AJIF ONE(ajifone.com)で株式投資詐欺の被害あり!約款もAI取引も中身が違う取引サイト

AJIF ONE(ajifone.com)は、「機関投資家向けのサービスに特化」した証券会社のように自らを紹介する株式投資の取引サイトです。相談者はこのサイトで取引や利益を確かめるよう案内され、相手方が指定した銀行の口座へお金を送っています。

ところが、登録で同意を求められる「AJIF ONE 証券取引約款(サンプル)」を開くと、出てくるのは株券の画像と米国ケンタッキー州の証明書だけでした。証明書の番号を州の照会画面に入れると、別の会社「TONGYI Ltd.」の証明書と表示されます。

ログイン後の「AI取引」は運営が申込を承認するか却下する画面で、「株式預託取引」の中身は利率で残高を増やす預け入れでした。同じ「AJIF」の名前の選考会のサイトは、取引サイトの前日に用意されています。

AJIF ONEが示す書類と画面の中身を、ケンタッキー州の記録や金融庁の検索結果と1つずつ照らし合わせて弁護士が解説します。書類の会社ではなく振込先の口座から取り戻しを考える理由と、その手続きも最後の章でお伝えします。

AJIF ONEで株式投資を始め相手方の口座へ振り込むまで

案内から振込まで。招待コードが登録に必要。指定口座の名義は別の名前。振込後に凍結の話が出た。事案名「AJIF ONE(ajifone.com)」を右上に示す説明図。

この章では、相談者が株式投資の取引サイトとしてAJIF ONE(ajifone.com)のアドレスを案内され、相手方が指定した口座へ振り込むまでをたどります。あわせて、相談者がこのサイトをどのような画面として見ていたのかをログイン画面の表示から確かめます。

株式投資の取引サイトとしてAJIF ONEのアドレスを案内された

相談者が株式投資の取引や利益の確認に使うサイトとして案内されたのは、「https://ajifone.com/auth/beforeLogin」というアドレスです。開いた画面では、ブラウザ最上部のタブの題名も、画面の中の名前も「AJIF ONE」です。

▼「AJIF ONE」を名乗るタブとログイン画面

ajifone-「AJIF ONE」を名乗るタブとログイン画面

出典:ajifone.com

ログインする前に見られるのは、この画面と新規登録の画面の2つに限られます。サイトをスマートフォンのホーム画面に追加したときに使われる説明文には、「AJIF  ONE証券は機関投資家向けのサービスに特化しています。」と書かれており、AJIF ONEは自らを証券会社のように紹介しています。

新規登録の画面には招待コードの欄があり、サイトの設定でもコードの入力が必須になっています。招待コードを受け取っていない人は、口座を開くこともできません。登録の画面で目に入る名前は「AJIF ONE」だけで、運営する会社の名前は出てきません。

相手方が指定した口座へ振り込んだ後に凍結の話になった

振込に使われたのは、相手方が指定した銀行の口座です。その口座の名義は、AJIF ONEとは別の名前でした。相談の記録には、その後に凍結についての話が出たことも残っています。

株式投資の取引サイトとしてAJIF ONEのアドレスを案内され、画面で取引や利益を確かめながら、相手方の指定した口座へ振り込んだことが被害につながった経緯です。

相談者は、後の章で取り上げる「2026 AJIF オータム・ハーベスト・プログラム」という選考会のサイトの名前にも、見覚えがあるとのことです。次の章では、AJIF ONEの新規登録で同意を求められる「証券取引約款」が、実際にはどのような書類なのかを確かめます。

【参考】
・AJIF ONE(https://ajifone.com/auth/beforeLogin)
・AJIF ONE-新規登録(https://ajifone.com/auth/register)

AJIF ONEの「証券取引約款」を開くと株券と登記の証明書が出る

約款リンクの中身。約款名に「サンプル」。取引条件や手数料の文書がない。株券内でも株数が食い違う。事案名「AJIF ONE(ajifone.com)」を右上に示す説明図。

AJIF ONEで口座を開くには、新規登録の画面で「証券取引約款」への同意を求められます。この章では、その約款の名前、リンクを押すと開く画面、そこに表示される株券の画像の3つを順に見ていきます。

登録には「AJIF ONE 証券取引約款(サンプル)」への同意が要る

新規登録の画面のいちばん下には、同意の印を付ける丸と次の一文が並んでいます。

新規登録には、AJIF ONE 証券取引約款(サンプル) への同意が必要です。

▼「サンプル」と付いた約款への同意を求める登録画面

ajifone-「サンプル」と付いた約款への同意を求める登録画面

出典:ajifone.com

約款は、口座を開く人と証券会社との間の取引の決まりを定める文書です。ところが、AJIF ONEが同意を求める約款の名前には、見本を意味する「(サンプル)」が付いたままになっています。

プログラムを調べたところ、同意の印を付けないまま「登録」を押すと、登録の処理には進まない作りでした。利用者は、見本と名の付いた約款に同意しなければ口座を開けません。

リンクの先に取引の条件や手数料を書いた文書はない

約款の名前は色の違う文字で表示されていて、押すと「契約」という見出しの画面が開きます。この画面に並んでいたのは、上に株券の画像、下に米国のケンタッキー州の役所が出したとする証明書の2枚の書類でした。

▼約款のリンクで開く「契約」の画面に並ぶ株券と証明書

ajifone-約款のリンクで開く「契約」の画面に並ぶ株券と証明書

出典:ajifone.com

画面を下まで確認しても、取引の方法、手数料、出金の手続き、トラブルのときの扱いを書いた文書は出てきません。設定のデータとあわせて調べると、「契約」の画面が読み込む書類は、株券の画像と証明書の2つのPDFだけに決められていました。

取引の条件が書かれた約款がないまま、同意だけを求めていることになります。お金を預ける前に、同意を求められた約款のリンク先を開き、手数料や出金の決まりが書かれているかを自分の目で確かめることが大切です。

株券はニューヨーク州の会社として作られている

上に並んでいた株券の画像には、会社名「AJIF ONE Ltd.」の上に、どの州の法律で設立された会社かが書かれています。

INCORPORATED UNDER THE LAWS OF THE STATE OF New York

日本語にすると「ニューヨーク州の法律に基づいて設立された」という意味です。一方、下に並ぶ証明書は、AJIF ONE Ltd.をケンタッキー州の会社としています。同じ画面に並ぶ2枚の書類で、会社が設立された州が食い違っています。

▼ニューヨーク州の会社とするAJIF ONE Ltd.の株券

ajifone-ニューヨーク州の会社とするAJIF ONE Ltd.の株券

出典:agreement.ajifone.com

株券には、発行できる株の数が「AUTHORIZED TO ISSUE 1000」(1000株)と書かれています。ところが、その下では1人の個人を「one hundred thousand」、つまり10万株の持ち主としています。日付は「5 October 2026」(2026年10月5日)です。

発行できる数の100倍にあたる株を1人が持つという記載は、株券の中の数字どうしがかみ合っていません。次の章では、下に並んでいたケンタッキー州の証明書の番号を州の記録で確かめます。

【参考】
・AJIF ONE-新規登録(https://ajifone.com/auth/register)
・AJIF ONE-契約(https://ajifone.com/mine/xieyi?type=agreement)
・AJIF ONE-株券のPDF(https://agreement.ajifone.com/stock_compressed.pdf)

証明書の番号はケンタッキー州の記録ではTONGYI Ltd.のもの

証明書番号の照会先が違う。番号の照会結果は別会社。本人の州登録には別の番号。州の登記だけでは日本での登録を示さない。事案名「AJIF ONE(ajifone.com)」を右上に示す説明図。

前の章で見た「契約」の画面の下の書類は、米国ケンタッキー州の州務長官(州の会社の登記を扱う役所)が出したとする証明書です。この章では、証明書の末尾にある番号を州の照会画面に入れた結果と、州に登録された会社の記録を並べ、最後に日本で株を扱うために必要な登録を確かめます。

証明書の末尾の番号は州の照会画面で確かめられる

証明書は「Certificate of Existence」(会社が存続していることの証明書)という題で、AJIF ONE Ltd.について次のように書いています。

AJIF ONE Ltd. is a corporation duly incorporated and existing under KRS Chapter 14A and KRS Chapter 271B, whose date  of incorporation is October 7, 2026 and whose period of duration is perpetual.

日本語に訳すと「AJIF ONE Ltd.はケンタッキー州の法律に基づいて設立され存続している会社で、設立日は2026年10月7日」という意味です。署名の下には、「379226/1632923」という番号が小さく印字されています。

▼AJIF ONE Ltd.の設立日と番号が書かれた証明書

ajifone-AJIF ONE Ltd.の設立日と番号が書かれた証明書

出典:agreement.ajifone.com

ケンタッキー州務長官のサイトには、州が出した証明書が本物かを番号で確かめられる「Validate Certificate of Existence/Authorization」という照会画面があります。番号を入れると、その番号で証明書を出した会社の名前と日付が表示されます。

照会すると出てくるのは「TONGYI Ltd.」の証明書

照会画面に「379226」を入れると、証明書の日付(Certificate Date)は「9/16/2026」、会社(Company)は「TONGYI Ltd.」と表示されました。AJIF ONE Ltd.ではなく、別の会社の証明書の番号です。

▼番号379226の照会で出るTONGYI Ltd.の証明書

ajifone-番号379226の照会で出るTONGYI Ltd.の証明書

出典:ケンタッキー州務長官

番号の後半の「1632923」も、州の会社の検索(Business Entity Search)では、2026年9月16日に設立されたTONGYI Ltd.の組織番号でした。証明書の日付と設立日がそろっていることから、TONGYI Ltd.が設立の日に受け取った証明書の番号とみられます。

▼組織番号1632923はTONGYI Ltd.のもの

ajifone-組織番号1632923はTONGYI Ltd.のもの

出典:ケンタッキー州務長官

サイトの証明書のPDFは、文書のプロパティでは作成日時が2026年9月16日で、更新が10月8日です。TONGYI Ltd.の証明書の日付と作成日時が重なることから、別の会社の証明書の社名と日付を書き換えたものとみられます。

本物のAJIF ONE Ltd.は10月7日の設立で番号が違う

州の記録には、AJIF ONE Ltd.という名前の会社も登録されています。組織番号は「1642127」、設立日は2026年10月7日、本社の住所はニューヨークです。証明書に印字された番号とは一致せず、州の記録の上でも、TONGYI Ltd.とは別の会社です。

▼10月7日に設立されたAJIF ONE Ltd.の記録

ajifone-10月7日に設立されたAJIF ONE Ltd.の記録

出典:ケンタッキー州務長官

この会社の設立は、取引サイトのアドレスajifone.comが取得された2026年10月2日の5日後です。州の書類を受け取る登録代理人は、TONGYI Ltd.と同じ会社でした。州に会社が登録されていることは、その会社が日本で株の取引を扱えることを意味しません。

米国の州の会社でも日本の居住者に株を売るには登録が要る

日本で株の売買の取次ぎなどを業として行うには、金融商品取引法の登録を受けなければなりません。海外の証券会社についても、同じ法律が次のように定めています。

第五十八条の二 外国証券業者は、国内にある者を相手方として第二十八条第八項各号に掲げる行為を行つてはならない。
(後略)

第二十八条第八項の各号には、有価証券の売買やその取次ぎなどが並んでいます。2026年11月4日の時点で、金融庁の金融事業者一括検索に「AJIF」「AJIF ONE」「エイジフ」と入れても、登録を受けた業者は出てきません。

米国の州の証明書を示されても、それだけでは日本で株を扱える業者かどうかは分かりません。お金を預ける前には、相手の会社名で金融庁の一括検索を引き、登録の番号が出るかを見ておくことが欠かせません。

【参考】
・AJIF ONE-証明書のPDF(https://agreement.ajifone.com/register.pdf)
・Kentucky Secretary of State-Validate Certificate of Existence/Authorization
・Kentucky Secretary of State-TONGYI Ltd.
・Kentucky Secretary of State-AJIF ONE Ltd.
・e-Gov法令検索-金融商品取引法
・金融庁-金融事業者一括検索

「AI取引」も「株式預託取引」も名前と中身が合わない

取引名と機能のずれ。AI判断の処理は見当たらない。預託画面に銘柄欄がない。設定先のPDFは別会社名。事案名「AJIF ONE(ajifone.com)」を右上に示す説明図。

AJIF ONEのログイン後の画面には、「AI取引」「株式預託取引」といった名前の取引が並びます。どちらもログインの後でしか開けない画面なので、ここからはプログラムそのものを取得して確認したものです。この章では、2つの取引の画面の中身と、サイトの設定が指すほかの書類を見ていきます。

AI取引は申し込んだ株数を運営が承認するか却下する画面

「AI取引」の画面には、銘柄と「価格」の一覧が並びます。利用者は銘柄を選んで「購入したい株数を入力してください。」の欄に株数を入れ、「提出」を押します。入力した株数に応じて、「買付価格」と「申込金額」も表示されます。

提出した後の「申請リスト」では、申込ごとの状態が「審査中」「承認済み」「却下済み」の3つで表示されます。画面に出す言葉を言語ごとに置き換えるための一覧にも、「AI取引」の名前とこれらの状態が日本語で並んでいます。

▼「AI取引」と審査の状態が並ぶ画面の言葉の一覧

ajifone-「AI取引」と審査の状態が並ぶ画面の言葉の一覧

出典:ajifone.com

申込の株数とは別に「約定株数」の欄があり、実際に買えた株数はサーバーから届く数字がそのまま表示されます。画面のプログラムには、AIが相場を読んで売買を判断する処理は見当たりませんでした。株を買えるかどうかは、運営側の審査で決まる作りです。

この画面のアドレスは、プログラムの中では「/trade/insiderTrade」と名付けられています。インサイダー取引(内部の者の取引)を意味する英語の名前の画面を、日本語では「AI取引」と呼んで見せていることになります。

株式預託取引の中身は日々の利率で増える預け入れ

「株式預託取引」の画面は、株を預けて増やす取引のような名前です。ところが、画面に並ぶ項目は「当日収益(%)」「投資サイクル」「最低投資額」「最高投資額」「予想日次収益」「予想総収益」「満期」「早期終了」で、銘柄の名前を表示する欄がありません。

▼「株式預託取引」の画面に並ぶlixibaoの項目

ajifone-「株式預託取引」の画面に並ぶlixibaoの項目

出典:ajifone.com

この画面のプログラムでは、残高や収益の項目が「lixibao」という名前で扱われています。中国語の「利息宝」をローマ字で書いた名前とみられ、利息が付く預け入れを思わせる名前です。満期の前にやめる「早期終了」も、できるかどうかはサーバーが返す値で決まります。

画面の名前に「株式」と付いていても、中身は株の売買ではなく、サーバーから届く利率で画面の残高の数字を増やして見せる作りとみられます。預けたお金が実際にどこで運用されているのかは、画面からもプログラムからも分かりません。

ほかの書類の欄には別の会社の会社紹介と方針が入っている

サイトの設定には、書類のファイルの置き場所を並べたデータがあり、ログインしなくても読めます。前の章までに見た株券(privacy)と証明書(agreement)のほかに、本人確認の同意(real_name_protocol)、会社の紹介(about)、会社の概要(company)の欄がありました。

▼書類の置き場所を並べたAJIF ONEの設定のデータ

ajifone-書類の置き場所を並べたAJIF ONEの設定のデータ

出典:ajifone.com

後の3つの欄が指すPDFは、どれも別の会社「Future Star Financial Assets Management Inc」の文書でした。会社の概要は、米国の投資顧問業者としての登録などをうたう同社の紹介文です。

3つのPDFのどれにも、AJIF ONEの名前は出てきません。文書のプロパティで見るPDFの作成日は2025年5月で、取引サイトのアドレスajifone.comが取得される1年以上前に作られた文書です。

▼別の会社の名前で始まる会社概要のPDF

ajifone-別の会社の名前で始まる会社概要のPDF

出典:stock-agreement.ebag8.com

ログインの後、これらの書類を開くボタンがどの画面にあるのかまでは分かっていません。それでも、AJIF ONEの会社紹介として用意された欄に、別の会社の文書が入っていることは設定のデータから読み取れます。

取引サイトが示す会社紹介や方針を読むときは、文書の1行目に出てくる会社名とサイトの名前を見比べてください。それだけでも、別の会社の書類をそのまま使っているかどうかに気づけます。

【参考】
・AJIF ONE-設定のデータ(https://ajifone.com/gzgjk/setting/userAgreement)
・AJIF ONE-画面に出す言葉の一覧(https://ajifone.com/_nuxt/DB8i-KVA.js)
・AJIF ONE-株式預託取引の画面のプログラム(https://ajifone.com/_nuxt/CvkaQwRV.js)
・Future Star Financial Assets Management Inc-会社概要(https://stock-agreement.ebag8.com/company.pdf)

同じ名前の選考会のサイトは取引サイトの前日に作られた

選考会が先に準備された。二つのアドレスは1日違い。参加にはLINEログインが必要。利益の15%を手数料とする問い。事案名「AJIF ONE(ajifone.com)」を右上に示す説明図。

「AJIF」の名前は、取引サイトとは別のアドレスajif.oneでも使われています。「2026 AJIF オータム・ハーベスト・プログラム 選考会」という、投資家を選ぶ催しのサイトです。

選考会の名前については、相談者にも見覚えがあるとのことです。この章では、選考会のサイトの作り、アンケートが求める同意、アドレスが取得された日付、データに残る文の4つを見ていきます。

選考会のサイトは投票と抽選とアンケートでLINEへ誘う作り

ajif.oneを開くと、ブラウザ最上部のタブに「2026 AJIF オータム・ハーベスト・プログラム 選考会」と表示されます。メニューには「大会概要」「会社概要」「AJIF主要メンバー」「抽選」「参加申請」が並び、最初に開くのは参加者アンケートの画面です。

▼ajif.oneの選考会の参加者アンケートの画面

ajifone-ajif.oneの選考会の参加者アンケートの画面

出典:ajif.one

アンケートの記入項目は、氏名・年齢・LINE名・希望投資金額・投資経験・メールアドレスです。希望投資金額の選択肢は5つで、いちばん少ないものが「10万~50万円」、いちばん多いものが「1000万円以上」です。サイトのデータでは、アナリストを名乗る7人への投票や、景品が当たる抽選にも参加できます。

ただし、アンケートの送信・投票・抽選は、どれもログインしないとできない設定です。抽選の画面には、「LINEログイン後に抽選概要・抽選コード・当選結果が同期されます。」と表示されます。催しへの参加が、LINEでのつながりを前提に組み立てられています。

アンケートは利益の15%を手数料として払う同意を求める

アンケートの最初には、4つの条件に「同意する」か「同意しない」かを選ぶ問いが並びます。1問目は、共同取引に参加する条件として、指示どおりに操作することを求めています。

当クラブが提携企業と短期共同取引を実施する際、参加者は事前に定められた取引ルールを厳守し、指示に従って操作を行う必要があり、これが参加条件の一つとなります。 今後継続して参加する場合、ルール違反が認められた際には参加資格を取り消す場合がございます。 上記条件に同意されますか?

2問目は、利益が出たときに、その一部を手数料として払うことへの同意です。

共同取引において所定の条件を達成し利益が発生した場合、得られた利益の15%を共同手数料として徴収いたします。当該手数料はクラブ運営費および戦略保守費用に充てられます。 上記条件に同意されますか?

▼指示どおりの操作と利益の15%の手数料を求める問い

ajifone-指示どおりの操作と利益の15%の手数料を求める問い

出典:ajif.one

アンケートの説明文には、「資産運用口座に預け入れた資金は税務機関・銀行による監督を受け、銀行の保障制度の適用を受けます。」とも書かれています。指示どおりの取引と利益からの手数料に、預けたお金は守られるという説明が組み合わされています。

選考会と取引サイトのアドレスは1日違いで取得された

登録情報を公開するRDAPで調べると、ajif.oneが取得されたのは2026年10月1日19時54分(日本時間)、取引サイトのajifone.comは翌日の10月2日18時58分(日本時間)でした。2つのアドレスは、同じ名前を使いながら1日違いで取得されています。

▼ajifone.comとajif.oneの登録日時

ajifone-ajifone.comとajif.oneの登録日時

出典:rdap.verisign.com、rdap.nic.one

選考会のサイトのデータでは、アンケートが公開されたのは10月2日16時21分で、取引サイトのアドレスが取得される約2時間半前です。データの上でも、選考会の催しが取引サイトより先に準備されていたことになります。

2つのアドレスは、ドメインの名前を管理する仕組み(ネームサーバー)も同じ組み合わせを使っていました。選考会と取引サイトは、同じ時期に同じ名前で用意されたものとみられます。

アンケートのデータに大手運用会社との提携の文が残る

選考会のサイトが読み込むアンケートのデータには、画面とは違う説明文が残っていました。画面では「AJIF資産管理口座」の申込として案内されている部分が、データでは実在の大手資産運用会社との提携をうたう文になっています。

本プランは[資産運用会社名]との提携期間限定の特別な機会となります。

データには、このアンケートが別のアンケートを写して作られたことを示す項目もありました。以前の案内に入っていた会社名が、差し替えられずにデータの中だけに残っているとみられます。実在の会社との提携をうたう案内を受けたら、その会社の公式サイトの問い合わせ窓口で、提携が本当にあるかを確かめてください。

【参考】
・2026 AJIF オータム・ハーベスト・プログラム 選考会(https://ajif.one/)
・2026 AJIF オータム・ハーベスト・プログラム 選考会-抽選(https://ajif.one/awards.html)
・ajifone.com-RDAP(https://rdap.verisign.com/com/v1/domain/ajifone.com)
・ajif.one-RDAP(https://rdap.nic.one/domain/ajif.one)

書類の名前と番号をたどってAJIF ONEのような取引サイトを見抜く

お金を預ける前の照合。書類の名前と番号を確かめる。発行元と金融庁の記録を見る。名義が違えば振込を止める。事案名「AJIF ONE(ajifone.com)」を右上に示す説明図。

AJIF ONEは、約款の名前、株券や証明書、会社の紹介文と、取引サイトらしく見える書類をそろえていました。ところが、書類に書かれた名前や番号を、それを出したはずの役所の記録に戻して確かめると、どれも食い違いが見つかります。

似たサイトに誘われたときは、次の5つを書類を受け取る順に確かめてください。

  • 約款の名前:登録の画面で同意を求められる約款に「(サンプル)」「(例)」と付いていたら、リンクを押して中身を開きます。取引の方法・手数料・出金の決まりが書かれていなければ、同意する前に手を止めます
  • 書類の会社の名前:株券・証明書・会社の紹介文に出てくる会社名が、サイトの名前と同じかを見ます。書類どうしで、設立した州や会社の名前が食い違っていないかも並べて確かめます
  • 証明書の番号:米国の州が出したとする証明書には、末尾に番号が印字されています。州の役所の照会画面にその番号を入れ、表示される会社の名前と日付が書類と一致するかを確かめます
  • 日本での登録の番号:海外の会社でも、日本に住む人に株を売るには金融庁の登録が要ります。金融庁の金融事業者一括検索に、英字の名前とカタカナの読みの両方を入れて、登録の番号が出てくるかを調べます
  • 振込先の名義:振込先として示された口座の名義が、サイトの名前とも、書類の会社の名前とも違えば、振り込んだお金はサイトの運営と結びつかない口座に入ります。相手がもっともらしい理由を添えても、名義が違う時点で振込をやめます

5つのうちどれか1つでも食い違いが見つかれば、ほかの書類がどれだけ本物らしく見えても、そのサイトにお金を預ける理由はなくなります。すでに振り込んだ後で食い違いに気づいた場合は、振込の明細と書類の画面を残したうえで、専門家に相談してください。

【参考】
・Kentucky Secretary of State-Validate Certificate of Existence/Authorization
・金融庁-金融事業者一括検索

AJIF ONEの口コミは同じ略称の別の団体に埋もれて見つからない

口コミだけでは判断できない。同じ略称の別団体が見つかる。内部は招待コードなどで制限。投稿が見つからなくても安全とは限らない。事案名「AJIF ONE(ajifone.com)」を右上に示す説明図。

AJIF ONEの名前でX・Yahoo!知恵袋・5ちゃんねる・Yahoo!検索などを見ても、2026年11月4日の時点では、使った人の体験談や被害を訴える投稿にたどり着けませんでした。理由として考えられるのは、「AJIF」という略称の重なりと、外から中に入れない作りの2点です。

「AJIF」で調べるとアイドルのフェスや研究の基金が並ぶ

Yahoo!検索で「AJIF ONE 詐欺」「ajifone.com」と調べても、該当する結果は0件でした。「ajifone」で調べると、綴りの近いIP電話のアプリの名前に読み替えられ、本件とは関係のないページが並びます。

名前を短くして「AJIF」で調べると、検索結果の上位には、アイドルのイベント「ALL JAPAN IDOL FES(AJIF)」が並びます。Xでも、「AJIF」を含む投稿はこのイベントの話題でした。

もう1つは、日豪の研究を支える基金「Australia Japan Innovation Fund(AJIF)」です。どちらもAJIF ONEとは関係のない別の団体ですが、同じ略称の団体の情報が検索結果を埋めているため、AJIF ONEについての投稿があっても目に届きにくくなっています。

招待コードとLINEのログインがないと中に入れない

AJIF ONEの取引サイトは、招待コードがなければ口座を開けません。同じ名前の選考会のサイトも、アンケートの送信や投票、抽選は、LINEでログインしないとできない作りでした。外から画面の中身を確かめられる人が限られるため、体験した人以外が話題にすることも起きにくくなります。

ajifone.comの登録日は2026年10月2日で、選考会のajif.oneはその前日です。どちらも名前が使われ始めてから日が浅く、被害を受けた人の声が検索で拾えるほど集まるまでには時間がかかります。

名前で調べても何も出てこないのは、被害がないからとは限りません。体験談に頼れない取引サイトほど、前の章で挙げた書類の名前と番号を、自分で役所の記録に戻して確かめることが大切です。

【参考】
・AJIF ONE-新規登録(https://ajifone.com/auth/register)
・ALL JAPAN IDOL FES(https://ajif.jp/)
・Australia Japan Innovation Fund(https://www.australiajapaninnovation.org/)

AJIF ONEの書類の会社より振込先口座からの取り戻しを考える

振込先を起点に動く。追加の支払いを止める。明細と画面の記録を残す。警察・金融機関へ早めに伝える。事案名「AJIF ONE(ajifone.com)」を右上に示す説明図。

AJIF ONEのアドレスを案内され、相手方の指定した口座へ振り込んだ場合、お金を取り戻すために確認すべきことは次の3つです。

  • 書類に名前のある米国の会社に、返金を求められるか
  • 振り込んだ先の口座に残ったお金が、どのような手続きで戻るか
  • 選考会やLINEから新しい案内が来たときに、どう対応するか

まずは、書類に名前のある会社です。証明書や株券には「AJIF ONE Ltd.」という米国の会社の名前が示されていますが、前の章までの調べで、証明書の番号も株券の数字も、書類そのものに食い違いが見つかっています。

証明書に出てくる会社に返金を求めても相手にたどり着きにくい

証明書に書かれた会社はAJIF ONE Ltd.、証明書の番号の持ち主はTONGYI Ltd.、そして振込先の口座の名義は、そのどちらとも違う名前でした。お金を受け取った相手と、書類に名前のある会社が一致していません。

書類の会社に返金を求めても、実際にお金を受け取った相手にはたどり着けないおそれがあります。州の記録にあるAJIF ONE Ltd.の本社もニューヨークの住所で、日本で連絡を受ける窓口は示されていません。

相手が海外の会社を名乗っていても、日本の裁判所で争えないとは限りません。民事訴訟法第3条の3は、日本の裁判所に訴えを起こせる場合を並べており、その第8号は不法行為についての訴えです。

八 不法行為に関する訴え 不法行為があった地が日本国内にあるとき(後略)

ただし、訴えるには、相手が誰で、どこにいるのかを示す必要があります。手がかりになるのは、お金が実際に入った振込先の口座です。振込先の名義人がどこの誰なのかは、銀行が個人からの問い合わせに答える事柄ではありません。

名義人を確かめる道として、弁護士法は第23条の2で弁護士会からの照会を定めています。依頼を受けた弁護士が弁護士会に申し出て、銀行に名義人の情報を尋ねる手続きです。振込先の名義人が分かれば、誰に何を請求するかを考える手がかりになります。

振り込んだ先の口座は警察と金融機関に止めてもらう

振り込んだお金が戻るかどうかは、振込先の口座にどれだけお金が残っているかで変わります。残ったお金は、振り込め詐欺救済法に基づく公告と申請を経て、その口座へ振り込んだ人たちに分配されます。

その手続きの入口は、口座の取引を止めることです。被害に気づいたら、警察と振込先の金融機関の両方に、振り込んだ日と口座を伝えてください。振込の明細を手元に用意して伝えると話が早く進みます。

取引が止まった口座は公告され、決められた期間に被害者が支払いを申請します。金融庁の振り込め詐欺救済法のQ&Aによれば、申請に手数料はかからず、申請書は振込先の金融機関に出します。引き出しが進むほど分配の元になるお金は減るため、止めるのは早いほど望ましいといえます。

手続きでは、いつ、どの口座へ、いくら振り込んだかを示すことになります。振込の明細に加え、AJIF ONEのサイトが閉じられる前に、残高や取引の画面を撮って手元に残しておいてください。

選考会やLINEから次の案内が来ても新たに払わない

選考会のアンケートは、利益が出たときに15%の手数料を払うことに、あらかじめ同意させる作りでした。取引サイトで利益が出たように見えると、その手数料や、出金のための別の支払いを求められることがあります。

求めに応じて払っても、出金が認められる保証はありません。新しい「資産管理口座」や別の取引への案内が届いても、追加のお金は払わずに、消費者ホットライン(188)や警察に伝えてください。

AJIF ONEのように、書類の会社と振込先の名義が分かれている事案では、相手を突き止めるところから手続きが始まります。振込の明細と画面の記録をそろえ、早めに専門家に相談して、振込先の口座を止める手続きと相手への請求を並行して進めることが、取り戻す見込みを残す近道です。

【参考】
・e-Gov法令検索-民事訴訟法
・e-Gov法令検索-弁護士法
・金融庁-振り込め詐欺救済法に関するQ&A
・消費者庁-消費者ホットライン

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弁護士紹介

翔躍法律事務所 代表弁護士 近藤裕之

翔躍法律事務所 代表弁護士

近藤 裕之

登録番号
60051

元裁判官。裁判官として民事事件に携わったほか、法務省大臣官房参事官として国の訟務にも従事しました。

主な経歴

  1. 仙台地方裁判所 判事補
  2. 東京地方裁判所 判事
  3. 東京地方裁判所 民事第18部 判事
  4. 法務省大臣官房参事官(訟務担当)

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