NEXVORA(h5.ptucmwxep.com)の詐欺手口は?副業から投資案件に変わる仕組み

NEXVORA(h5.ptucmwxep.com)は、暗号資産の取引所の形をしたサイトです。この相談では、動画のスクリーンショットを撮る副業の報酬を受け取る先として、このサイトへの登録を案内されました。

話はその後、暗号資産の投資に移りました。相手は株式会社BLUE AGETEを名乗り、相談者は3つの銀行の口座への振込とPayPayの送金を重ねた後、内容を秘密にするよう求められました。

サイトのプログラムを調べると、登録したばかりの利用者にはウォレットの画面だけを見せ、運営の通知で利用者ごとに取引の画面を出す作りでした。サイトの中の入金の入口も閉じてあります。

相手が公式サイトとして示したblue-agete.jpは、実在の法人の法人番号を載せながら、取引サイトの13日前に登録され、同じ組み合わせのネームサーバーを使っていました。

副業の話が投資にすり替わる仕組みを、プログラムと登録情報から弁護士が解説します。口止めをされた後に振込とPayPayの送金を取り戻す道筋も、最後の章にまとめました。

動画のスクリーンショットの副業からNEXVORAでの取引に移るまで

副業から送金への経緯。スクショ作業から別の仕事へ。報酬先として登録を案内。銀行振込とPayPayで送金。事案名「NEXVORA(h5.ptucmwxep.com)」を右上に示す説明図。

この章では、動画のスクリーンショットを撮る副業から始まり、報酬の受け取り先として示されたNEXVORA(h5.ptucmwxep.com)への登録、株式会社BLUE AGETEを名乗る相手の説明、そして銀行振込とPayPayでの送金へと進んだ流れをたどります。

スクリーンショットを撮る仕事から「別の仕事」へ案内された

相談者が最初に引き受けたのは、動画のスクリーンショットを撮るというタスクの副業でした。その途中で、相手から「別の仕事がある」と案内されます。そこから話は、暗号資産(仮想通貨)の投資をうたう内容へと移っていきました。

国民生活センターも、「スクリーンショットを撮るだけ」といった、すき間の時間で簡単に稼げるかのような広告に注意を呼びかけています。これらの注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、副業の作業から始まって後に振込を求められる流れは本件とも重なります。

▼スクショ副業の広告と少額の報酬への注意喚起

nexvora-スクショ副業の広告と少額の報酬への注意喚起

出典:国民生活センター

報酬を受け取るための登録先としてNEXVORAを示された

別の案内には、報酬を受け取るためのアカウントの登録先として、h5.ptucmwxep.comの登録のページのアドレスが書かれていました。案内は、登録するとすぐに1,800円を受け取れることや、手数料なしで出金できることをうたっています。

このサイトのログインの画面に出ている名前が「NEXVORA」です。サイトのウォレットの画面には「報酬」「チャージ」「売買契約」「引き出し」の履歴が並び、収益や補償の金額も表示されていました。ただし、これらはサイトの画面の上の数字で、実際に受け取られたことを示すものではありません。

相手は株式会社BLUE AGETEを名乗り公式サイトを示した

やり取りの中で、相手は「株式会社BLUE AGETE」と名乗りました。相手がチャットの中で会社の公式サイトとして示したのは、blue-agete.jpのアドレスです。このサイトには、会社概要や手作りの商品を紹介するページが並んでいます。

しかし、このサイトや相手の勧誘を名前を使われた実在の法人が行ったことを示す情報は確認できませんでした。blue-agete.jpがどのようなサイトなのかは、次の章で確かめます。

銀行振込は30分以内と急がされPayPayでも送金した

暗号資産の取引の名目で、相手は振込先の口座を示し、30分以内に振り込むよう求めました。相談者が振り込んだ先は、3つの銀行に1つずつある口座です。どの口座も、相手が指定したものでした。

これとは別に、相手は振込の後にPayPayの受け取りリンクを送るよう求め、相談者はリンクを相手に送りました。PayPayでの送金もしています。相手は申請が通ったと伝えた後、やり取りの内容を秘密にするよう求めました。

動画のスクリーンショットの副業から「別の仕事」として暗号資産の投資に誘われ、報酬の受け取り先として登録したNEXVORAでの取引のために、相手が指定した口座への振込とPayPayでの送金を重ねたことが、被害につながった経緯です。

【参考】
・国民生活センター-簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!
・NEXVORA(https://h5.ptucmwxep.com/)
・BLUE AGETE(https://www.blue-agete.jp/)

株式会社BLUE AGETEのサイトに残る取引サイトと同じ管理の跡

会社情報と管理の跡。法人番号と所在地は一致。2つのドメインに共通点。運営者の同一性は未確認。事案名「NEXVORA(h5.ptucmwxep.com)」を右上に示す説明図。

相手が公式サイトとして示したblue-agete.jpには、実在の法人の法人番号と所在地が載っています。この章では、その会社概要に加えて、アドレスの登録日、ネームサーバー、金融庁の検索の結果を順に確かめます。

会社概要の法人番号と所在地は練馬区の実在の法人のもの

blue-agete.jpの「私たちについて」のページには、会社概要の表があります。会社名は「株式会社BLUE AGETE」、会社法人番号は「2011601017041」、所在地は「東京都練馬区豊玉中3丁目17番6号」です。主たる業務内容の欄には、「軽作業・内職業務の請負」と書かれています。

▼内職の請負をうたうblue-agete.jpの会社概要

nexvora-内職の請負をうたうblue-agete.jpの会社概要

出典:blue-agete.jp

国税庁の法人番号公表サイトでこの番号を引くと、練馬区の同じ所在地にある「株式会社BLUE AGETE」が出てきます。法人番号の指定は平成27年10月5日です。番号と所在地は、実在する法人のものと一致しています。

▼法人番号2011601017041の公表画面

nexvora-法人番号2011601017041の公表画面

出典:国税庁

一方で、経済産業省のgBizINFOにも、サイトにある資本金や従業員数、代表者は載っていません。会社概要のうち公表された情報と照らせるのは、名前と番号と所在地だけです。実在の法人がblue-agete.jpを運営していると分かる資料も確認できませんでした。

blue-agete.jpはNEXVORAのアドレスの13日前に登録された

.jpのアドレスの登録情報を引けるJPRSのWHOISで調べると、blue-agete.jpの登録年月日は2026年10月4日です。法人番号の指定から11年近く経ってから、この名前のアドレスが取られたことになります。

▼blue-agete.jpの登録年月日とネームサーバー

nexvora-blue-agete.jpの登録年月日とネームサーバー

出典:JPRS WHOIS

NEXVORAの画面が開くh5.ptucmwxep.comは、登録ドメインptucmwxep.comの下のアドレスです。ptucmwxep.comそのものを開いても、画面は出てきません。

そのptucmwxep.comの登録の記録は、協定世界時の10月17日12時7分、日本時間では同じ日の21時7分です。会社の「公式サイト」が用意されてから13日後に、取引サイトのアドレスが取られています。

▼ptucmwxep.comの登録日時の記録

nexvora-ptucmwxep.comの登録日時の記録

出典:rdap.verisign.com

2つのアドレスのネームサーバーは同じ組み合わせ

ネームサーバーは、アドレスとサーバーを結びつける役割を持ちます。blue-agete.jpのネームサーバーは「adi.ns.cloudflare.com」と「pablo.ns.cloudflare.com」の2つでした。

ptucmwxep.comの登録情報(RDAP)でも、ネームサーバーには同じadiとpabloの組み合わせが並んでいます。組み合わせが同じだけで、運営者が同じとまでは言い切れません。

それでも、内職の会社の「公式サイト」と暗号資産の取引サイトが同じ組み合わせの上に置かれていることは、2つが同じところで管理されている可能性を示す手がかりです。blue-agete.jpの登録者の連絡先も、日本ではなくシンガポールでした。

NEXVORAもBLUE AGETEも金融庁の検索では見つからない

NEXVORAという名前は、金融庁が登録や免許を与えた業者を名前から探せる一括検索に入れても0件です。表記を変えた「Nexvora」「ネクスヴォラ」や、相手が名乗った「BLUE AGETE」「ブルーアゲート」でも同じでした。

▼NEXVORAを金融庁の一括検索で調べた結果

nexvora-NEXVORAを金融庁の一括検索で調べた結果

出典:金融庁

暗号資産の取引の場を日本の利用者に提供するには、金融庁・財務局の登録を受けなければなりません。NEXVORAの名前でも、相手が名乗った会社の名前でも、登録を受けた業者は見当たりません。あわせて調べた記録も以下に記載します。

  • 金融庁の無登録業者の一覧に、NEXVORAとptucmwxep.comの記載はありません(記載がないことは、安全の根拠にはなりません)
  • Internet Archiveとurlscan.ioに、2つのアドレスの画面の記録は残っていませんでした
  • Googleのセーフブラウジングでは、h5.ptucmwxep.comとblue-agete.jpのどちらにも警告の判定は出ていません

会社の名前や法人番号がサイトに書かれていても、それだけで運営者を信用することはできません。副業や投資の話の中で会社の公式サイトを示されたら、法人番号公表サイトで所在地を確かめ、WHOISでアドレスの登録日を調べて、金融庁の一括検索で登録の有無を引いてから判断してください。

【参考】
・BLUE AGETE-私たちについて(https://www.blue-agete.jp/about.html)
・国税庁-法人番号公表サイト(株式会社BLUE AGETE)
・経済産業省-gBizINFO(株式会社BLUE AGETE)
・JPRS WHOIS(https://whois.jprs.jp/)
・rdap.verisign.com-ptucmwxep.com(https://rdap.verisign.com/com/v1/domain/ptucmwxep.com)
・金融庁-金融事業者一括検索
・金融庁-無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について

NEXVORAの取引の画面は運営の合図で利用者ごとに現れる

取引画面が現れる条件。初めはウォレットを表示。利用者ごとにメニューを変更。サーバー通知で再読み込み。事案名「NEXVORA(h5.ptucmwxep.com)」を右上に示す説明図。

NEXVORAは暗号資産の取引所の形をしたサイトですが、プログラムを調べたところ、登録したばかりの利用者には取引の画面を見せない設定になっていました。取引の画面が現れるのは、運営の側が利用者ごとに切り替えたときです。

この章では、その設定、画面の下のメニューの出し分け、運営のサーバーからの通知の3つを、h5.ptucmwxep.comのプログラムから順に確かめます。

サイトを開くと最初に出るのはウォレットの画面だけ

h5.ptucmwxep.comを開くと、まずNEXVORAのロゴを掲げたログインの画面が出ます。プログラムには、BTC/USDTなどの銘柄の一覧と、暗号資産の値動きを予想する取引画面も用意されています。

ログインの画面を開いたときにサイトが読み込む取引の設定のデータを取得して確かめたところ、取引の時間は30秒から180秒までの6種類で、利益の率は20%から40%です。数十秒から数分のうちに、予想が当たれば投じた額の2割から4割が利益になるという設定です。

▼NEXVORAのロゴを掲げたログインの画面

nexvora-NEXVORAのロゴを掲げたログインの画面

出典:h5.ptucmwxep.com

ところが、NEXVORAの版の設定には「initToUser」(開くとユーザーの画面へ移る)と「isHideHomeAndTrade」(ホームと取引を隠す)が並んでいます。ログインした利用者に最初に見えるのは、残高や履歴が並ぶユーザーの画面、つまりウォレットの画面だけです。

▼ホームと取引を隠すNEXVORAの版の設定

nexvora-ホームと取引を隠すNEXVORAの版の設定

出典:h5.ptucmwxep.com

ホームと取引のメニューは利用者の情報で出し分けられる

同じ設定には、「isHideHomeAndTradeFromUserInfo」という項目もあります。画面の下に並ぶメニューを作るプログラムを見ると、この項目があるときは「ホーム」と「取引」をいったん外します。

そのうえで、サーバーから受け取った利用者の情報に「showIndexTradePage」の印が付いているときだけ、2つのメニューを先頭に戻します。印のない利用者のメニューには、最後まで取引の入口が出てきません。

▼利用者の印でホームと取引を戻すメニューの処理

nexvora-利用者の印でホームと取引を戻すメニューの処理

出典:h5.ptucmwxep.com

プログラムの中に、利用者が自分でこの印を付けられる操作は見当たりません。登録したサイトに取引の画面が出るかどうかは、サーバーの側、つまり運営が利用者ごとに決める仕組みとみられます。

運営のサーバーが通知を送ると画面が読み込み直される

NEXVORAは、ログインした利用者の画面と運営のサーバーをつなぎっぱなしにして、サーバーからの通知を受け取っています。その通知の種類の1つが「show_index_trade_page」です。

この通知が届くと、プログラムは「showHomeAndTrade」の合図を出し、画面を読み込み直して「ホーム」と「取引」のメニューを表示させます。利用者が何も操作しなくても、運営の通知ひとつで取引の画面が現れることになります。

▼取引の画面を出す運営の通知を受け取る処理

nexvora-取引の画面を出す運営の通知を受け取る処理

出典:h5.ptucmwxep.com

本件で、NEXVORAは副業の報酬を受け取るための登録先として案内されました。登録の時点ではウォレットの画面だけを見せ、投資の話に移った段階で取引の画面を出すという使い方ができる作りです。

副業のつもりで登録したサイトに後から取引の画面が現れたら、それは運営が画面を切り替えた合図かもしれません。運営会社の名前と金融庁の登録を確かめるまでは、入金の話を進めないでください。

【参考】
・NEXVORA-ログイン(https://h5.ptucmwxep.com/login)
・NEXVORA-プログラム(https://h5.ptucmwxep.com/static/js/index.tfOx8CFz.js)
・NEXVORA-下のメニューのプログラム(https://h5.ptucmwxep.com/static/js/index-Dt4y7a-D.js)

NEXVORAのチャージは振込の後に運営が数字を載せる作り

表示額と入金経路の違い。チャージの入口は閉じられる。損益と出金条件にも設定項目。表示額は受取の証拠ではない。事案名「NEXVORA(h5.ptucmwxep.com)」を右上に示す説明図。

NEXVORAのウォレットには「チャージ」や「売買契約」の履歴が並んでいました。ところが、サイトの中には利用者が自分で入金する入口がありません。この章では、チャージのボタンの作り、取引の勝ち負けの設定、出金に求められる信用の点数、3万円を境に分かれる出金の方法の4つを見ていきます。

チャージのボタンを押しても入金の画面に移らない

前の章で見たNEXVORAの版の設定には、「isForbiddenRecharge」という項目もあります。入金(チャージ)を止めるという意味の名前です。プログラムを調べたところ、この項目があると、「チャージ」のボタンを押しても入金の方法を選ぶ画面へ移りません。

このプログラムの入金の作りでは、もともと利用者が「チャージ証明書」の画像を上げ、「チャージが成功しました, プラットフォームの審査をお待ちください」と表示されて、運営が審査することになっています。NEXVORA版では、その入口も閉じられていました。

それでも、相談者のウォレットにはチャージの履歴が並んでいます。サイトの外で相手が指定した口座に振り込まれたお金を、運営がウォレットの数字として載せたものとみられます。サイトの中に入金の入口がない以上、ウォレットの数字を動かせるのは運営の側です。

取引の勝ち負けの既定値を運営が設定する項目がある

ログインの画面を開いたときにサイトが読み込む設定のデータを取得して確かめたところ、「orderProfit」という項目がありました。中国語の説明は「合约订单默认盈亏设置」で、日本語にすると「契約の注文の既定の損益の設定」という意味です。

ウォレットの「売買契約」は、この契約の注文に当たるとみられます。値は「2」で、その意味までは断定できません。それでも、利用者の注文の勝ち負けについて、運営が既定の値を決めておく項目が設定に置かれていること自体が取引の公正さを疑わせる材料です。

出金の前に信用の点数100を求める設定がある

同じ設定のデータには、「提款是否需要信誉分」(出金に信用の点数が要るか)が「true」、「提款信誉分」(出金の信用の点数)が「100」とあります。登録したときの点数も100です。利用者の画面には、この点数が「クレジットポイント」として出ます。

点数を上げ下げする操作は、利用者の画面にはありません。運営が点数を100より下げれば、出金の条件を満たさなくなる作りとみられます。案内がうたっていた「手数料無料で出金できる」という説明に、この条件は出てきません。

3万円未満の出金はPayPayの受取用QRコードに限られる

NEXVORAの版の設定には「isWithdrawFirstPayPay」もあり、設定のデータでは境目の金額が3万円です。出金の画面のプログラムは、3万円未満で銀行口座を選ぶと、境目の金額に続いて次の文を出します。

円未満のお引き出しは PayのQRコード出金を選択のうえ 「確定」をクリックして口座連携を完了してください

反対に、3万円以上でPayPayを選ぶと「円以上の出金は 銀行口座出金をご利用ください」と出ます。出金の先として、利用者に自分のPayPayの受取用QRコードや銀行口座を登録させる作りです。申請の後は「審査をお待ちください」と表示され、その先を決めるのは運営です。

チャージも勝ち負けも出金の条件も、運営の側の設定で決まるサイトに、ウォレットの数字を増やすための振込を重ねても、そのお金を引き出せる裏付けにはなりません。次の振込の話が出たら、その場で応じずに、家族や相談の窓口に事情を伝えてください。

【参考】
・NEXVORA-プログラム(https://h5.ptucmwxep.com/static/js/index.tfOx8CFz.js)
・NEXVORA-出金の画面のプログラム(https://h5.ptucmwxep.com/static/js/index-sKXy3Ddg.js)

NEXVORAと同じ仕組みに日本向けの名前が49件ある

番号で切り替わる名前。同じ仕組みの設定を確認。日本向けの設定が並ぶ。名前だけで信用しない。事案名「NEXVORA(h5.ptucmwxep.com)」を右上に示す説明図。

NEXVORAという名前は、サイトのプログラムに直接書かれているわけではありません。ログインの画面は、名前やロゴを決める設定を番号で呼び出して表示しています。この章では、その番号の仕組み、同じ仕組みに並ぶ名前の数と時期、NEXVORAの設定が作られた日時を確かめます。

番号を変えると同じ仕組みが別の名前を返す

h5.ptucmwxep.comのログイン画面は、開くたびに「getLogo?version=3_0021」というアドレスから設定を読み込みます。このアドレスはブラウザでそのまま開くことができ、名前の欄に「NEXVORA」、言語の欄に「日语」、国の欄に「日本」、通貨の欄に「円」と書かれています。

▼NEXVORAの名前と作成日時が並ぶ設定

nexvora-NEXVORAの名前と作成日時が並ぶ設定

出典:h5.ptucmwxep.com

アドレスの末尾の「3_0021」を別の番号に変えると、同じサーバーが別の名前の設定を返します。NEXVORAは、1つの仕組みの中で番号ごとに切り替えられる名前の1つにすぎないとみられます。

2025年5月から新しい名前が次々に足されている

先頭の数字が1から4までの番号を順に開いたところ、名前の設定は少なくとも49件ありました。49件とも言語は日本語、国は日本、通貨は円です。名前が入っている設定は35件でほかは空欄でした。

いちばん古い設定の作成日時は2025年5月1日で、2025年のうちに29件、2026年に入って20件が作られています。平均すると、およそ11日に1件のペースです。NEXVORAの設定の後にも、2026年10月31日と11月2日に新しい設定が足されていました。

同じ仕組みの名前の設定を読み込む別のアドレスも稼働しています。m.vypnhnqiafrci.ccは2026年3月22日に登録されたアドレスで、日本語のログインの画面と同じ取引の設定を返します。名前もアドレスも替えながら、日本の利用者に向けた画面を作り続けている仕組みとみられます。

NEXVORAの設定はドメインの登録の16分前に作られた

NEXVORAの設定に書かれた作成日時は「2026-10-17 20:51:44」、更新日時は同じ日の「21:35:45」です。このサーバーが返す時刻を日本時間とみると、ptucmwxep.comの登録(日本時間の21時7分)の16分前に、NEXVORAの名前が設定として作られていたことになります。

設定の作成からアドレスの登録、設定の更新までは、44分の間に収まっています。相手が「公式サイト」として示したblue-agete.jpの登録から数えると、13日後の夜のことでした。

勧誘の中でサイトの名前を告げられても、その名前が昨日できたばかりのこともあります。案内されたサイトの名前で検索して口コミが見つからないときは、安心する材料ではなく、新しく作られた名前の可能性を疑う材料と受け止めてください。

【参考】
・NEXVORA-名前の設定(https://h5.ptucmwxep.com/prod-api/common/getLogo?version=3_0021)
・同じ作りの別のアドレス(https://m.vypnhnqiafrci.cc/)
・rdap.verisign.com-ptucmwxep.com(https://rdap.verisign.com/com/v1/domain/ptucmwxep.com)

副業の話が投資にすり替わる合図を知っておく

投資に変わる合図。報酬先への登録を求める。後から取引画面が現れる。期限付きの送金は止める。事案名「NEXVORA(h5.ptucmwxep.com)」を右上に示す説明図。

本件では、動画のスクリーンショットの副業が、登録・会社の名乗り・取引の画面・振込・PayPayの送金・口止めと、いくつもの場面を経て暗号資産の投資の話に変わっていきました。どの場面にも、立ち止まるきっかけになる合図があります。場面の順に、合図とそのとき確かめる先を挙げます。

  • 報酬の受け取りのための登録の合図:副業の報酬を受け取るために、取引所のようなサイトへの登録を求められたら、そのアドレスがいつ登録されたかを調べます。.comなどはRDAP、.jpはJPRSのWHOISで引けます
  • チャットで渡される「公式サイト」の合図:会社の公式サイトを相手から示されたら、法人番号公表サイトで番号と所在地を引き、サイトの業務の欄(内職の請負など)と勧誘の中身(暗号資産)が合っているかを比べます
  • 後から現れる取引の画面の合図:副業で登録したサイトに取引のメニューが出てきたら、サイトの名前と運営会社の名前を、金融庁の金融事業者一括検索で調べます
  • 時間を区切った振込の合図:「30分以内」のように期限を切って振込を急がされたら、その場で振り込まず、いったんやり取りを止めます
  • PayPayの受け取りリンクを求められる合図:受け取りリンクを作って相手に送るよう言われたら、作る前に手を止めます。送ってしまったリンクは、受け取られる前なら送り手の側で取り消せます
  • 口止めの合図:「内容を秘密に」と言われたら、それを理由に家族や警察に話すようにします

副業のつもりで始めた話に、登録先のサイト、会社の名前、振込の期限、口止めが重なっていくほど、立ち止まる理由は増えていきます。合図に1つでも気づいたら、振込や送金の前に、確かめる先を自分で開いてから判断してください。

【参考】
・JPRS WHOIS(https://whois.jprs.jp/)
・国税庁-法人番号公表サイト
・金融庁-金融事業者一括検索
・PayPay-「送る・受け取る」機能が、より安全安心にご利用いただけるようになりました。

NEXVORAの口コミは海外の同じ名前の事業者に埋もれて出てこない

名前だけでは探しにくい。検索結果に同名の別事業。本件名の投稿は見当たらない。勧誘の流れでも調べる。事案名「NEXVORA(h5.ptucmwxep.com)」を右上に示す説明図。

2026年11月4日の時点で、Yahoo!知恵袋、X、5ちゃんねるなどのどこにも、NEXVORAやh5.ptucmwxep.com、BLUE AGETEの名前を出した投稿は見当たりませんでした。

この章では、名前で調べても被害の声にたどり着きにくい事情を、検索の結果とサイトの作りから確かめます。あわせて、名前は違っても同じ流れの相談が以前から寄せられていることを紹介します。

NEXVORAで検索すると海外の同じ名前の事業者が並ぶ

Yahoo!検索で「NEXVORA」と調べると、上位に並ぶのは海外の同じ名前の事業者です。通販の代行、広告、ソフトウェアの開発など業種はさまざまで、暗号資産や投資を扱う事業者は1つもありません。本件のサイトの名前は、こうした無関係な結果の中に埋もれてしまいます。

相手が名乗った「BLUE AGETE」で調べると、検索結果の1番目に出るのは、相手が公式サイトとして示したblue-agete.jpそのものです。会社の名前が本当かを確かめようとした人が、最初に開くのが偽のサイトになってしまいます。

ptucmwxepは出会い系サイトの名前に読み替えられる

h5.ptucmwxep.comの「ptucmwxep」は、意味を持たないアルファベットの並びです。Yahoo!検索にこの語を入れると、似た綴りの出会い系サイト「PCMAX」の結果が表示され、本件のサイトの話にはなりません。

サイトの側にも、検索で見つかりにくい作りがあります。トップのページには、検索エンジンに載せないよう求める「noindex」の指定があり、設定のデータでは登録に招待コードが必須です。

ptucmwxep.comは2026年10月17日の登録で、振込のあった時期までの日数も短く、書き込みが積み重なる時間がほとんどありませんでした。招待された人だけが入れるサイトの中のことは、外からは見えません。

スクリーンショットの副業から投資へ進んだ相談は以前からある

名前は違っても、同じ流れの相談は以前から寄せられています。Yahoo!知恵袋の2025年3月1日の質問は、内職の広告から動画のスクリーンショットの仕事、ビットコインの投資へと案内された経験をつづっています。

この間副業しようと思いインスタの内職(シール貼り)の広告に登録しました。
すると仕事は今はないので代わりにの仕事を案内されました。
内容は動画のスクリーンショットを撮ったら稼げると言うものでした。
1日12個の仕事があり時間によってはビットコインの投資をして、振り込んだ額に上乗せして返ってくると言うものでした。
(後略)

この質問は本件より1年8か月ほど前のもので、NEXVORAやBLUE AGETEの名前は出てきません。それでも、内職の仕事の話から動画のスクリーンショットの作業を経て、暗号資産の投資と振込へ進む組み立ては本件とよく似ています。

東京都消費生活総合センターも、動画共有SNSのスクリーンショットの仕事から「もっと楽に稼げる」と暗号資産の投資タスクに誘われ、個人名義の口座に振り込んだ相談の事例を紹介しています。

これらの注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、入口の作業と行き先の投資は同じです。

▼スクショの仕事から暗号資産の投資に誘われた相談事例

nexvora-スクショの仕事から暗号資産の投資に誘われた相談事例

出典:東京都消費生活総合センター

口コミが0件という結果は、そのサイトが新しく、閉じた場所で勧誘していることの表れでもあります。名前だけでなく、「スクリーンショット 副業 暗号資産」のように、勧誘の流れを表す言葉で同じ相談を探してみてください。

【参考】
・Yahoo!知恵袋-2025年3月1日の質問(内職の広告から動画のスクリーンショットの仕事とビットコインの投資を案内されたという相談)(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14311660069)
・東京都消費生活総合センター-SNSがきっかけの副業トラブルに注意!

口止めをされた後に振込とPayPayの送金を取り戻す道筋

記録を残して相談する。口止めされても相談できる。未受取のリンクは取消を確認。送金方法ごとに記録を整理。事案名「NEXVORA(h5.ptucmwxep.com)」を右上に示す説明図。

相談者は、3つの銀行の口座への振込とPayPayでの送金をした後、相手から「内容を秘密に」と求められていました。副業の話から始まったお金を取り戻すために、この段階で答えておきたいのは次の3つです。

  • 秘密にするよう言われた話を、家族や警察に話してよいのか
  • PayPayの受け取りリンクで送った分は、どう扱えばよいのか
  • 名前を使われた株式会社BLUE AGETEに返金を求められるのか、求める相手は誰なのか

まずは、口止めをどう受け止めるかから考えます。ここでためらうと、警察への相談も、PayPayや金融機関への連絡も始められません。相手とのやり取りが続いているうちに、決めておきたいことです。

「内容を秘密に」と言われた話ほど家族と警察に伝える

申請が通ったと伝えた直後の口止めは、周りの人に話して止められるのを防ぐためのものとみられます。秘密にする約束を守る理由はありません。話した相手が増えるほど、追加の振込を求められたときに立ち止まりやすくなります。

だまし取られたと感じたお金のことは警察相談専用電話の#9110へ、副業の契約や支払いの困りごととして話すなら消費者ホットラインの188へ電話をかけられます。相談の前に、相手とのやり取り、NEXVORAのウォレットの画面、振込の控えを消さずに保存しておいてください。

PayPayの受け取りリンクは受け取られる前なら取り消せる

PayPayの受け取りリンクは、送り手が作ったリンクを相手が開くと、お金が相手に移る仕組みです。PayPayは2024年2月28日のお知らせで、受け取りリンクを使った詐欺への対策を案内しています。

▼送り手が受け取りリンクを取り消せると伝えるお知らせ

nexvora-送り手が受け取りリンクを取り消せると伝えるお知らせ

出典:PayPay

また、今回の機能追加により、送り手が受け取りリンク(URL)をキャンセルできるようになりました。

まだ相手に受け取られていないリンクがあれば、アプリから取り消してください。すでに受け取られた分は、PayPayの窓口と警察の両方に伝えます。お知らせによれば、PayPayは24時間365日の電話の窓口を設けています。

PayPayの送金と銀行振込では手続きが分かれるので、それぞれの記録を分けて残しておきます。とくに、送ったリンクの画面とその日時は、相手が受け取ったかどうかを確かめる手がかりになります。

請求の相手は名前を使われた実在の会社ではなく口座の名義人

株式会社BLUE AGETEの名前と法人番号は、相手に使われたものです。練馬区の実在の法人がこの勧誘をしたことを示す情報はなく、返金を求める相手は、振込先の口座の名義人やPayPayで受け取った人になります。

銀行振込の分は、振込先の金融機関に連絡し、振り込め詐欺救済法の手続きで口座の取引を止めてもらうことから始まります。ただし、救済法で配られるのは、口座が止まったときに残高として残っていた分までです。

一方で、残っていなかった分を名義人に求めるには、名義人の氏名や住所が分からなければなりません。3つの口座の名義が同じとは限らず、PayPayの受け取り手も別の人かもしれません。

こうした情報は、本人が金融機関やPayPayに問い合わせても教えてもらえないのが普通です。弁護士であれば、弁護士法第23条の2の照会の制度を使い、所属する弁護士会を通じて金融機関などに報告を求められます。

名義人を突き止め、口座ごと・送金ごとに請求の相手を整理していく段階では、専門家に相談することを検討してください。振込の控えとPayPayの記録をそろえて持参すれば、どの手続きから進めるかを一緒に決められます。

【参考】
・政府広報オンライン-警察に相談したいときは警察相談専用電話 「#9110」番へ
・消費者庁-消費者ホットライン
・PayPay-「送る・受け取る」機能が、より安全安心にご利用いただけるようになりました。
・e-Gov法令検索-犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律
・e-Gov法令検索-弁護士法

LAWYER

弁護士紹介

翔躍法律事務所 代表弁護士 近藤裕之

翔躍法律事務所 代表弁護士

近藤 裕之

登録番号
60051

元裁判官。裁判官として民事事件に携わったほか、法務省大臣官房参事官として国の訟務にも従事しました。

主な経歴

  1. 仙台地方裁判所 判事補
  2. 東京地方裁判所 判事
  3. 東京地方裁判所 民事第18部 判事
  4. 法務省大臣官房参事官(訟務担当)

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