相談者は、資産運用会社のアムンディ・ジャパンと取引しているつもりで、AMJの取引サイト(app.amj-pro.net)にお金を入れていました。銀行振込とイーサリアムの送付を重ねた後、出金を申し込むと「未処理の注文」を理由に止められ、使っていた交換業者でも送金に制限がかかっています。
サイトのプログラムでは、出金できる額は残高から運営が足し引きする「AMJ研修資金」を引いた数字でした。AIが売買するとうたう「Alpha Matrix」の管理画面にも、売買の値段を運営が書き込む欄があります。
会社概要は正規のアムンディ・ジャパンの情報の写しで、運用資産残高も正規の会社概要の6月末の版と同じ数字です。番号や所在地が正規と一致しても、それだけでは正規のサイトの根拠になりません。
本記事では、AMJの画面と管理画面のプログラム、正規のアムンディ・ジャパンの公式情報を照らし合わせた結果を弁護士が解説します。振込とイーサリアムのそれぞれについて、お金を取り戻す道と相談先も最後の章で紹介します。
アムンディ・ジャパンとの取引と思いAMJへ入金して出金を止められるまで

この章では、相談者がアムンディ・ジャパンとの取引だと受け止めていたAMJ(app.amj-pro.net)への入金から、出金の手続きが止まり、使っていた国内の交換業者でも送金に制限がかかるまでを順にたどります。入金は銀行振込とイーサリアムの送付の2つの方法に分かれていました。
AMJの取引口座をアムンディ・ジャパンのものと受け止めていた
相談者は、資産運用会社のアムンディ・ジャパンと取引していると思っていました。取引の状況や利益の確認に使っていたのが「https://app.amj-pro.net/」のサイトです。
このサイトのログイン画面に出ているのは、「AMJ」のロゴと「取引口座」の文字だけです。アムンディの名前は、ログインした後の会社概要などの画面に出てくる作りで、その中身は後の章で確かめます。
▼AMJのロゴと「取引口座」だけが並ぶログイン画面

出典:app.amj-pro.net
銀行振込の後はイーサリアムを買って相手が設定したアドレスへ送った
相談者が最初にお金を入れたときは、相手の側が示した口座に銀行から振り込んでいます。相談者の手元には、その振込の明細が残っています。その後のお金は、国内の暗号資産交換業者で購入したイーサリアム(ETH)を、指定のアドレスへ移す手順で入れました。
相談者の説明では、送り先は相手の側が設定した相談者あてとされるアドレスです。交換業者の送付の記録には、送り先が「プライベートウォレット(MetaMask等)」、目的が「自己のプライベートウォレットでの保管」と表示されたものもあります。
出金の画面で手続きができないと表示され残高を動かせない
相談者がAMJの出金の画面に日本円の出金額を入れると、画面には出金可能額とその出金額が並びました。ところが同じ画面には、未処理の注文があるため出金の手続きができないという趣旨の表示が出ました。
画面に出ていた出金可能額や入れた出金額が、実際に相談者の口座へ払い出されたことは確認できていません。画面に残高が表示されていても、その残高を手元に戻す手段がない状態です。
国内の交換業者で送金に制限がかかり警察への相談を勧められる
また、相談者が交換業者から送金しようとしたところ、送金に制限がかかりました。交換業者からは警察に相談するよう勧められていますが、相談者はまだ警察には相談しておらず、インターネットで見つけた窓口に先に相談しました。
アムンディ・ジャパンとの取引と思いAMJへ振込とイーサリアムの送付を重ね、出金の段階で「未処理の注文」を理由に止められたことが被害につながった経緯です。振込先とイーサリアムの送り先は、どちらも相手の側が示したものでした。
ただし、AMJが正規のアムンディ・ジャパンによって運営されていることを示す情報は確認できませんでした。続く章では、出金の画面の「出金可能額」がどう計算されているかをサイトのプログラムで確かめます。
【参考】
・AMJ(https://app.amj-pro.net/)
・アムンディ・ジャパン(https://www.amundi.co.jp/)
AMJの出金可能額は残高からAMJ研修資金を差し引いた数字

この章では、AMJの資産と出金の画面に出てくる「AMJ研修資金」という項目を取り上げます。研修資金の札、出金できる額の計算、運営側の管理画面の入力欄、出金を断る文の出どころの4つを順に見ます。
資産の画面と入出金の履歴に「AMJ研修資金」の札がつく
ここで見る資産の画面は、ログインしなければ開けません。AMJが読み込むプログラムそのものを取得すると、資産の画面に「AMJ研修資金」の欄があり、金額が0より大きいときだけ表示されます。入金と出金の履歴でも、研修資金として動いたお金の行にこの札がつきます。
画面の文字を言語ごとに差し替える一覧を見ると、ほとんどの項目は中国語の言葉をもとに各国語へ訳されていますが、この項目はもとの言葉が日本語の「AMJ研修資金」です。英語では「AMJ Training Funds」と訳されていて、AMJの名前に合わせて足された項目とみられます。
▼「AMJ研修資金」の英語の訳が並ぶサイトのプログラム

出典:app.amj-pro.net
出金できる額の計算で研修資金の分だけ減らされる
出金の画面に出る「出金可能額」は、プログラムの中で次の式で計算されていました。
const e=1z.value.availableBalance-1z.value.experienceBalance;return e<0?0:ai(e)
「availableBalance」は利用可能残高、「experienceBalance」はAMJ研修資金を指します。出金可能額は利用可能残高からAMJ研修資金を引いた額で、引いた結果が0を下回れば0になります。研修資金として入った分は、画面の残高に含まれていても出金できる額には数えられません。
▼残高から研修資金を引いて出金可能額を出す式

出典:app.amj-pro.net
研修資金は運営が利用者ごとに足し引きする欄から入る
AMJには、運営側の管理画面(asd.amj-pro.net)があります。ログインせずに取得できる管理画面のプログラムには、利用者の一覧に、総資産、利用可能資産、入金と出金の総額と並んで「AMJ研修資金」を出す欄がありました(日本語のこの項目のほかは中国語の表示です)。
研修資金を動かす処理は、利用者ごとに金額、足すか引くかの区別、国、備考を入れて送る作りです。お金の記録の種類にも「AMJ研修資金入金」「AMJ研修資金出金」があります。研修資金の額は相場や取引の結果ではなく、運営が利用者ごとに入れる数字とみられます。
▼研修資金の額と足し引きを送る管理画面のプログラム

出典:asd.amj-pro.net
「未処理の注文」の文はAMJの画面のプログラムにない
出金の申し込みは、金額・資金用のパスワード・出金先が入っているかを確かめて、サーバーへ送るだけの作りでした。出金を断るときは、サーバーから返ってきた文をそのまま画面に出すようになっています。
相談者の画面に出た「未処理の注文」という言い回しは、画面のプログラムを探しても出てきません。出金を止めるかどうかと、そのときに出す理由は、画面の外の運営の側で決まっているとみられます。
AMJの画面に出る残高や「出金可能額」には、運営が利用者ごとに足し引きできる数字が入り込んでいます。出金を止める理由も画面の外から届く以上、表示された金額を追加でお金を払えば受け取れる額と考えないでください。
【参考】
・AMJ(https://app.amj-pro.net/)
・AMJのプログラム(https://app.amj-pro.net/assets/index.EzoEeDfr.js)
・AMJの管理画面のプログラム(https://asd.amj-pro.net/static/js/app.b28b5013.js)
Alpha Matrixの自動取引の結果は運営が入力する欄から作られる

AMJのホームのメニューには「Alpha Matrix」という入口があり、AIが米国株を自動で売買する運用として案内されています。この章では、利用者の側の画面がうたう内容と、運営側の管理画面に用意された入力欄、申請の状態、出金の審査の欄を並べて見ていきます。
AIクオンツの画面は月1回の申請と15時30分の損益の反映をうたう
Alpha Matrixの画面もログインの先にあるため、サイトのプログラムから文言を読み取りました。「AIによる自動取引」の見出しの下の説明は、英語の画面では次の文です。
On US stock market trading days, Alpha Matrix continuously analyzes market data and executes trades automatically when conditions are met.
日本語では「米国株式市場の取引日に、Alpha Matrix(アルファ・マトリックス)が市場データを継続的に分析し、取引条件を満たした場合に自動で取引を行います。」と表示されます。
あわせて、取引が行われれば日本時間15時30分を目安に損益を確定して口座へ反映すること、申し込みは月に1回までであること、注文の受付は毎日16時から翌日9時までであることも示されています。資金の欄には「拘束中保証金」という項目もあります。
▼Alpha Matrixが自動で売買するとうたう英語の説明

出典:app.amj-pro.net
管理画面には銘柄と売買の時刻と値段を書き込む欄がある
運営側の管理画面(asd.amj-pro.net)は、ページの題が中国語で「股票管理系统」(株式管理システム)です。そのプログラムには、AIクオンツの申請ごとに注文を登録する入力欄がありました。
入力欄に並ぶのは、銘柄のコードと名前、ポジションの比率、買い付けと売却の日時、買値と売値、それぞれの手数料、備考です。注文は申請ごとに登録し、複数の注文をまとめて登録する処理もあります。米国株の売買の結果として利用者に見える数字の材料を、運営が書き込める作りといえます。
▼売買の日時と値段を運営が入れる管理画面の入力欄

出典:asd.amj-pro.net
AIクオンツの申請には「入力済み」という状態がある
利用者がAlpha Matrixに申し込むと、管理画面ではその申請を審査します。審査の欄には、申し込まれた円の額、運営が認める額、認める比率を入れるところがあります。
申請の状態は「審査待ち」「承認」「却下」「入力済み」「終了」の5つで、承認された申請に運営が注文を登録すると入力済みになるとみられます。そのあと申請ごとに決済し、終わらせる処理が続きます。
15時30分に口座へ反映されるという損益は、この流れの中で運営が入れた売買をもとに計算されるとみられます。
出金を断る理由も運営が自由に書き込める
管理画面には、利用者の出金の申請を審査する欄もあります。申請を却下するときは、却下の理由を運営が文章で入れる作りで、あらかじめ決まった理由の中から選ぶ形にはなっていません。
出金全体についても、受け付けるかどうか、週末の受け付け、手数料、1回の最少と最大の額、1日の回数、受付の時間帯を運営が決める設定がありました。前の章で見たとおり、利用者の画面はサーバーから返る文をそのまま出すので、「未処理の注文」のような理由も運営の側で決められる仕組みです。
Alpha Matrixの成績として示される損益は、AIの判断を外から確かめられる数字ではありません。損益が増えて見えても出金できないままなら、その数字を理由にした追加の入金や手数料の支払いは止めてください。
【参考】
・AMJ(https://app.amj-pro.net/)
・AMJのプログラム(https://app.amj-pro.net/assets/index.EzoEeDfr.js)
・AMJの管理画面(https://asd.amj-pro.net/)
・AMJの管理画面のプログラム(https://asd.amj-pro.net/static/js/app.b28b5013.js)
AMJの会社概要は正規のアムンディ・ジャパンの6月末の数字の写し

アムンディ・ジャパンの名前がAMJの中に出てくるのは、ログインした後に開く「会社情報」とプライバシーポリシーの画面です。
この章では、会社概要に並ぶ情報と運用資産残高の数字、利用規約の中身を確かめ、正規のアムンディ・ジャパンが公式サイトで示している事業の形と注意喚起に照らして見ていきます。
会社概要は第350号と汐留の所在地まで正規の情報を並べる
会社概要の画面はログインの先にあるため、画面に出すデータを取得して中身を確かめました。題は「アムンディ·ジャパン株式会社 会社概要」で、社名の中点には日本語の「・」ではなく、中国語などで使われる「·」が入っています。
本文には、会社名、東京都港区東新橋の汐留住友ビル14階という所在地、1971年11月22日の設立、パリの親会社の100%出資、関東財務局長(金商)第350号の登録が並びます。どれも正規の会社概要と同じで、番号や所在地を照らしても食い違いは出てきません。
運用資産残高は正規の会社概要の6月末の版と同じ数字
AMJの会社概要には、日本法人の運用資産残高として「約11兆1,451億円(2026年6月末時点)」と書かれています。正規のアムンディ・ジャパンの会社概要を2026年10月13日に保存した版を見ると、「2026年6月末現在」の表に同じ「約11兆1,451億円」が載っていました。
▼6月末の版の正規の会社概要に載る運用資産残高

出典:Internet Archive(アムンディ・ジャパン)
一方、現在の正規の会社概要は「2026年9月末現在」に更新され、運用資産残高は約11兆1,681億円です。AMJの数字は、正規の会社概要が6月末の版だった間に写し取られ、その後は直されていないとみられます。
▼9月末の数字に更新された今の正規の会社概要

出典:アムンディ・ジャパン
利用規約を開くとプライバシーポリシーが出てくる
AMJのメニューには「利用規約」と「プライバシーポリシー」の2つの入口がありますが、データを取得すると、どちらも「Amundi機関投資家向け取引口座に関するプライバシーポリシー」が返ってきました。利用規約にあたる文書は見当たりません。
このポリシーは8つの章からなり、運営する会社の名前や所在地、登録番号は書かれていません。最後の「適用法令」の章も「本ポリシーは、関連法令に準拠します。」とあるだけで、どの国の法令かは示されていません。入金や出金の条件を定めた条項もありませんでした。
正規のアムンディ・ジャパンは投資信託を販売会社を通して届ける
正規のアムンディ・ジャパンの公式サイトは、各ページの注記で、日本の居住者向けに設定・運用する国内投資信託の情報を伝えるためのサイトだと説明しています。よくある質問でも、ファンドを扱う販売会社の調べ方や、購入時の手数料はお取り扱いの販売会社に問い合わせるよう案内しています。
▼購入の窓口を販売会社と案内する正規のよくある質問

出典:アムンディ・ジャパン
公式サイトには、年金や金融機関などの機関投資家に向けた案内もありますが、窓口は機関投資家ビジネス本部です。個人が直接口座を開き、株を売買する「取引口座」の案内は、正規の公式サイトには見当たりませんでした。
注意喚起は機関投資家向けの優遇をうたう勧誘を詐欺の例に挙げる
正規のアムンディ・ジャパンが公式サイトに載せる注意喚起(2026年8月21日更新)は、冒頭で次のように書いています。
また、当社と他社との共同プロジェクトや、特別な取引口座を装う手口も確認されています。
詐欺の例の中には、「専門用語を使って信頼を装う手口」として、「OTC」などの用語で専門家を装い、機関投資家向けの優遇措置を個人でも受けられると思わせる事例が挙がっています。AMJの文書の題は「機関投資家向け取引口座」で、画面にも「OTC取引」や「ブロック取引」の項目があります。
▼特別な取引口座や機関投資家向けの優遇を挙げる注意喚起

出典:アムンディ・ジャパン
これらの注意喚起が本記事のトラブルと同一の案件であることまでは確認できませんが、AMJの文書の題や画面の項目は、ここに詐欺の例として並ぶ言葉と重なっています。とくに「機関投資家向け取引口座」という題は、注意喚起の言う「特別な取引口座」にそのまま当てはまります。
会社概要の番号や所在地、運用資産残高が正規の会社と一致していても、それだけでは正規のサイトである根拠になりません。アムンディの名前で取引の画面を案内されたら、アドレス欄の文字を正規の「www.amundi.co.jp」と1字ずつ見比べてください。
【参考】
・AMJ(https://app.amj-pro.net/)
・アムンディ・ジャパン-会社概要(https://www.amundi.co.jp/company/info/profile)
・Internet Archive-アムンディ・ジャパンの会社概要(2026年10月13日の保存版)(https://web.archive.org/web/20261013100602/https://www.amundi.co.jp/company/info/profile)
・アムンディ・ジャパン-よくあるご質問(https://www.amundi.co.jp/company/faq)
・アムンディ・ジャパン-年金・機関投資家のお客さま(https://www.amundi.co.jp/company/institutional)
・アムンディ・ジャパン-【注意】当社名や役職員を装った詐欺にご注意ください
amj-pro.comとamj-pro.netは20秒差で取得されている

相談者が開いていたのはapp.amj-pro.netで、これはamj-pro.netという登録ドメインの下にあるアドレスです。amj-pro.netそのものは、公開DNSで検索しても開く先がありません。
この章では、ドメインの登録記録と証明書の発行記録から、AMJのアドレスがいつ、どの組み合わせで用意され、そのうちどれが今も動いているのかをたどります。記録の時刻は、日本時間に直して示します。
取引サイトと管理画面とデータの送り先は8月9日と10日にそろった
ドメインの登録記録を照会すると、amj-pro.netの登録は日本時間の2026年8月9日22時16分39秒でした。名前が同じamj-pro.comは、その20秒前の22時16分19秒に登録されています。登録を受け付けた事業者は、.netと.comで別の会社です。
▼2026年8月9日に登録されたamj-pro.netの記録

出典:rdap.verisign.com
翌日の8月10日には、利用者の画面のデータを送り受けするdarvexino.ccが登録され、同じ日付から証明書の発行が続きます。app.amj-pro.netとapp.amj-pro.comは1枚の証明書にそろって載っています。
管理画面のasd.amj-pro.netの証明書も、同じ8月10日に出ていました。取引サイト、管理画面、データの送り先の3つが、2日のうちに一緒に用意されたとみられます。
止められたのはamj-pro.comだけで.netは今も開く
amj-pro.comの登録記録には、今の状態として「client hold」が載っています。登録を受け付けた事業者の側で、そのドメインの名前を引けないように止めている状態です。最終更新の日付は日本時間の2026年10月8日で、app.amj-pro.comはいま開くことができません。
▼client holdで止まったamj-pro.comの記録

出典:rdap.verisign.com
一方、相談者が使っていたapp.amj-pro.netは、2026年10月30日の時点でも開き、ログイン画面とデータの送り先が動いています。同じ日に取られた2つの名前のうち、片方が止められても、もう片方で取引サイトが続いていることになります。
保存記録や警告の有無は、次のとおりでした。
- Internet ArchiveとurlscanのWebサイトの保存記録:amj-pro.net・amj-pro.com・darvexino.ccとも見つからない
- Googleのセーフブラウジング:app.amj-pro.net・amj-pro.netとも「安全ではない」とする判定は出ていない
- 金融庁の無登録業者の一覧:AMJ・amj-pro・アムンディの名前は載っていない
ただし、記録や警告に名前がないことは、安全であることの根拠にはなりません。AMJのような取引の画面を案内されたら、アドレスの登録日を登録記録の照会で調べ、数か月前に取られたばかりの名前でないかを確かめてください。
【参考】
・AMJ(https://app.amj-pro.net/)
・rdap.verisign.com-amj-pro.net(https://rdap.verisign.com/net/v1/domain/amj-pro.net)
・rdap.verisign.com-amj-pro.com(https://rdap.verisign.com/com/v1/domain/amj-pro.com)
・tld-rdap.verisign.com-darvexino.cc(https://tld-rdap.verisign.com/cc/v1/domain/darvexino.cc)
・crt.sh-app.amj-pro.comとapp.amj-pro.netの証明書(https://crt.sh/?id=28698661337)
・Google-透明性レポート(セーフブラウジングのサイト ステータス)
・金融庁-無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(HTML版)
AMJで見る言葉をお金の流れに沿って確かめる

AMJのような取引の画面では、お金を入れるとき、残高が増えて見えるとき、出金を申し込むとき、出金を止められた後のそれぞれで、決まった言葉を目にします。ここまでの章で調べた事実をもとに、その言葉ごとに確かめる先を、お金の流れの順に並べました。
- お金を入れるとき
- 「アムンディ・ジャパンの機関投資家向け取引口座」→ 取引の画面のアドレスが正規の「www.amundi.co.jp」かどうかと、正規の公式サイトが個人向けに案内しているのが販売会社を通した投資信託であること
- 「関東財務局長(金商)第350号」→ 番号が正規の会社と一致しても、それは正規のアムンディ・ジャパンの登録で、番号を載せたサイトの運営者の登録ではないこと
- 「自己のプライベートウォレットでの保管」→ 送り先のアドレスを作り、管理しているのが本当に自分かどうか。相手から渡されたアドレスなら、自分のウォレットとは言えません
- 残高が増えて見えるとき
- 「AMJ研修資金」→ 自分が入れたお金なのか、運営が足した額なのか。出金可能額にその分が入っていないこと
- 「Alpha Matrixの損益」→ 売買した銘柄や値段を、取引所の記録など外の情報で確かめられるかどうか
- 出金を申し込むとき
- 「未処理の注文があるため」→ どの注文が残っているのかを自分の画面で確かめられるかどうか。確かめられない理由で止められたら、その理由を解くための支払いには応じないこと
- 出金を止められた後
- 交換業者からの「警察への相談」の勧め → 送金を止めた交換業者が示した相談先。AMJや相手の側の指示ではなく、交換業者と警察の案内に沿って動くこと
どの言葉も、AMJの画面や相手の説明の中だけで完結していて、外から裏付けを取れないところが共通しています。確かめる先が正規の会社の公式サイトや自分の取引の記録に見つからなければ、そこで入金を止め、警察相談専用電話(#9110)などの窓口に経緯を伝えてください。
【参考】
・AMJ(https://app.amj-pro.net/)
・アムンディ・ジャパン(https://www.amundi.co.jp/)
・アムンディ・ジャパン-【注意】当社名や役職員を装った詐欺にご注意ください
・金融庁-金融事業者一括検索
・政府広報オンライン-警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ
AMJの口コミが見つからず「アムンディ」の検索は正規の投資信託で埋まる

AMJ、app.amj-pro.net、AMJ研修資金、Alpha Matrixの名前で、X、Yahoo!知恵袋、5ちゃんねるなどを探しましたが、利用した人の投稿や相談は見つかりませんでした。この章では、見つからない事情を、AMJの名前の付け方と、アムンディの名前で調べたときの検索の結果から確かめます。
AMJやamj-pro.netの名前の投稿や相談は見当たらない
2026年10月30日の時点で、知恵袋で「amj-pro」と調べても、Xの投稿を探すYahoo!リアルタイム検索で調べても結果は0件でした。AMJの画面で外から見えるのは、ロゴの「AMJ」と「取引口座」だけのログイン画面です。
アムンディの名前はログインした後の画面にしか出てこないため、利用者がサイトの名前を問われても「AMJ」の3文字しか手がかりがない作りです。アドレスも相手から渡されたもので、名前やアドレスをそのまま検索して書き込む人が少ないとみられます。
「アムンディ」で調べると正規のファンドの質問が並ぶ
一方、利用者が取引の相手として思い浮かべるのは「アムンディ」の名前です。ところが知恵袋で「アムンディ」と調べると、80件の質問の先頭は正規のアムンディの投資信託についてのもので、「アムンディ 詐欺」「アムンディ LINE」では1件も出てきませんでした。
Xの投稿も、正規のファンドや相場の話題が並びます。「AMJ」は別の会社や商品の名前で、「Alpha Matrix」も別の投資の商品や指標の名前として検索結果を埋めています。アムンディの名前で調べる人には、AMJでの被害の相談があっても、正規の会社の話題に紛れて見えにくい状態です。
返金の相談へ誘う書き込みが検索の上位に混じる
「amj-pro.net」で調べると、検索の上位には、調査会社や法律事務所がAMJを取り上げた記事が並びます。その中には、自分も被害に遭ったと名乗り、個人のLINEのアカウントへ誘うブログも混じっていました。
このような書き込みは、体験談の形をとりながら、返金の相談を受け付ける窓口へ案内するものとみられます。返金の相談を受ける業者の中には誠実に対応するところもありますが、取り戻せると約束して費用を先に求める悪質な業者もいます。
連絡する前に、相手の名前や資格、費用の決まりを確かめ、慎重に判断してください。
2025年5月の知恵袋にもAIクオンツから出金できない相談がある
AMJの名前は出てきませんが、AIクオンツの名前で同じような流れに巻き込まれた相談は以前から知恵袋に寄せられています。2025年5月26日の質問は、題だけの短い投稿です。
AIクオンツの[氏名]と[氏名]ってアシスタントがいて通常取引みたいな事をしてIPOに誘導されました、出金できません、これ詐欺集団ですか?
この質問は本件より1年以上前のもので、会社やサイトのアドレスも書かれておらず、AMJとの関係は分かりません。ただ、AIクオンツの名前でアシスタントが取引を案内し、出金できなくなる組み立ては、AMJのプログラムにある「AIクオンツ取引」の項目や、Alpha Matrixの自動取引の説明と重なります。
AMJやアムンディの名前で口コミが出てこないからといって、AMJが安心して使えるサイトだということにはなりません。AIクオンツや機関投資家向けの口座をうたう勧誘を受けたら、名前だけでなく「出金できない」「アシスタント」などの言葉で知恵袋を調べ、似た相談がないかを確かめてください。
【参考】
・Yahoo!知恵袋-2025年5月26日の質問(AIクオンツのアシスタントにIPOへ誘導され出金できないという相談)(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14315514529)
交換業者に送金を止められた今から取り戻す道を確かめる

AMJで出金を断られ、使っていた国内の交換業者でも送金に制限がかかり、警察への相談を勧められた段階では、次のことを確かめておく必要があります。
- 交換業者に送金を止められたのは、自分が疑われているからなのか
- 銀行から振り込んだ分と、イーサリアムで送った分は、同じように取り戻せるのか
- 「自己のプライベートウォレット」と表示された送付を、被害として示せるのか
- 「未処理の注文」を片付ければ出金できると言われたら、払うべきなのか
どれも、お金がどこへ、どの方法で渡ったかによって答えが変わります。銀行振込とイーサリアムの送付が混じる本件では、とくにその違いが大きくなります。まずは、交換業者が送金を止めた背景から順に見ていきます。
交換業者の送金の制限は詐欺の被害を広げないための仕組み
交換業者の業界団体には、2026年8月6日付で警察庁と金融庁の連名の要請が出ています。暗号資産を使った詐欺を防ぐための11の対策の中には、疑わしい取引を見つけた後の取引の制限と並んで、「警察への情報提供及び連携の強化」が挙げられています。
要請文は、不正の確証が得られない場合でも、取引の一時保留や顧客への確認といった措置をとるよう整理しています。交換業者が送金を止め、警察への相談を勧めたのも、詐欺の被害が広がるのを防ぐための対応の一つとみられ、相談者を疑うためのものとは限りません。
▼取引の一時保留や警察との連携を挙げた当局の要請

出典:警察庁
勧められたとおり、警察相談専用電話(#9110)や最寄りの警察署に相談してください。交換業者にも、AMJとのやり取りや送付の経緯を早めに連絡しておくと、交換業者の側の記録と照らし合わせやすくなります。
銀行振込の分とイーサリアムの分で手続きが分かれる
銀行から振り込んだ分は、振り込め詐欺救済法の手続きを使える見込みがあります。金融庁の救済法Q&Aによると、この手続きを進めるのは振込先の金融機関です。
被害を申し出ると、金融機関が口座の取引を止め、残ったお金を被害者に分ける手続きに進む場合があり、申し出が早いほど残っている見込みは高くなります。
一方、交換業者で買ったイーサリアムの送付は、預金口座への振込ではないため、この手続きでお金が分けられる対象にはなりません。送った先のアドレスを金融機関のように止める仕組みもないため、イーサリアムの分は、送付の記録から行き先をたどれるかどうかを考えることになります。
自分のウォレットと表示された送付を被害として示すには
交換業者の送付の記録には、送り先が「プライベートウォレット(MetaMask等)」、目的が「自己のプライベートウォレットでの保管」と表示されたものがあります。記録だけを見ると、相談者が自分のウォレットへ移しただけのように読めてしまいます。
被害として示すには、そのアドレスを相手の側が設定したことを、やり取りの記録と送付の記録を並べて示す必要があります。さらに、送った先からお金がどこへ移ったかをたどり、国内の交換業者のアカウントに行き着けば、その持ち主を調べる手続きが要ります。ここは、個人では越えにくい部分です。
弁護士であれば、記録を被害の証拠として整理し、行き先が国内の交換業者に行き着いた場合には、弁護士会照会でアカウントの持ち主を調べることができます。結果は約束できませんが、記録が新しいうちに専門家に相談し、どこまでたどれるかを確かめておくことが、取り戻す可能性を高めます。
出金の条件を整えるためと言われても追加の送金は止める
前の章までで見たとおり、AMJの出金を断る理由は運営の側で決められ、画面の「出金可能額」にも運営が足し引きできる数字が入り込んでいます。「未処理の注文」を片付けるためと言われても、払っても出金されるという裏付けはありません。
正規のアムンディ・ジャパンも、注意喚起の中で、詐欺の例として次の手口を挙げています。
「CIB総合取引口座」などの名称で融資・資金決済・取引管理を装い、個人名義の銀行口座への振込を指示したうえで、出金時に税金・サービス料・違約金などの名目でさらなる送金を要求する事例
追加の支払いを求められても応じず、そのやり取りも画面ごと残してください。払うかどうか迷ったときは、送る前に警察や弁護士に相談すれば、そのお金を守ることができます。
【参考】
・警察庁-暗号資産を用いた詐欺被害等防止に向けた対策の一層の強化について(要請)
・金融庁-暗号資産を用いた詐欺被害等防止に向けた対策の一層の強化について
・政府広報オンライン-警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ
・金融庁-振り込め詐欺救済法に関するQ&A
・e-Gov法令検索-犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律
・アムンディ・ジャパン-【注意】当社名や役職員を装った詐欺にご注意ください
