジタルコンテンツで返品と返金を受けない
申込ページからたどれる特定商取引法に基づく表示は、商品を情報やデジタルコンテンツと位置づけ、その性質を理由に、データが破損した場合を除いて返品と返金を受けないと定めています。
一方で、返金保証の注意書きは、販売するシステムを正しく使っても収益が1円未満だった人に限って電子書籍の代金を返すとし、その審査にはシステムの管理画面へのログインの状況が分かる資料を求めています。売っているのは、電子書籍とシステムの組み合わせとみられます。
なお、MINT TRADINGの案内でも、相手は入金の後にシステムを設置すると伝えていました。このシステムとジョブサポートのシステムが同じものかは、事案の資料からは確かめられません。分かっているのは、同じ表示名の窓口が両方を案内していたことです。
自動売買ツールと海外の業者の口座を組にする勧誘への注意
堺市の消費生活センターは、副業を探していた人がSNSで「FX自動売買ツール」を勧められ、ツールを買ったうえで、勧められた海外の金融業者に口座を開いた相談事例を紹介しています。
画面上の利益を見て資金を追加したものの、精算しようとすると「決済が完了していない」「システム障害が発生している」などと言われ、出金できないまま、最後は業者とも連絡が取れなくなったという内容です。
▼自動売買ツールの販売に注意を促す堺市の相談事例

出典:堺市
(前略)
これに対して「初心者でもソフト任せでカンタンにもうかる。」というセールストークで、”自動売買ツール”といったソフトを販売する手法が悪質商法・詐欺で多用されています。ソフトの操作自体は容易なので自分で取引できている気になりますが、そもそも取引自体が架空なこともあります。
(後略)
これらの注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、仕事の名前でシステムを売り、同時に海外の業者の口座への入金を案内する組み立ては、この事例と重なります。
システムの購入と口座への入金を同じ相手から勧められたら、どちらにも支払う前に、販売する事業者の実体と、口座を開く業者が金融庁の登録を受けているかを確かめてください。
【参考】
・堺市-「FX自動売買ツールで必ずもうかる」って本当ですか?
ソースに隠された番号と連絡先も発行元の記録でたどる

MINT TRADINGの会社番号やライセンス番号、問い合わせ先は、画面ではなくページのソースの中にあり、たどるとどれも別の会社のものや、使われていない連絡先でした。海外FXを名乗るサイトで同じことを確かめられるよう、番号と連絡先ごとに持ち主を調べる先を挙げます。
- 許認可の番号の置き場所:画面のどこにも番号がなければ、それ自体が手がかりです。パソコンのブラウザで「ページのソースを表示」を開き、「license」や「登録番号」で検索すると、画面に出ない欄に番号が残っていることがあります
- 会社番号の持ち主:オーストラリアならABN Lookup、キプロスなら政府の会社登記の検索に番号を入れ、出てくる社名がサイトの名前と同じかを見ます
- ライセンス番号の登録先:当局の登録簿で番号の業者を開き、載っているウェブサイトのアドレスが、いま開いているサイトと同じかを見ます
- メールのドメインと電話番号の持ち主:メールアドレスの「@」の後ろのドメインをブラウザで開き、電話番号も検索します。売り出し中のドメインや見本の番号なら、窓口として使われていないとみられます
- 日本での登録の有無:金融庁の金融事業者一括検索で、サイトの名前と、名乗る会社の名前を調べます。無登録業者の一覧に載っていないことは、安全の根拠になりません
- 振込先の口座の名義:入金の案内で示された口座の名義が、サイトの会社名と同じかを振り込む前に見ます
どれか一つでも持ち主が食い違えば、そのサイトに書かれた許認可や会社は、運営の実体を示すものではないとみられます。入金を止め、案内の画面ややり取りを残したうえで、弁護士や#9110など信頼できる第三者に相談してください。
【参考】
・オーストラリア政府 ABN Lookup
・キプロス政府 会社登記・知的財産局-会社の検索
・セーシェル金融サービス庁-Capital Markets
・金融庁-金融事業者一括検索
・金融庁-無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について
・政府広報オンライン-警察に相談したいときは警察相談専用電話 「#9110」番へ
MINT TRADINGの名前で見つかるのは大会の宣伝と出金を巡る口コミ

この章では、MINT TRADINGの名前で見つかる口コミを取り上げます。名前で探したときに先に並ぶもの、Xでの出金を巡るやり取り、掲示板の爆サイの書き込みの順に見て、書き込みの中身をサイトの作りと照らし合わせます。
名前で探すとトレカの店と大会の宣伝が先に出る
Yahoo!知恵袋で「ミントトレーディング」と調べると、出てくる質問はトレーディングカードの専門店「MINT」に関するものばかりです。「Mint証券」で調べても、並ぶのは造幣局についての質問でした。
Xでは、2026年3月に作られたMINT TRADINGの公式アカウントが、SNSで投資の情報を発信する人と組んだ大会や、紹介者の募集を繰り返し投稿しています。名前の同じ別の店と、公式や大会の宣伝が検索の上位を占めるため、出金に困った人の声は埋もれやすくなっています。
相談者が案内を受けたLINEの「サポートデスク【会員様専用】」や「ジョブサポート」の名前でも探しましたが、知恵袋・X・掲示板のいずれにも、本件と同じ型の書き込みは見つかりませんでした。2026年11月5日の時点で、知恵袋で「MINT TRADING 出金」と調べた結果も0件です。
出金拒否を訴える返信と公式の反論
2026年6月10日、MINT TRADINGの公式アカウントが投稿した大会の告知に、別のアカウントが次のように返信しています。
普通に出金拒否される
詐欺業者なので入金はやめたほうがいい
(後略)
同じ日の夜、公式アカウントは出金の拒否を否定し、困っている利用者には詳細をサポートに示すよう求める返信をしています。
出金拒否とのご指摘ですが、事実と異なる内容です。
(後略)
返信の投稿者が自分で出金を拒まれたのか、どちらの言い分が正しいのかは、投稿からは確かめられません。ただ、問い合わせ先を調べた章で見たとおり、サイトに残る連絡先は売り出し中のドメインのメールと見本の電話番号で、しかも画面には表示されていません。
爆サイのボーナスの出金の書き込みとサイトにない決まり
掲示板の爆サイには、2026年5月27日に「MINT trading (FX詐欺業者)」と題した書き込みがあります。いつ出金できるかをメールで問い合わせたところ、次の返答があったという内容です。
確認したところこちらの出金は口座開設ボーナスででた利益の出金になります
ボーナスの出金はウォレット内でしか出金ができません
入金をして取引のブーストとしてご活用して頂くものになります
ご理解のほどよろしくお願いします
▼出金はウォレット内だけと返されたという爆サイの書き込み

出典:爆サイ.com
返答は、口座開設のボーナスで出た利益は外に出金できないという決まりを前提にしています。ところが、mint-global.infoの「キャンペーン」のページで画面に出るのは、「現在キャンペーンはございません。」の一文だけです。
ページのソースを表示すると、「KYC完了特典ウェルカムボーナス」として5,000円分のクレジットを案内する欄が、画面に表示しない印で囲まれて残っています。Internet Archiveの2026年4月27日の保存版でも、この欄はすでに隠されていました。
▼ボーナスの欄が隠されたキャンペーンのページのソース

出典:mint-global.info
ボーナスの出金の決まりを定めた規約は、サイトのどこにもありません。担当者がメールやLINEでボーナスや出金の条件を説明してきたら、その決まりがサイトの規約のどこに書かれているかを示してもらい、示されなければそれ以上の入金をしないでください。
【参考】
・MINT TRADING-キャンペーン(https://mint-global.info/campaign/index.html)
・MINT TRADING公式X-2026年6月10日の返信(https://x.com/mint_trading_fx/status/2064680556198273210)
・爆サイ.com-FX業者情報(東京版 FX・為替・投信)2026年5月27日の書き込み(https://bakusai.com/thr_res_show/acode=3/ctgid=100/bid=4342/tid=11826390/rrid=21/)
MINT TRADINGへの入金とサポート代を取り戻せる可能性

MINT TRADINGへの入金は業者の名前のない口座へ振り込まれ、同じ窓口が案内したジョブサポートは、販売する事業者の確認事項に同意する形で申し込まれました。振り込んだお金を取り戻せる可能性を考えるとき、相談者の立場からは次の3つの疑問が出てきます。
- 業者の名前でない口座への振込でも、口座を止めてもらえるのか
- 入金とサポートの代金を、誰にどう請求すればよいのか
- 断定的な説明は受けていないという項目にチェックを入れたサポートの代金は、もう取り戻せないのか
最初の疑問から順に、使える制度と相談する先を見ていきます。どの疑問でも、振込の控えとLINEのやり取りの画面が出発点になるので、消さずに手元に残しておいてください。
振込先が業者の名前でないことを金融機関と警察に伝える
振り込め詐欺救済法は、金融機関が、捜査機関などからの口座の不正な利用についての情報の提供などをもとに、犯罪に使われた疑いがある口座だと認めたときは、その口座の取引を止める措置をとると定めています(第3条)。
金融機関や警察に伝えるときは、振込先の名義が人材サポートの屋号を付けた個人の名前で、MINT TRADINGの名前もライセンスのページの会社の名前もないことをはっきり伝えてください。海外FXの入金として示された口座だったことが、口座の不正な利用を説明する材料になります。
連絡する先は、振込元の金融機関と警察相談専用電話の#9110です。振込の控え、LINEで送られてきた口座開設とログインの案内、mint-global.infoのアドレスをそろえておきます。取引が止まった時点で口座に残高があれば、後の手続きで、振り込んだ額に応じた分配を受けられる可能性が残ります。
入金とサポートの代金をまとめて名義人に請求するには
ライセンスのページに隠されていた会社は、XSのグループの会社や、キプロスで解散した会社でした。MINT TRADINGの運営者だと確かめられた会社はなく、返金を求める相手にはなりません。振り込んだお金が実際に入ったのは、屋号の付いた個人名義の口座です。
ただ、振込の控えに出るのは屋号と名前だけで、名義人の住所や、MINT TRADINGの運営やジョブサポートの販売とのつながりは分かりません。個人の側から名義人を特定し、請求の相手を確かめるのは難しいのが実情です。
依頼を受けた弁護士なら、所属する弁護士会から振込先の金融機関へ照会を出し(弁護士法第23条の2)、名義人の住所や氏名の回答を得られる場合があります。個人の側からは見えない請求の相手を、この手続きで確かめられることがあります。
名義人が分かれば、MINT TRADINGへの入金として振り込んだお金と、ジョブサポートの代金を、それぞれの根拠に分けたうえで、まとめて返還を求める請求に組み立てられます。
サポートの代金は勧誘の説明しだいで取り消せる場合がある
ジョブサポートの申込ページの確認事項には、確実にもうかるといった断定的な説明は受けていないと、申し込む人に認めさせる項目があります。申し込む人は、すべての項目にチェックを入れるよう求められます。
一方、消費者契約法第4条第1項第2号は、事業者が勧誘の際に、将来の変動が不確実な事項について断定的な判断を示し、消費者がそれを確実だと誤って信じて申し込んだときは、申込みを取り消せると定めています。相場によって報酬額が変わるシステムは、将来の変動が不確実なものです。
チェックを入れたことだけで、実際にどんな説明を受けたかが決まるわけではありません。LINEで、仕事を始めてから収益が出るまでサポートすると伝えられた中身が、確実にもうかるかのような説明だった場合には取り消せる場合があります。
取消しには、追認をすることができる時から1年などの期限があります(第7条)。LINEのやり取りは、どんな説明を受けたかを示す記録になります。サポートの説明を受けたトークは、消さずに残しておくことが大切です。
入金とサポートの代金のどちらをどの根拠で取り戻すかは、勧誘の中身や振込の時期によって変わります。迷ったら取消しの期限が過ぎる前に、早めに専門家に相談することをおすすめします。
【参考】
・e-Gov法令検索-犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律
・e-Gov法令検索-消費者契約法
・e-Gov法令検索-弁護士法
・政府広報オンライン-警察に相談したいときは警察相談専用電話 「#9110」番へ
